登録区分 | 文化遺産(危機遺産1982年~) |
登録基準 | (2), (3), (6) |
登録年 | 1981年 |
岩のドームは「エルサレムの旧市街とその城壁群」の構成資産の一つ。かつてエルサレム神殿のあった場所に7世紀に建造され、ここはムハンマドが昇天した地とされることから、イスラム教徒にとって重要な聖地となっています。ところで、岩のドームはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここでは岩のドームがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、岩のドームについて詳しくなること間違いなし!
岩のドームとは?
旧市街を囲む城壁の南東に位置していて、かつてはエルサレム神殿があった場所。ここはユダヤ教からすると、アブラハムが息子のイサクを神のために捧げようとした「聖なる岩」が存在した場所があり、それを囲むように神殿が築かれました。しかし、イスラム教徒からすると、メディナにいた預言者ムハンマドが神の意志により、メッカからエルサレムまで旅をし、岩の上から昇天したとされる場所でもあり、現在はメッカやメディナに次ぐ、イスラム教徒第3の聖地となっています。
7世紀には、聖なる岩を囲むように八角形のドームが建造されました。現在の建造物は11世紀に以前の建物と同じような設計で再建されたもの。大理石と瑠璃色のタイルに装飾された外観は、16世紀にオスマン帝国時代に加えられ、現在の姿になりました。
岩のドームはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
岩のドームが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
エルサレムは、古来から支配者が変わり、さまざまな文化が交流した地であるという点。
登録基準(iii)
エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教の聖地であり、それぞれの宗教に関連する建造物が残るということ。
登録基準(vi)
三大宗教関連以外にも、世界史における重要な出来事が多く発生した都市であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
岩のドームは、かつてユダヤ教徒にとって重要なエルサレム神殿の跡地に築かれ、現在はイスラム教徒の第3の聖地となっていることから、世界史としても重要な場所であるという点で評価されています。
ちなみに、エルサレム神殿の外壁の南西部分がユダヤ教徒にとって聖地である「嘆きの壁」となっていて、実は壁一つまたいでお互いの聖地が隣接しているのです。とはいえ、神殿の丘はイスラエルが実効支配しているものの、管理はイスラム教の指導者が行っていて、ユダヤ教徒の礼拝は認められていません。非常に複雑ですね…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。