登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4) |
登録年 | 1992年 |
ロシア北西部に位置する白海に浮かぶソロヴェツキー諸島は、6つの島で構成され、ここは紀元前5世紀から人が住んでいました。島には15世紀から要塞と修道院が建造され、今でもノヴゴロド様式の生神女就寝大聖堂(ウスペンスキー大聖堂)や19世紀建造のニコラウス聖堂などの美しい聖堂が残っています。
ここではソロヴェツキー諸島の文化的・歴史的遺産群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ソロヴェツキー諸島について詳しくなること間違いなし!
ソロヴェツキー諸島の文化的・歴史的遺産群とは?
ロシア北西部の白海に浮かぶソロヴェツキー諸島。ここはこの地域の中心都市アルハンゲリスクから290km離れた地にあり、6つの島々で構成されています。島は6000年前から人が暮らしていたとされ、先住民が作った石造りの迷路も発掘。
ここは15世紀にロシア正教の修道士によって修道院が建設されました。彼らはここで塩作りなどを行い、経済の中心地として繁栄。16世紀にはここは聖地となり、17世紀には300を超える修道士が住むように。修道院は要塞としての機能もあり、多くの戦争でスウェーデンやイングランドなど、外敵の侵入を防いだという実績があります。
1917年の十月革命後は、島々はソ連初の強制収容所になり、スターリンの時代に拡大され、なんと1930年代は65万人もの人々がこの地へと連れてこられ、労働を強いられていたことでも有名です。1939年には閉鎖され、1974年から収容所などを含めて博物館や自然保護区となっています。
修道院は、7つの門と8つの塔を持つ、高さ8〜11mもの巨大な壁に囲まれていて、その中に聖堂や邸宅など、多くの建築物が残ります。特に16世紀に建造された生神女就寝大聖堂や救世主顕栄大聖堂(プレオブラジェンスキー大聖堂)、19世紀に建造のニコラウス聖堂など、さまざまな時代の聖堂が並ぶというのが特徴。
ソロヴェツキー諸島の文化的・歴史的遺産群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ソロヴェツキー諸島が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
ソロヴェツキー諸島の修道院は、ヨーロッパの北方という厳しい環境で、中世後期のキリスト教の共同体における強い信仰心が見られる施設の傑作であり、現在も残る遺跡や遺構は修道院の歴史の深さを示すものであるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ソロヴェツキー諸島は6つの島々が登録されていますが、特に評価されているのは修道院で、北極圏にほど近い厳しい環境の中でも東方教会の修道士による強い信仰が守られ、現在も残る遺跡や遺構からもそれが分かるという点で評価されています。
ちなみに、ソロヴェツキー諸島に先史時代の遺跡が残りますが、白海周辺には2021年登録の「オネガ湖と白海の岩絵群」に登録された岩絵があり、古くから人々が住むほどに豊かな地だったそう。実際に白海は、鮭やタラなどの漁場となっています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。