和歌山県の世界遺産「奥の院（高野山）」とは？空海が入定した御廟も含めて世界遺産マニアが解説

奥の院は「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つ。御廟は弘法大師空海が入定した地であり、高野山でも最も重要な場所として、多くの人が集まります。ところで、奥の院はなぜ世界遺産なのでしょうか？

ここでは奥の院がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、奥の院について詳しくなること間違なし！

奥の院（高野山）とは？

一般的に和歌山県の高野町にある山に囲まれた盆地が地名として「高野山」と呼ばれています。ここは真言宗の総本山であり、正式名称は「高野山金剛峯寺（こうやさんこんごうぶじ）」。奥の院は、高野山の敷地において最も東側に位置していて、信仰の中心でもあります。

奥の院の入口でもある「一の橋」から「中の橋」を通り、「御廟橋」まで、約2kmにわたる参道と墓域が続いてます。ここはこの世とあの世の境目と考えられていて、3つの橋を渡ると空海が入定したとされる「弘法大師御廟（ほうぼうだいしごびょう）」があり、現在でも信仰を集めていることでも知られますね。

弘法大師御廟

ここは弘法大師・空海が835年に入定（永遠の瞑想に入るという信仰）した場所。御廟は、宝玉造りの堂宇（どうう）となっていて、唐戸と呼ばれる扉があります。御廟は瑞垣（みずがき）に囲われて、その手前から参拝を行うことが可能で、ここは多くの人々が祈りを捧げる場所。

御廟の前には「燈籠堂」があり、ここは1964年に再建された建造物ではありますが、堂内には「消えずの火」と呼ばれる1000年近くも燃える火が当時から維持されています。

奥の院（高野山）はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

奥の院が評価されたのが、以下の点。

登録基準（ii）
紀伊山地に残る霊場と参詣道は、神道と仏教が融合が見られ、東アジアにおける宗教文化の交流と発展を示すということ。

登録基準（iii）
紀伊山地に点在する神社や寺院は、この地の慣習を含めて、1000年以上に渡る日本独自の宗教の発展を示すものであるという点。

登録基準（iv）
紀伊山地は、日本各地の寺社の建築様式に大きな影響を与え、それらの形成のルーツともなっているという点。

登録基準（vi）
紀伊山地の霊場と森林には、1200年に渡って神の宿る地として信仰が維持され、それらが景観に見られるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

奥の院は空海が入定した場所であることから、この世とあの世の境目とされる信仰が残り、日本独自の宗教観が見られ、現在も人々が祈りを捧げるために訪れているという点で評価されています。

ちなみに、御廟橋を渡った先には、弥勒石という石を囲む小さなお堂があり、小窓から手を入れて石に触れることができるのですが、この石は「善人には軽く、悪人には重い」と言われています。かなり重い石なので大抵の人は持ち上げられませんが…実はテコの原理を使うと簡単に持ち上がるという、そんな裏技があるとか。もちろん、これは裏技なので、信心深い人はこんなことは考えないように。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。