実は200カ国以上の国々に世界遺産は存在していて、中には日本人にとって馴染みの薄い国家にも世界遺産があります。いわば「マイナーな国」の世界遺産は多々あるものの、あくまでも「知らない人が多い」というだけで、実はすごい遺産だったりします!
ここでは、マイナーな国にある世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
サンマリノの歴史地区とティターノ山/サンマリノ
サンマリノはイタリア東部に位置する都市国家。実はサンマリノは、世界で最も古い共和国の1つ。イタリアにはかつて都市国家がたくさんありましたが、現在まで存続しているのはサンマリノだけです。
世界遺産としては、標高739mのティターノ山と13世紀から「共和国」として築かれた旧市街などが登録されています。
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マドリウ=ペラフィタ=クラロ渓谷/アンドラ
アンドラ公国はピレネー山脈に囲まれた小さな山国で、マドリウ=ペラフィタ=クラロ渓谷は公国の南東部に位置する総面積4247平方kmの遺産。ここは国土の約9%にも及ぶほどの敷地で、渓谷の上流部は、岩山や崖、氷河などが見られ、下流部には森が広がっていています。
渓谷には、放牧用の邸宅、段々畑、石造りの道、鉄の精錬所など、700年以上に渡って厳しい自然の中で暮らしてきた人々による文化的景観が見られるのが特徴。
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ナンマトル(ナンマドール遺跡):東ミクロネシアの祭祀センター/ミクロネシア
ミクロネシアは大西洋の西側にある600もの島々で構成される国家。ナンマトルのあるポンペイ島はミクロネシア最大の島です。島の東に浮かぶテムウェン島の東海岸には、1200〜1500年ころに築かれた100もの人工島があり、それぞれ宮殿や神殿、霊廟、邸宅などで構成。
これらはこの地で繁栄したシャウテレウル朝の文化が見られるもの。しかし、泥の堆積やマングローブの繁茂によって、遺跡は危機遺産リストに登録。
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ロイ・マタ首長の領地/バヌアツ
南太平洋の国家バヌアツは83もの島々で構成されています。首都ポートビラのあるエファテ島とその北西沖に浮かぶレレパ島とエレトカ島には、17世紀初期にエフェテ島周辺を支配していた最高位の首長ロイ・マタの領地が残り、その中でも彼の生涯にまつわる3つの場所が世界遺産に登録。
ロイ・マタの住居があったマンガース、彼が亡くなった洞窟や墓などを含めて、バヌアツでは古くから続く口承がロイ・マタにまつわる遺跡に反映されているというのが特徴。
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ル・モーンの文化的景観(ル・モーン・ブラバン)/モーリシャス
モーリシャスはインド洋に浮かぶ島国。首都のあるモーリシャス島の面積は2040平方kmと小さいながらも、砂糖産業で繁栄。南西にある半島は、標高556mのル・モーン山があり、今は観光地として有名ですが、ここは18〜19世紀にマルーン(逃亡奴隷)が隠れ住んだ場所でした。山頂に至るまでには洞窟があり、彼らはここを住居として使用。
山頂や洞窟には集落が作られ、やがて「マルーン共和国」と呼ばれるほどの規模に。ここは象徴的な場所となり、奴隷たちが自由を求めて戦ったというシンボルでもありました。
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ブリッジタウン歴史地区とその要塞(ギャリソン)/バルバドス
バルバドスはカリブ海の小アンティル諸島でも東端に位置する国。首都ブリッジタウンは、英国の南北アメリカにおける拠点として17世紀に都市が建設されました。これは英国植民地時代の建築物であり、不規則に並ぶ町並みは、スペインとオランダの植民都市にはないユニークなものであるという点で評価。
ギャリソンとは駐屯地であって、軍隊が常時滞在する基地のこと。要塞の中でも特にセント・アン要塞が有名で、現在のギャリソンの一部はホテルなどに改装されて利用されています。
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ピトン管理地域/セントルシア
セントルシアは少アンティル諸島に属する火山島の一つで、南西部にある2つの火山は島のシンボル的存在。南側の高さ798mの大ピトン(グロ・ピトン山)、北側の高さ743mの小ピトン(プチ・ ピトン山)の2つは、スフリエール火山と呼ばれる火山帯の一部。
大ピトンは148種、小ピトンは98種もの植物が生息し、鳥類は固有種が見られ、周辺の海域の生態系も豊かです。
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モルヌ・トロワ・ピトン国立公園/ドミニカ国
カリブ海に浮かぶ島国・ドミニカ国。旧イギリスの植民地であったドミニカ島は1978年に独立するとドミニカ国となり、ここはカリブ海でも多種多様な生物が見られる島となっています。島の南東部にあるモルヌ・トロワ・ピトン国立公園は、約50もの噴気孔や温泉湖が見られ、温度が約95度もあるボイリング・レイクがあることで知られます。
ここは小アンティル諸島でも多種多様な生物が見られる地で、世界最大のカブトムシ「ヘラクレスオオツノカブトムシ」が有名。
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リベイラ・グランデの歴史地区シダーデ・ヴェーリャ/カーボベルデ
カーボベルデは、西アフリカ沖にある15もの火山から構成される島国。その中でも最大の島・ サンティアゴ島の南部にあるシダーデ・ヴェーリャは、18世紀後半まではリベイラ・グランデと呼ばれていて、15世紀にポルトガルによって建造されたヨーロッパ初の熱帯地方の植民都市です。
ここはヨーロッパとアフリカ、アメリカを結ぶ航路上にあり、16〜17世紀にポルトガルの海外植民地を管理するための重要な港でもありました。さまざまな文化が交差したクレオール文化が見られる都市には、マヌエル様式の「晒し台」などがあることで有名。
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クンタ・キンテ島(ジェームズ島)/ガンビア
西アフリカ西岸に位置する小さな国家で、国土が隣国のセネガルに囲まれているという珍しい国家。ガンビア川の河口は、ヨーロッパの航海者がインドへの航路の中継地であり、ここからアフリカ内陸部へ向かうルートとして重要な場所でもありました。川沿いに位置する集落・アルブレダには、15世紀にポルトガル人が集落を形成し、ここは「サン・ドミンゴの遺跡」として、住居や教会、墓場などの跡が残されています。
クンタ・キンタ島や周囲にあるバレン要塞、サン・ドミンゴの遺跡群など、奴隷貿易にまつわる遺構が現在でも点在。
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マロティ=ドラケンスバーグ公園/レソト(南アフリカと共同)
レソトは南アフリカ共和国に囲まれた内陸国で、全土がドラケンスバーグ山脈の山中にある立憲君主制国家。マロティは、南アフリカとレソトの国境沿いに続くドランズバーグ山脈の一部を指し、南アフリカ側はウクハランバ・ドラケンスバーグ公園となっていて、レソト側はセサバテーベ国立公園となり、2箇所を合わせて世界遺産となっています。
セサバテーベ国立公園には、標高2400m付近には草原地帯が広がり、100種類を超える鳥類が確認されています。特に生息数が減っているヒゲワシや絶滅危惧種のケープハゲワシなどが見られるエリアとして有名。
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世界遺産マニアの結論と感想
これらの遺産のある国は聞いたことすらないかもしれませんが…一つ一つを知ると、かなりスゴイ遺産であることが分かるでしょう。どうしても有名な国の有名な遺産に目が行きがちですが、まだまだ皆さんが知らない世界遺産はたくさんあるので、ぜひいろいろと探してみてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。