フィンランドといえば、北欧でも最も東に位置し、国土の86%を森林が占めるという「森の国」。ムーミンの故郷でも有名ですね。しかし、自然が豊かなイメージはあるものの、どんな世界遺産があるか、なかなかイメージできないところ。実際にいくつ世界遺産があるのでしょうか?
ここでは、フィンランドの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
ラウマ旧市街
フィンランド南西部にあるラウマは、国内でも最も古い港町の一つ。旧市街には、600もの木造邸宅があり、ここはスカンジナビア半島の木造建築群としては最大規模。現在は海岸線が遠くなり、内陸にあるものの、かつては港町でした。
街は17世紀後半に火事で焼失してしまい、現存する木造家屋は18世紀以降に再建されたもので、ここに住む人々は中世の町並みを充実に再現したことから評価されています。
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スオメンリンナの要塞
首都ヘルシンキの港の手前にある島に建造された星型要塞。1748年にロシアからの侵攻に備えるた要塞が建設され、これは北ヨーロッパで最も大きな稜堡を持つ要塞として有名です。
1917年にフィンランド独立した後は、「スオミの城塞」という名のスオメンリンナの要塞に改称。スオミはフィン人の自称で、第2次世界大戦後には軍事要塞としては衰退し、1973年からは要塞は、図書館、宴会場、ホテル、レストランなど民間の施設として開放されています。
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ペタヤヴェシの古い教会
首都ヘルシンキから北へ約300km。森と湖に囲まれたペタヤヴェシと呼ばれる小さな村には、18世後半に地元の棟梁ヤーコ・レッパネンによってギリシャ十字形の伝統的な教会が建造されました。19世紀に現在の形となった後は、そのまま残されたために保存状態が良く、ここには北欧の伝統的な建築様式が今でも見られます。
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ヴェルラ砕木・板紙工場
フィンランド南部にあるヴェルラ村には、かつて利用されていた工場、住宅、発電所などが残っています。ほとんどが1890年代から20世紀初頭に築かれたもので、こういった集落は北欧や北米の針葉樹林が広がるエリアに多く存在していたのですが、ヴェルラ村の建造物は非常に保存状態が良好。
特に赤いレンガで築かれた工場は、ゴシック・リバイバル様式の建造物が並び、現在は博物館として開放されています。
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サンマルラハデンマキの青銅器時代の石塚群
フィンランドの南西部の街ラッピの郊外に位置するサンマルラハデンマキは青銅器時代の墓地遺跡です。これらは紀元前1500〜紀元前500年のスカンジナビアの青銅器時代の遺構が見られ、33基の石積みされた墳墓が点在。
これらは3000年以上前の北欧の葬祭の風習や宗教、社会構造などが分かるという点で重要なもの。
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ヘーガ・クステン(ハイ・コースト)とクヴァルケン群島(スウェーデンと共同)
バルト海北部のボスニア湾に面した、スウェーデン東部のヘーガ・クステンとフィンランド西部のクヴァルケン群島は、氷河が解氷したことによって隆起が続くという世界でも珍しい地形です。200〜300万年前に何度も氷河期を繰り返し、ここは大陸の氷河の中心部でもありました。
さらに大陸氷河によって形成された「デ・ギア・モレーン」という洗濯板のような地形が見れるのも特徴。
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シュトルーヴェの測地弧
デンマーク生まれの天文学者フリードリッヒ・フォン・シュトルーベは、エストニア(当時はロシア領)のタルトゥで天文学を学び、1816年から1855年にかけて三角測量を使用し、彼が研究をしていたタルトゥ天文台を含む、ヨーロッパ各地に測地点を置いて、地球の大きさと形について調査しました。
測地点は北極圏から黒海まで10カ国に渡り、265箇所のうち34箇所が世界遺産に登録。フィンランド国内では、6箇所の測地点が登録されています。
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世界遺産マニアの結論と感想
フィンランド単体では5つしか遺産がありませんが、共同の遺産を含めると、文化遺産が6件、自然遺産が1件と合計で7件の世界遺産が登録。意外や意外で自然遺産は少ないのですが、フィンランドは北の大地で人類がどのように暮らしてきたかがよく分かる遺産が多く、ちょっと玄人向きかもしれませんね…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。