カンボジアの絶景というと、アンコール・ワットやプノン・バケンのイメージがありますね。カンボジアの遺産は美しくはあるのですが、その中でも「絶景」が満喫できる遺産はどんなものでしょうか?
ここでは、絶景が楽しめるの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
アンコール遺跡
カンボジア北西部のシェムリアップ州の州都シェムリアップ。この町の郊外には、東南アジアで最も有名な遺跡の一つであるアンコール遺跡があります。アンコールとは「街」という意味で、ここには9〜15世紀まで栄えたクメール王朝の王都が存在しました。
世界遺産の登録範囲は、最も有名なアンコール・ワットや、広大なアンコール・トムなどの寺院建築を含めて、貯水池や運河などが含まれています。
アンコール・ワット
12世紀前半にスーリヤヴァルマン2世に建造された、アンコール遺跡最大の寺院。クメール語で「アンコール(都)」の「ワット(寺院)」という意味で、幅190mの堀に囲まれ、面積は2平方kmの広大な寺院になっています。寺院の構造は、三重の回廊に囲まれた5つの祠堂が並ぶ配置。これはヒンドゥー教における宇宙観を示しています。
5つの祠堂は、神々が住む須弥山(メール山)を示しています。中央には約65mの高さを誇る塔を持ち、ヴィシュヌ神が祀られていたとされているものの、現在は仏像が置いてありますが、これは16世紀に仏教寺院に変更されたという名残。第一回廊には、インドの叙事詩『マーバーラタ』や『ラーマーヤナ』、建設者であるスーリヤヴァルマン2世(在位:1113年〜1150もしくは1152年)の姿などをモチーフにした美しいレリーフが見られます。
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アンコール・トム
12世紀後半、ジャヤーヴァルマン7世によって建造された城砦都市の遺跡。「トム」はクメール語で「大きい」といったことを意味し、防御を重視して建造されたもの。都市は城壁に囲まれており、中央には須弥山(メール山)を模したバイヨン寺院があります。中央祠堂をはじめ、塔の周囲に4つの人面像が多く配されていて、これは「クメールの微笑み」と呼ばれる独特の建築様式。
アンコール・ワットはヒンドゥー教寺院ですが、建設したジャヤーヴァルマン7世(在位:1181年〜1218年?/1220年?)は仏教を信仰したため、バイヨンは仏教寺院となっています。ここには仏教施設が多いというのも特徴。
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タ・プローム
12世紀に建造された寺院で、これもジャヤーヴァルマン7世による建造物。仏教寺院として造られたものの、のちにヒンドゥー教寺院となりました。しかし、ガジュマルの木が建設物全体に食い込んでいるため、独特の景観を作り出しています。
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プノン・バケン
アンコール・ワットの北西、アンコール・トムの南に位置するプノン・ バケン(バケン山)は、標高67mの小さな山。山頂には10世紀にアンコール王朝4代の王ヤショーヴァルマン1世(在位:889〜910年)によって築かれたヒンドゥー教寺院があることでも知られます。 アンコール遺跡内で最も高い位置にあるために遺跡だけでなく、トンレサップ湖までを一望できるということもあり、観光客に人気。
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プレアヴィヒア寺院
カンボジアとタイの国境にある高原の端に位置するプレアヴィヒア寺院。もともとはクメール王朝時代にはシヴァ神を祀る寺院として建設されました。クメール王朝の寺院建築の中では珍しく東向きではなく、南北に沿って作られており、全長800mの敷地の南側に寺院があります。
現在見られる寺院は、11世紀の前半に改築されたもの。遺跡は高さ625mの高台にあり、プレアヴィヒアとはクメール語で「神聖な寺院」という意味でもあります。現在はカンボジア領であるものの、タイとの領土問題は未解決のまま。
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コー・ケー:古代リンガプラもしくはチョック・ガルギャーの考古遺跡
アンコール・ワットから北東に約102km。ここはダンレック山脈とクーレン山脈に囲まれた丘陵地帯で、アンコール遺跡を建造したクメール王朝の首都があった場所。当時の名称は「チョック・ガルギャー」で、サンスクリット語で「リンガプラ」と呼ばれていました。
首都として機能したのは短い間でしたが、ここは水利技術が優れていた都市で、階段状のピラミッドのような寺院があったことでも知られています。
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世界遺産マニアの結論と感想
カンボジアの世界遺産はどれも貴重な遺産ばかりですが、その中でも世界でも滅多に見られない絶景をピックアップ。しかし、これはほんの一部…。まだまだ絶景は続くので、ぜひ自分のお気に入りの遺産を探してみてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。