登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (2),(3),(4),(5),(6) |
申請年(暫定リストに記載) | 2007年 |
耳成山(みみなしやま)は「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成遺産の一つ。耳成山は大和三山の中で最も低いですが、円錐形の美しい姿が特徴で、古代では和歌の題材としても親しまれてきました。ところで、耳成山はなぜ世界遺産候補なのでしょうか?
ここでは耳成山がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、耳成山について詳しくなること間違なし!
耳成山(みみなしやま)とは?

奈良県橿原市に位置する山で、「大和三山」(天香久山、畝傍山、耳成山)の一つとして知られています。標高139.7mの小高い山で、火山岩が侵食されて形成された独立峰。ここは上円下方墳であったという説もありますが、天香久山や畝傍山と比べ、『古事記』と『日本書紀』では古い時代の記載がなく、第19代の天皇・允恭天皇(5世紀前半頃に実在したとされる人物)の時代からその記述が見られます。
藤原京が置かれていた時代(694〜710年)には、都の北方に位置していましたが、現在の奈良市にある平城京へ遷都すると、徐々に重要性が薄れていてき、現在は気軽な登山道がある市民の憩いの場となっています。
耳成山口神社(みみなしやまぐちじんじゃ)



山の八合目の位置にある神社で、創建ははっきりとはしていないものの、奈良時代の『正倉院文書』に記述があることから、8世紀にはその存在があったとされています。ここは農耕神であり、水の神を祀っていたことから、祈雨神祭などの雨乞いの神事が行われていました。しかし、何度か荒廃し、18世紀には荒れ果ていましたが、現在の本殿と拝殿はこの頃に村の氏子たちが再建したもの。
耳成山公園



耳成山の南西麓にあり、古池を活かした親水公園。ここは桜の名所でもあり、公園からは耳成山が一望できるのが特徴です。
耳成山(みみなしやま)はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?



日本政府が提出したの暫定リストに記載されている登録基準としては、以下の点。
※これらは2007年に暫定リストに記載された、日本における基準です。
登録基準(ii)
文化の交流を示すもの
登録基準(iii)
現存or消滅した文明の証拠
登録基準(iv)
人類の歴史を象徴する建築物の代表的な段階や景観の見本
登録基準(v)
伝統的集落や人類と環境の交流の見本
登録基準(vi)
人類史上に残る出来事や現存する伝統、思想、信仰、芸術
世界遺産マニアの結論と感想
耳成山はその美しい形状から、中大兄皇子(後の天智天皇)など、万葉集などの和歌では題材として親しまれてきました。八合目には現在も神社も置かれ、古代から続く歴史が見られるというのも特徴です。
ちなみに、耳成山は万葉集では「耳梨山」と詠まれていて、山の形からして「耳無し」=山裾がない、丸い山というイメージからこのように呼ばれていたと推測されています。さらには、登山口の入口にある鳥居には「耳無山」とも記されているので「みみなしやま」という名称は変わらないものの、漢字に関してはどうも統一されていない様子。会談の『耳なし芳一』とは何も関係はないので注意。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。