イギリスを構成する国の一つ、スコットランド。ここはブリテン島の北部にあり、ここはイングランドとはまた違った文化が根付く場所。実は世界遺産が6つも存在するというのは、あまり知られていないところ。
ここでは、スコットランドの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
エディンバラの旧市街と新市街
![エディンバラの旧市街と新市街/スコットランドの世界遺産](https://worldheritage-mania.com/wp-content/uploads/2022/11/shutterstock_169389170-1.jpg)
スコットランドの首都であるエディンバラは、街の起源としては7世紀から存在し、14〜15世紀にはスコットランド王国の首都となりました。その頃に築かれたのが現在の旧市街。小高い丘の上に築かれたエディンバラ城からロイヤルマイル(王宮通り)を下った先にあるホリールードハウス宮殿まで、中世から現在までの各時代の建築物が並ぶ古き良きエリアです。
18世紀になり、ヨーロッパで新古典主義様式の建築物が流行すると、新市街には新古典主義様式の壮麗な建物が多く建設されました。
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フォース橋
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スコットランドのフォース河口を横切る鉄道橋。1890年に開通した時は、長さ2529mと世界最大のカンチレバー橋だったもの。カンチレバー橋というのは、両側の橋脚から張り出した片持ち梁(カンチレバー)を使用して、安定させる橋のこと。
19世紀末になると、イギリス中に鉄道路線が網羅されるようになり、川を渡るのに鉄道橋の建設が進められました。このフォース橋は、3つの菱形をしたカンチレバーと、それに支えられるガーダー橋で構成されています。とにかく安定させようと、材料としては5万4000トン以上の軟鋼が使われているのが特徴。
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アントニヌス・ピウスの長城/ローマ帝国の国境線
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ローマ帝国の領土は2世紀に最盛期になると、西は大西洋の海岸、東は黒海、北はスコットランド、南はサハラ砂漠と広大な領土になりました。この国境を保護するために建造されたのが、国境線にあった「長城」。
スコットランド中央部も国境であったため、長城が建造されました。140年代に五賢帝の一人、アントニヌス・ピウス帝の命によって建てられ、東はフォース湾から西はクライド湾までスコットランドの中央部を通るよう約60kmに渡って建造さされましたが、現在は遺構が残るのみ。
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ニュー・ラナーク
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ニュー・ラナークは、スコットランド南部サウス・ラナークシャーの都市ラナーク郊外に位置する、クライド川沿いの村。ここは18世紀にグラスゴーの実業家であったデヴィッド・ダイルが、リチャード・アークライトが開発した水陸紡績機を導入し、工場や労働者のための邸宅などが並ぶという村を建設したのが始まり。
空想的社会主義者であるロバート・オーウェンによって、ここに住む子どもたちは19世紀の優れた教育を受けることができたりと、労働者が暮らしやすい環境を築き上げたことで有名です。
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オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地
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オークニー諸島はブリテン島の北方にあるスコットランド最北の海岸から約15kmの距離にあります。いくつも島が並んでいますが、その中でも最大のメインランド島には新石器時代の遺跡が点在。
ここでは、ストーンズ・オブ・ステネス、リング・オブ・ブロッガー、メイズハウ、スカラ・ブレイの4つの遺跡が世界遺産に登録されています。これらは約5000年前に北西ヨーロッパに住んでいた人々の暮らしを伝えるもの。
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セント・キルダ諸島
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ブリテン島本土から北西へ約180kmにある、北大西洋に浮かぶセント・キルダ諸島。ここは大西洋の北東部において最大規模の海鳥の繁殖地となっています。特に絶滅危惧種のパフィン(ニシツノメドリ)、貴重種のシロカツオドリやフルマカモメなどが見られることでも有名。
絶海の孤島ではあるものの、最近の調査によると新石器時代から人が住んでいたとされています。島には中世の家屋や貯蔵庫跡などが残っていて、人々が天然資源を利用し、農業をしながら自給自足で暮らしていたという跡が残存。
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世界遺産マニアの結論と感想
ブリテン島の北部にあるだけに自然遺産が多いと思いきや、文化遺産が5つ、複合遺産が1つと、古代遺跡からスコットランドの歴史が感じられる世界遺産がたくさん。そして、セント・キルダ以外は割と簡単に訪れることができるのも素晴らしいところ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。