ブラジル・アルゼンチンの世界遺産「グアラニーのイエズス会伝道所群」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4)
登録年1983年(1984年拡大)

ブラジルとアルゼンチンの国境沿いの密林には、17〜18世紀にかけてヨーロッパから先住民のグアラニー族へキリスト教の伝道にやってきたイエズス会による伝道所(レドゥクシオン)があります。1983年にはブラジル側のサン・ミゲル・ダス・ミソンイス遺跡、1984年にはアルゼンチン側のサン・イグナシオ・ミニ、サンタ・アナ、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロレート、サンタ・マリア・マジョールの4つの伝道所跡が登録。

ここではグアラニーのイエズス会伝道所群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、グアラニーのイエズス会伝道所群について詳しくなること間違いなし!

目次

グアラニーのイエズス会伝道所群とは?

17〜18世紀にかけて先住民グアラニー族に布教するため、ヨーロッパからこの地を訪れたイエズス会は彼らと共同生活を送りながら伝道を続けました。現在では遺跡となってしまいましたが、この地にはイエズス会によって築かれた伝道所(レドゥクシオン)が点在していて、これらは土地に合わせて、牧場や畑、水路など、かつての集落の機能を持つように設計されているというのが特徴。

サン・ミゲル・ダス・ミソンイス遺跡(ブラジル)

サン・ミゲル・ダス・ミソンイス遺跡
画像素材:shutterstock

ブラジル南部のリオグランデ・ド・スル州にあるイエズス会の伝道所跡。1735〜1745年にかけて建造されたバロック様式の聖堂が残っていて、1983年に「サン・ミゲル・ダス・ミソンイスの遺跡群」として登録されました。

ここはイエズス会がグアラニー族をキリスト教化をするのが目的ではありますが、スペインとポルトガルの奴隷商人などから彼らを保護するというのも目的でした。しかし、1767年にスペインからイエズス会撤去令が発令すると、ここは廃墟になりました。

サン・イグナシオ・ミニ、サンタ・アナ、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロレート、サンタ・マリア・マジョール(アルゼンチン)

サン・イグナシオ・ミニ
画像素材:shutterstock

アルゼンチン北東部にあるミシオネス州に点在する4つの伝道所が1984年に登録。その中でも保存状態の良いのが「サン・イグナシオ・ミニ」です。

ここは17世紀から伝道所があり、18世紀には3000人以上も暮らすほどの規模となりました。建造物はグアラニー・バロック様式として知られ、イタリア人建築家による教会があるものの、広場は現地の芸術家達による建築物や彫刻が並ぶもの。現在でも食堂やキッチン、作業場などの遺構が点在しています。

グアラニーのイエズス会伝道所群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サン・イグナシオ・ミニ
画像素材:shutterstock

グアラニーのイエズス会伝道所群が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
グアラニーのイエズス会伝道所群は、アルゼンチンとブラジルの歴史を示す建築様式と建造物であり、南米におけるイエズス会の伝道活動を示すものであるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

グアラニーのイエズス会伝道所群は、かつてこの地をヨーロッパから伝道のためにグアラニー族の暮らしに合わせて建造され、これは布教活動を示すと同時にその歴史が見られるという点で評価されています。

ちなみに、この遺産はユネスコではブラジルのサン・ミゲル・ダス・ミソンイス遺跡の拡大登録扱いではあるものの、1984年にアルゼンチンの伝道所を含めて「グアラニーのイエズス会伝道所群」と名前を変えて登録されたので、ちょっと複雑でしょう…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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