ベトナムの最大都市であるホー・チ・ミン。経済的中心地である一方、東南アジアにありながら「東洋のパリ」と呼ばれるほどにフランス風の町並みなどが残っていますが…世界遺産はあるでしょうか?
ここでは、ホー・チ・ミンの世界遺産はあるのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説していきましょう。
ホー・チ・ミンに世界遺産は存在しない?
ホー・チ・ミンはベトナム南部にある大都市で、フランスの統治時代はサイゴンと呼ばれるものの、ベトナムが統一されるとホー・チ・ミンと呼ばれるようになりました。現在は高層ビルが並ぶ大都会ではありますが、ホーチミン人民委員会庁舎やサイゴン大教会など「東洋のパリ」と呼ばれた時代の建造物が多くあるので、観光地としても大人気です。郊外には、ベトナム戦争時代に使用された「クチの地下道」といった遺産も。
しかし、観光客には人気のあるスポットではありますが、どれも世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録するには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在のベトナムの暫定リストにはホー・チ・ミンの遺産が記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%です。まずは、世界遺産になるほどの魅力的なスポットを、世界遺産にする理由を探す段階である限り、世界遺産は生まれないのです。
ホー・チ・ミンには世界遺産がないが、ベトナムで一番近い世界遺産は中部のミーソン聖域!
ホー・チ・ミン市内には世界遺産がなく、郊外の約150km北にあるカッティエン国立公園が世界遺産の暫定リストに掲載されているものの、まだ登録手続きには至っていません。よって、ベトナム国内で一番近い世界遺産は中央部の大都市ダナンの郊外にある「ミーソン聖域」。しかし、ベトナムは細長く国家であるために、ホー・チ・ミンからなんと約590kmも離れています。
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実は距離的にはカンボジアの世界遺産のほうが近い!
ホー・チ・ミンはカンボジアとの国境に近いので、カンボジアの有名な世界遺産「アンコール遺跡」のほうが、ホー・チ・ミン市から約400kmも離れてはいますが、距離的には近いのです。
アンコール遺跡は、カンボジア北西部のジャングルに400平方kmも広がる広大な遺跡群のこと。ここは9〜15世紀までインドシナ半島一帯で栄えたクメール王朝の王都があった場所で、有名なアンコール・ワットやアンコール・トムなどの寺院建築が含まれます。
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世界遺産マニアの結論と感想
残念ながらホー・チ・ミン市内には世界遺産がありません。しかも、ベトナム国内の世界遺産に行くよりも、カンボジアの世界遺産が近いという悲しい状況。しかし、それは現段階の話。これからベトナム政府が推薦するかもしれないので、気長に待ちましょう!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。