フランス東部にあるコルマールは、スタジオジブリの映画『ハウルの動く城』のロケハンがされたことで有名。ここはフランス有数の観光地で世界遺産に登録されていると思いきや…実は世界遺産じゃないんです。これだけ有名な観光地なのになぜ?
ここではコルマールが、なぜ世界遺産でないのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コルマールについて詳しくなること間違いなし!
コルマールとは?『ハウルの動く城』にも登場する
フランス東部のグラン・テスト地域圏のコミューンであるコルマールはドイツ国境近くに位置する歴史ある街。9世紀には文献に街の名前が登場し、中世には帝国都市として自治権を得ていて、ワインの製造・販売で大いに栄えました。
17世紀後半まではアルザス地方はドイツ圏であったために、町にはドイツ風の可愛らしい木組みの家々が今でも残されています。第二次世界大戦では、多くの建造物が破壊されたアルザス地方の中でも、コルマールは中世の町並みが今でも残されていることから人気観光地となりました。
プフィスタの家
コルマールはスタジオジブリの映画『ハウルの動く城』のロケハンが行われた街としても有名。とはいえ、物語そのものはファンタジーなので、架空の街として登場するのですが、主人公である帽子屋の少女・ソフィーが暮らす街の背景は、アルザス地方が大いに参考にされています。
その中でも劇中に登場することで有名なのが「プフィスタの家」。ここは1573年に建造されたルネサンス建築の邸宅で、帽子製造業者によって建造されたもの。建物は尖塔と出窓で構成され、外面にはフレスコ画が描かれているのが特徴です。
コルマールはなぜ世界遺産として登録されないの?
コルマールは観光客には人気のあるスポットではありますが、世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在のフランスの暫定リストにはコルマールが記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%です。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながらコルマールは世界遺産ではありませんが…しかし、それは現段階の話。これからフランス政府が推薦するかもしれないですし、人々の間で世界遺産への登録運動が発生するかもしれないですし…世界遺産になる可能性は、あくまでも「これから」なのです。とはいえ、既に近くの街・ストラスブールは世界遺産に登録されているので、拡大登録としてなら可能性があるかもしれませんね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。