アフリカ大陸西部に位置するコートジボワールは、フランス語で「象牙海岸」を意味していて、かつてはヨーロッパの貿易船が象牙を求めてこの地に来航したことから名付けられました。国内には美しい自然が多く見られることでも知られ、海岸にはかつての植民都市の名残が残っているのが特徴。そんなコートジボワールには世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、コートジボワールの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
ニンバ山厳正自然保護区(コートジボワールと共同)
ギニアとコートジボワールの国境にあるニンバ山は標高1752mと周囲では最も高い山。ニンバ山を中心とした自然保護区は広大で、サハラの熱風やハルマッタンと呼ばれる砂嵐、大西洋から流れ出る季節風などの影響で、麓は鬱蒼とした森林が広がり、標高が上がるとサバンナが広がっています。
体内で卵を孵化するニシコモチヒキガエルや、石を道具として使うチンパンジーなど、独特の固有種が見られるのが特徴。
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タイ国立公園
コートジボワール西部のモンターニュ地方にある3300平方kmもの広大な国立公園。ここはリベリアとの国境沿いにあり、カバリー川とササンドラ川の間に位置する西アフリカに残る最後の熱帯雨林の一つ。1960年代に独立して以降、この地では森林伐採と開梱が行われ、森林が大幅に減少したため、手つかずの森林を保護しています。
ここではコビトカバやチンパンジーを含む11種の霊長類など、絶滅危惧種を多く保護しています。
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コモエ国立公園/危機遺産
コートジボワールの北東部に位置するザンザン地方は、ガーナとブルキナファソとの国境に近いエリア。面積は約11500平方kmにもなる西アフリカでも最大の国立公園です。南北を流れる約230kmの長さを誇るコモエ川によって、この地は低木のサバンナや熱帯雨林が広がっていて、さまざまな動植物が見られるのが特徴。
ここはコモエ川沿いのサバンナと熱帯雨林に分かれ、絶滅危惧種であるニシアフリカコビトワニやチンパンジー、サバンナゾウを含む生物多様性が見られます。
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グラン・バッサムの歴史都市
ガーナとの国境に近い南コモエ州の古都グラン・バッサム。ここはコモエ川の河口に位置していて、15世紀末からこの地で暮らすンズィマ人の集落があったとされています。
ここは19世紀後半から20世紀初頭に築かれた植民都市の例であり、ヨーロッパからの入植者や地元の人々が暮らした商業・行政地区や住宅地などが残っています。町並みは植民地時代の複雑な社会や独立運動の時代の様子が残っているのが特徴。
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コートジボワール北部のスーダン様式モスク群
コートジボワール北部はかつて大西洋の海岸からサハラ砂漠の南方までを支配していたマリ帝国の領土で、この地方にはマリ帝国のトンブクトゥやジェンネで流行したスーダン様式を取り入れたモスクが点在。
モスクはかつては数百もあったとされますが、登録されている8つのモスクはその中でも保存状態が良いもの。これらは11〜19世紀にかけてイスラム商人や学者が南方のサバンナ地域まで、イスラム文化を拡大させたという証拠でもあります。
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世界遺産マニアの結論と感想
コートジボワールの世界遺産としては4件ではありますが、構成資産も含めて合計で5箇所も登録されています。北部にはサバンナ、南部には熱帯雨林地帯という豊かな自然が広がることから自然遺産が3つも登録。他にもフランス統治時代の植民都市からイスラム都市に残るモスクまで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。