登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(6) |
登録年 | 1991年 |
スリランカ中部にあるダンブッラには、紀元前1世紀に遡るスリランカ最大の仏教石窟寺院があります。ここはシンハラ王朝の王ワッタガーマニー・アバヤが追放された時にダンブッラの僧たちによって匿れたことから、感謝の意を示すために築かれたもの。金箔で覆われた全長14mの涅槃仏などがあることから黄金寺院と呼ばれ、石窟は各時代に建造された仏像や壁画で覆い尽くされています。
ここではダンブッラの黄金寺院がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ダンブッラの黄金寺院について詳しくなること間違いなし!
ダンブッラの黄金寺院とは?
スリランカ中部のダンブッラは古来から交通の要衝で、ここには5つの石窟で構成された黄金寺院があります。もともとは紀元前3世紀に自然の洞窟を利用した僧院があったのですが、紀元前1世紀にシンハラ王朝のワッタガーマニー・アバヤが南インドから海を越えて侵入したタミル人に首都アヌラーダプラから追放されると、彼はこの地で保護され、再びアヌラーダプラへ戻りました。そういった経緯があり、僧院は石窟寺院へとなったのです。
ここは180mの岩山の中腹にある天然の洞窟を利用して、5つの石窟が築かれ、2000年以上も利用されてきたということもあり、無数の仏像やカラフルな壁画が築かれました。アヌラーダプラ王国時代(紀元前1世紀〜993年)とポロンナルワ王国時代(1073〜1250年)に大部分が建造され、さらに18世紀にも修復されたこともあり、いつの時代もスリランカ最大の石窟寺院でした。特に第1窟の全長14mもある黄金の涅槃仏は、金箔で覆われていて、黄金寺院のシンボルとなっています。
ダンブッラの黄金寺院はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ダンブッラの黄金寺院が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ダンブッラの黄金寺院は、18世紀のキャンディ王国時代にも改修されたこともあり、塗装や彫像の保存状態もよく、スリランカや南アジアの仏教美術の傑作であるということ。
登録基準(vi)
ダンブッラの黄金寺院は、スリランカの仏教史においては非常に重要であり、2000年以上に渡って崇拝され、巡礼地であったとという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ダンブッラにある黄金寺院は、2000年以上もの間、スリランカに住む人々に崇拝され続けたため、歴代の王朝もここを増築し続け、修復を繰り返し、仏教遺跡としても価値があるだけでなく、巡礼地として今でも人々が集まっているという点で評価されています。
ちなみに、スリランカの国民の7割は今でも仏教徒であるので、お隣のインドに比べ、仏教の信仰が熱心であるというのも特徴です。しかし、漁師は仏教の五戒の一つ「不殺生戒」を守ることができないため、キリスト教徒であったりするのが、島国ならではですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。