登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (3) |
登録年 | 2008年 |
イタリア北部に位置するマントヴァとサッビオネータは、ルネサンス期に栄えたゴンザーガ家によって築かれた理想都市。2つの都市にはルネサンス期の都市計画が見られ、美しい聖堂や宮殿などが多く見られます。
ここではマントヴァとサッビオネータがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、マントヴァとサッビオネータについて詳しくなること間違いなし!
マントヴァとサッビオネータとは?『ロミオとジュリエット』にも登場する?
マントヴァ
ポー川渓谷に位置する都市で、その歴史は紀元前6世紀に遡るとされています。14世紀以降は、マントヴァ公になったゴンザーガ家によって支配されるようになり、街は繁栄しました。ウィリアム・シェイクスピア作の悲劇『ロミオとジュリエット』でも登場する都市で、ロミオがヴェローナを追放された時に向かった街でもあります。
ゴンザーガ家の本拠地であるドゥカーレ宮殿には、今でも多くの美術品が残っていることで有名です。街の中心部のエルベ広場に面した、サン・ロレンツォ円形聖堂(ロトンダ)はロマネスク様式の建造物で、その歴史は11世紀に遡るというほどに古いもの。他にも18世紀に建造された、バロック様式の学術劇場(ビビエナ劇場)など、各時代の建造物が多く見られます。
サッビオネータ
マントヴァから南西へ約30kmに位置する都市で、ここはゴンザーガ家でも副王にもなるほどに出世したヴェスパシアーノ・ゴンザーガによって建造された都市。彼はここに理想都市を建造し、これは六芒星のような城壁に碁盤の目のように配されたルネサンス期の計画都市でもありました。
街にはヴェスパシアーノが居城としていたドゥカーレ宮殿や、彼の霊廟となっているインコロナータ聖堂など、ヴェスパシアーノゆかりの地が多く、まさに彼のために建造されたような都市でした。
マントヴァとサッビオネータはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
マントヴァとサッビオネータが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
マントヴァとサッビオネータは、ルネサンス期の理想都市で、これらは価値観や文化の交流を示し、この2つの都市はルネサンスの文化の普及において重要な役割を果たしたという点。
登録基準(iii)
マントヴァとサッビオネータは、ゴンザーガ家によって建造された理想都市で保存状態が良く、ルネサンス期の都市計画や建築物、美術品などに見られるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
この2つの都市は、ゴンザーガ家によってルネサンスの理想的な都市計画によって築かれ、保存状態もよく、さらにルネサンスの普及においても重要な地でもあったという点で評価されています。
マントヴァといえば、名物はかぼちゃ入りパスタ。これはトルテッリという北イタリアのパスタの仲間で、生地に詰め物を入れてソースをかけて食べるもの。町中のレストランでも食べられるので現地を訪れたら挑戦してみては?
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。