スペインの世界遺産「ブルゴス大聖堂」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2),(4),(6)
登録年1984年

スペイン北部の古都ブルゴスには、壮麗なゴシック様式の大聖堂があります。建設は13世紀に始まり、15・16世紀にかけて完成させたもの。内部の絵画、聖歌隊席、ステンドグラスなどからは、ヨーロッパ各地のゴシック様式が見られます。

ここでは、ブルゴス大聖堂がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ブルゴス大聖堂について詳しくなること間違いなし!

目次

ブルゴス大聖堂とは?

ブルゴス大聖堂
画像素材:shutterstock

ブルゴスは、イベリア半島北部・カスティーリャ・イ・レオン州にある古い街。旧市街の中心部にあるのが、ブルゴス大聖堂。当時のカスティーリャ王フェルナンド3世が建設を命じ、1221年に着工、1567年に完成しました。建設時期が長く、完成まで300年近くもかかったのです。芸術家や職人もフランスやドイツなどから集められたので、ヨーロッパ各地のゴシック様式が混在するという非常に珍しいものになりました。

大聖堂の構造は、ラテン十字架に基づいて設計されています。3層の立体になっており、アーチ型の天井であるヴォールトなどは、フランス北部の様式に近いもの。1280年に完成した、2階建ての回廊もフランスのゴシック建築から影響を受けています。そして、最初の工事はフランスのゴシック様式のものでほとんどまとめられ、1293年に終了しました。

ブルゴス大聖堂
画像素材:shutterstock

その後、200年近く中断され、15世紀中頃に工事は再開。これは100年以上も続けられ、各地から職人が集まり、壁画や聖歌隊席、ドーム天井、ステンドグラスなど、後期ゴシック様式の傑作とも呼ばれるものが多く作られました。礼拝堂の窓にある、トレサリー(窓のガラスを支える石のふちどり)には、フランボアイヤン様式と呼ばれる炎のような形状に似た、フランスで流行したスタイルが見られます。

もともとは、領主であったカスティーリャ王家の墓所として利用されていましたが、1919年にはレコンキスタの伝説的英雄であるエル・シッドとその妻の墓所となりました。

ブルゴス大聖堂はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ブルゴス大聖堂
画像素材:shutterstock

ブルゴス大聖堂が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
大聖堂は13世紀にフランスのゴシック様式を普及させ、15・16世紀には各地から芸術家や建築家、彫刻家が集まったりと、長年に渡って建築と芸術の発展に影響を与えていたという点。

登録基準(iv)
4世紀以上にわたって工事が続いた大聖堂は、建築家や彫刻家、職人の技術力の高さを証明しているという点。

登録基準(vi)
エル・シッドなど、レコンキスタで活躍した貴族が眠っていたりと、大聖堂はレコンキスタやスペイン統一の歴史と関係しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ブルゴス大聖堂は、4世紀に渡って工事を続けた結果、ゴシック様式の発展の歴史が見られる博物館のような大聖堂になりました。そして、建設を命じたフェルナンド3世はレコンキスタを完了させた人物であり、大聖堂そのものが、レコンキスタやスペイン統一のシンボルともなっているというのもポイント。

ちなみに、ブルゴスはマドリッドとバスク地方を結ぶ都市ということで、美食の街としても知られます。「ブルゴスチーズ」というフレッシュチーズの産地としても有名。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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