登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(9) |
登録年 | 1995年 |
カナダのアルバータ州とアメリカのモンタナ州にまたがるウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園は、世界初の国際平和公園。ここは3000m級のロッキー山脈のほぼ真ん中にあり、氷河で削られた地形や700もの氷河湖で構成され、1億5000年前の藍藻類の化石も見られます。
ここではウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園について詳しくなること間違いなし!
ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園とは?
北アメリカ大陸西部を貫くロッキー山脈の中でもほぼ中央にあたる地域にあるウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園。ここは1932年にカナダのアルバータ州のウォータートン・レイクス国立公園とアメリカのモンタナ州のグレーシャー国立公園が、世界初の国際平和公園法で成立したもの。総面積は4576平方kmにも及び広大な公園となっています。
ここはロッキー山脈においても手つかずの自然が残っていて「大陸生態系の頂点」として生態系がそのまま残されていて、グリズリーやカナダオオヤマネコなど、絶滅に瀕している種も見られます。
グレイシャー(氷河)と名付けられているように、ここは1万2000年前に消滅するまで氷河に覆われていたため、氷河によって削られたU字の谷などが形成され、氷河湖などが多く点在するように。そして、氷河の沈泥によって形成されたターコイズブルーの湖もいくつか存在します。
公園内に見られる堆積岩は、世界でも最も保存状態がよく、衝上断層によってさまざまな時代の岩石も見られます。ここには1億5000年前の藍藻類の化石も発掘され、原子生命の痕跡が発見されているというのも特徴。特に公園のシンボル的存在である標高457mのチーフマウンテンは、堆積岩による衝上断層が見られるという側面も。
ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園は、3000m級の山々、氷河による地形、貴重な動植物といった生物多様性などで構成されるという点。
登録基準(ix)
ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園は、北アメリカ西部の山脈における、大陸の分水嶺(水系の境界線)によって、世界でも貴重な動植物の多様性が見られるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
アメリカとカナダの国境にある広大な公園は、北アメリカ大陸において分水嶺が存在する場所である上に、山々に囲まれた手つかずの自然が残っているということもあり、絶滅危惧種などを含めた多様な生態系が存在するとい点で評価されています。
ちなみに、公園では、タイガやツンドラなどの亜寒帯以外ではあまり見られないイタチ科のクズリが生息することでも知られます。ちなみに英名では「ウルヴァリン」と呼ばれ、アメコミの『Xメン』のウルヴァリンはクズリの特徴を持つことから、このコードネームを与えられたという設定。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。