登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(9),(10) |
登録年 | 1983年 |
ウッド・バッファロー国立公園は、カナダ中央部の平原に位置する広大な公園。ここは北米で最大のシンリンバッファローの生息地であり、絶滅危惧種のアメリカシロヅルなども保護しているエリアです。そして、世界最大級の淡水デルタがあることでも有名。
ここではウッド・バッファロー国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ウッド・バッファロー国立公園について詳しくなること間違いなし!
ウッド・バッファロー国立公園とは?
カナダのアルバータ州北東部とノースウエスト準州の南部にまたがる国立公園で、ここはシンリンバイソン(アメリカバイソンの亜種で北方に生息するもの)を保護するエリア。1922年にオーロラ観測で有名なイエローナイフの南側に広がるグレート・スレーヴ湖の南一帯が公園となると、1926年には範囲が拡大。現在はシンリンバイソンの保護に成功し、ここには約5000頭も生息しています。
公園内は世界最大の淡水デルタ(ピース・アサバスカ・デルタ)となっていて、ラムサール条約にも登録されるほどに豊かなエリア。乾季になると水が蒸発して広大な塩の原野になります。ここは絶滅危惧種のアメリカシロヅルの営巣地がある唯一の場所で、夏にここで繁殖することで有名。
ウッド・バッファロー国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ウッド・バッファロー国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
世界最大の内陸デルタであり、夏は塩の原野になるという環境もあり、ここは世界でも重要な野生動物の生息地であるということ。
登録基準(ix)
ウッド・バッファロー国立公園は、オオカミやシンリンバイソンなどが生息ができるという生態系サイクルの例であるという点。
登録基準(x)
ウッド・バッファロー国立公園は、世界でも絶滅危惧種のアメリカシロヅルの営巣地がある唯一の場所であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ここはシンリンバイソンの保護の目的で設立され、そのまま世界最大の内陸デルタが保護されたことから、バイソンが生息できるような環境が残り続け、その結果、絶滅危惧種のアメリカシロヅルの営巣地になるほどに豊かな生態系が見られるようになったということが評価されています。
ちなみに、カナダに多く生息するカナダヅルをアメリカシロヅルを繁殖するために里親として利用したことがあるのですが、結局、繁殖はできなかった様子。似たようなケースで繁殖に成功する動物もいるのですが、同じツル目ツル科であっても難しいものなんですね…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。