アメリカ大陸(新大陸)の本当に発見したのは誰?コロンブスを含め世界遺産マニアが解説

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「アメリカ大陸を発見した人物」として思い浮かべるのは、おそらくは15世紀の探検家クリストファー・コロンブスだと思われますが、現代においてこれは「否定」されています。それでは、今では誰が発見したことになったのか?そして、コロンブスはなぜ発見者ではないのか?

今回はアメリカ大陸を発見した人物について世界遺産マニアが考察。これを読めば、アメリカ大陸を目指した人々について具体的に理解できること間違いなし!

目次

そもそも最初にアメリカ大陸に到達したのは「先住民」

セラ・ダ・カピバラ国立公園
画像素材:shutterstock

コロンブスが1492年に西インド諸島に辿り着いたときに、その住民を「インディオ(インド人)」と勝手に名付けるものの、そもそもそくに住民がいたということは、彼らのほうが当然先に「発見」したということになりますよね。

アメリカ大陸には、アジアから移住してきたモンゴロイド(現在のネイティブ・アメリカンの祖先)が定住しました。この移動は、氷河期にシベリアからアラスカへ徒歩で渡ること担った時期(約2万1000〜1万2000年前)と考えられていましたが、世界遺産にも登録されているブラジルの「セラ・ダ・カピバラ国立公園」にあるペトラ・フラダの遺跡では、約4万年前に人が居住していた可能性があり、近年ではかなり古い時期から人類はこの大陸を発見していたということになります。

コロンブスよりも前にヴァイキングが新大陸を発見していた?

ランス・オ・メドー国定史跡
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あくまでもノース人(ヴァイキング)のサガ(伝説)ではありますが、ノルウェーの探検家であり、グリーンランドを発見した赤毛のエイリークの息子・レイフ・エリクソンは「ヴィンランド」と呼ばれるワインが実る地を偶然発見し、入植を試しみるも、グリーランドへと帰還したというエピソードがあります。

これは伝説かと思わていましたが、なんと1960年にカナダ東部、ニューファンドランド島で「ランス・オ・メドー国定史跡」という遺構が発見され、これは11世紀にヴァイキングが集落を築いた場所とされているもの。レイフ・エリクソンとは関連性はわかっていませんが、これは明らかにノース人の集落地であるということは間違いないため、「ヨーロッパ人」として初めて到達したのは、現状では彼らになるでしょう。

結局、コロンブスは「初めてアメリカ大陸の存在」の可能性をヨーロッパ人に示した人

コロンブスの彫像
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15世紀のヨーロッパでは、香辛料やシルクを求めてアジアへの新航路が求められていました。ポルトガルがアフリカ経由の航路を開拓していたなか、コロンブスは「西回りでアジアに到達できる」と当時のスペイン王室に提案し、航海へと出かけたのです。結論、バハマ諸島のサン・サルバドル島へと到達したものの、彼の目的はあくまでも「インドへの航路を開拓する」ことであったので、死を迎えるまでそれは認めませんでした。

アメリゴ・ヴェスプッチの彫像
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一方、諸説あるものの、コロンブス(1451年頃〜1506年)が航海した後、イタリア人探検家アメリゴ・ヴェスプッチ(1454〜1512年)は、南米を探検し、そこが「アジアではなく新大陸」であることを確認しました。本土という意味では、ヴェスプッチは1497年にはコスタリカへと到達しているので、彼が本土を最初に発見したと考えられますが、これは史実ではないという説もあり、ヨーロッパ人としては誰が最初に発見したかはなんとも言えないところ。

しかし、ある意味、ヴァイキングのサガはヨーロッパ中に知られることがなく終わったものの、コロンブスは15世紀のスペインで新大陸の可能性を示し、その後、多くの冒険者たちがこの大陸へと向かい、新大陸を開拓したことから、ある意味「ヨーロッパ人のアメリカ大陸開拓」のきっかけを作ったという点で「アメリカ大陸を発見した」とは言えるでしょう。

世界遺産マニアの結論と感想

1507年にドイツの地図製作者マルティン・ヴァルトゼーミュラーがアメリゴ・ヴェスプッチの名前にちなんで「アメリカ」と命名されたため、コロンブスは発見者とはされるものの、彼自身はここをインドとしていたし、最終的に原住民を殺害し、略奪して回ったため、政府が逮捕するまでは単なる「侵略者」であったため、その名は付けられることはありませんでした。

そして、アメリカでは、アメリカ大陸の発見者に相応しい人物としてコロンブスを挙げた人は現在では少なく、知名度がある割に功績は語られていません。…実際に歴史的には彼がアメリカ大陸を発見したわけではないですしね。

とはいえ、ヨーロッパ人がアメリカ大陸に接触したことにより、トウモロコシやジャガイモ、トマト、タバコ、カカオが全世界へと普及することになりましたし、グローバル化が進んだという点では、彼の行動こそが最初のきっかけではあります。そういった意味では「発見者」ではあったでしょう。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1200以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定マイスター認定済。

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