登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (3) |
申請年(暫定リストに記載) | 2018年 |
ロシア中央部・ウラル山脈の南側に位置するシュルガン=タシュ洞窟は、この地方でも最大規模の洞窟であり、内部には後期旧石器時代の岩絵が発見されました。ここは古くから聖域であり、これらの岩絵には多くの動物が描かれていて、西ヨーロッパの岩絵と同様に人類による最初期の芸術作品でもあります。
ここではシュルガン=タシュ洞窟の岩絵群がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、シュルガン=タシュ洞窟の岩絵群について詳しくなること間違なし!
シュルガン=タシュ洞窟の岩絵群とは?

ロシアの中央部にあるバシコルトスタン共和国の首都ウファから南へ約200kmの位置にある広大な洞窟。ここは15以上の空間を含めた全長3323mという、ウラル山脈を中心としたウラル連邦管区の中でも最大規模の洞窟です。
洞窟は18世紀から探検がされていて、1959年には後期旧石器時代に描かれた岩絵が発見され、ここには先史時代に描かれた岩絵が合計で195箇所も見つかっています。最も古いのは3万6400年前に描かれたもので、フランスのラスコーやスペインのアルタミラ洞窟などと同じく、マンモスやケブカサイ(ヨーロッパでかつて生息してた大型のサイ)、牛、馬など、さまざまな動物が描かれていて、世界でも最古級の人類の芸術が見られるもの。
シュルガン=タシュ洞窟の岩絵群はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?



シュルガン=タシュ洞窟の岩絵群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
シュルガン=タシュ洞窟は、旧石器時代の聖域であったと考えられ、岩絵は聖域の一部であり、儀式や巡礼などが行われていたとされ、当時の南ウラル地方に広がった独自の洞窟崇拝の例であり、この伝統は中世初期まで何千年に至って存続していて、現在でもこの地で暮らすバシキール人の民間伝承として残っているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
シュルガン=タシュ洞窟は、旧石器時代から中世まで聖域であり、ここに残る岩絵はその名残であり、洞窟崇拝は中世まで何千年に渡って行われていて、現在もバシキール人の文化や伝統として残っているという点で評価されています。
ちなみに、バシキール人は現在はテュルク系の民族ではありますが、モンゴロイドやコーカソイドの血も混ざっていて、かつては遊牧民族でした。彼らが話す言葉は東欧のハンガリーのハンガリー人と同じフィン・ウゴル系が母体となっていて、これらは遊牧民族の進出と衰退によって現状に至っていて、ヨーロッパの複雑な歴史が見られますね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。