登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (4), (5) |
登録年 | 2024年 |
現生人類は、約20万年前(諸説あり)に地球上に出現したと考えられています。南アフリカ各地には、洞窟や川など、更新世(約258万年前〜約1万1700年前)の中期〜後期まで、現生人類の進化が分かる場所が点在。これは現生人類の起源を解き明かす証拠の一つとして貴重なもの。
ここでは現生人類の出現:南アフリカの更新世の居住地群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アフリカの更新世の居住地群について詳しくなること間違いなし!
現生人類の出現:南アフリカの更新世の居住地群とは?
今や世界中で暮らしている現生人類は、約20万年前(年代に関しては諸説あり)にアフリカにて誕生したとされています。南アフリカ南部のピナクル・ポイント、東部のディプクルーフ、シブドゥ洞窟では、現生人類が暮らした跡や化石などが発見され、これらはホモ・サピエンスから現生人類(現代型のホモ・サピエンス)へと進化したことを示すもの。
中石器時代の遺跡では火の使用跡や石器、原始的な彫刻などが見つかり、ここで暮らしていた人々が、現生人類の行動へと繋がる能力を得たということを示します。そして、貝塚なども見られ、海洋資源を利用した最古の証拠も見つかり、これは海を中心とした食生活を示す最古の証拠。遺伝子や言語としては、アフリカ南部に暮らすコイサン諸語が地球上で存在する最古の現生人類の系統で、彼らの先祖は120〜130万年前に遡るということも分かり、これらの遺跡は現生人類の起源についての学説に多大に貢献してきました。
現生人類の出現:南アフリカの更新世の居住地群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
南アフリカの更新世の居住地群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
これらの遺跡は更新世(約258万年前〜約1万1700年前)の技術と現生人類の発展において、失われた文化の証拠であるということ。
登録基準(iv)
各遺跡の長期に渡る堆積物には、現生人類の発展における重要な段階を記録しているという点。
登録基準(v)
遺跡では、初期人類の土地利用と沿岸での暮らし、そして、氷河期と間氷期における人類の環境への適用が見られるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
南アフリカに点在する更新世の居住地は、火を起こし、技術・産業を生み出し、文化を育んだ形跡が残ります。これらはアフリカで生まれたホモ・サピエンスが現生人類へと至る過程がよく分かるものであるという点で評価。
さいこちなみにコイサン語族は、肺からの呼吸をせずに発する「吸着音」の子音が多くあることが特徴。これこそが人類最古の言語であると推測されています。さらには舌打ちの「チッ」と音も吸着音なので、舌打ちは人類最古の「不平不満」を表す表現だったのかもしれませんね…これは根拠ないですが。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。