我々の世界において重要なインフラである鉄道。その中でも産業遺産として、世界の鉄道業界に影響を与えたという点で世界遺産に登録されている路線もあるって知っていました?
ここでは、世界遺産に登録された鉄道路線を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観/スイス

アルブラ線とベルニナ線は、スイスとイタリアをまたがるアルプス山脈を超える鉄道路線。ここはアルプスの高地を越えるために当時としては最高レベルの技術によって建造され、20世紀初頭に開業したアルプス越えの鉄道が今でも現役で使用されています。
これは古くからの課題だったアルプス越えを実現したもので、卓越した土木技術の結晶でもありました。
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ゼメリング鉄道/オーストリア



ゼメリング鉄道は、ウィーンから南西へ100kmほどの距離にあるグロッグニッツ駅からゼメリング峠を経由し、スキーリゾートの基点であるミュルツツーシュラーク駅に至るまでの鉄道路線。路線は合計でレンガで作られた14のトンネルと16の高架橋で構成され、さらに無数の橋も設置されました。
この鉄道路線の開通によって、ゼメリング峠は富裕層のリゾート地となり、今でも人々が訪れる高原リゾートとして、ホテルやペンションが多く並んでいます。
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インドの山岳鉄道群/インド



インドの現役で活躍する3つの山岳鉄道が登録されています。1999年に世界最古の山岳鉄道である「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」という名前で登録されると、2005年にニルギリ山岳鉄道、2008年にはカールカー=シムラー鉄道も拡大登録。
これは1881〜1908年に大英帝国時のインドで開通し、山岳地帯でも運行できるという19世紀後半〜20世紀初頭の最新技術がそのまま活かされています。
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イラン縦貫鉄道/イラン



イラン縦貫鉄道は縦断鉄道とも呼ばれ、イラン北部のカスピ海にあるバンダル・トルカマンから南西部にあるペルシャ湾のバンダレ・エマーム・ホメイニーまで接続するという約1394kmの鉄道路線。
これらは標高の高い山脈や高原、森林、平野など、さまざまな地形を通る路線で、中には螺旋状のトンネルやループ橋など、外国企業によって建造されたものもあり、路線は今でも現役で使用されています。
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世界遺産マニアの結論と感想
意外や意外で世界にいくつもの鉄道路線があるものの、世界遺産として登録されている鉄道路線はたったの4つのみ。鉄道は大事なインフラではありますが、世界遺産になるには「革新的なもの」でないといけないので、絶景を巡るSLや高速列車というだけではイマイチ評価されないというのが現状です。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。