登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3) |
登録年 | 1991年 |
ブラジル北東部にあるセラ・ダ・カピバラ国立公園には、2万5000年以上前の先史時代の洞窟壁画が多く点在し、その数は世界でも最大規模。そして、ここは南アメリカでも最も古い人類の定住地であるとされています。
ここではセラ・ダ・カピバラ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、セラ・ダ・カピバラ国立公園について詳しくなること間違いなし!
セラ・ダ・カピバラ国立公園とは?
ブラジル北東部のピアウイ州に位置する国立公園で、その面積は約1291平方kmに及ぶ広大な面積が登録されています。ここはカーチンガと呼ばれる熱帯半乾燥気候に分布する有刺灌木林(トゲがある木々)が広がる地で、5〜12月の乾季は木々が枯木になるという場所。ここには300以上の遺跡が発見され、3〜5万年前に定住していた狩猟採集民によって築かれた壁画や岩絵などで構成されています。
公園内にある洞窟群の多くは2万5000年以上前に築かれた壁画があり、これはカピバラやアルマジロなどの動物、儀礼、舞踊、狩猟の様子などを、赤や白、黒などの染料を使って描かれています。特にペドロ・フラダ遺跡は絶壁に丸い穴が空いているというシンボル的な遺跡。ここでは陶器の破片が発掘され、1980年代にそれらの制作年代を測定すると、最下層では3万5000〜4年8000年前に既に人類が定住していたことを示すというほどに古いもの。
もともと南米大陸の最も古い人類の足跡は1万3000年前のクローヴィス文化だと考えられていただけに、これらの遺跡はそれよりも古い遺跡という測定の結果は、南米における人類の起源が塗り替えられる可能性があるというほどの発見でした。
セラ・ダ・カピバラ国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
セラ・ダ・カピバラ国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
セラ・ダ・カピバラ国立公園は、南米大陸における最古の人類の定住地の可能性があるほどに古い洞窟壁画があり、これらの壁画からはこの地域に住んだ人々の暮らしが見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
セラ・ダ・カピバラ国立公園の岩窟壁画は、南米における最も古い定住地であった可能性があり、これらの壁画からは当時の人々の暮らしが見られるという点で評価されています。
ちなみに、セラ・ダ・カピバラはポルトガル語で「カピバラの丘」という意味。カピバラはもともと先住民の「草を食べるもの」から由来していて、古い言葉でもあるのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。