登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9), (10) |
登録年 | 1979年(1992・2014年に拡張) |
ポーランドとベラルーシの国境にあるビャウォヴィエジャの森は、ヨーロッパでも最大級の原生林が残っています。930平方kmもの広大な森は、アカシカ、イノシシ、オオカミなどが住み、個体数が少なくなっているヨーロッパバイソンが生息することでも有名。
ここではビャウォヴィエジャの森がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ビャウォヴィエジャの森について詳しくなること間違いなし!
ビャウォヴィエジャの森とは?
ここはポーランドとベラルーシの国境にまたがる大きな森林地帯で、ヨーロッパでも最大級の原生林。1979年にはポーランド側だけが登録され、1992年にベラルーシ側も含めて登録されました。ここは手付かずの森となっていて、中には樹齢300年の樹木があるというほど。
ビャウォヴィエジャの森は森林保護区のため、枯れ木がそのまま放置されることにより、菌類や無脊椎動物などが多く生息します。ここは野生のアカシカやイノシシ、オオカミなどが見られ、59種の哺乳類、250種以上の鳥類、13種の両生類、7種の爬虫類が生息する豊かな森。
ヨーロッパバイソン
体長は雄で350cmにもなる巨大なバイソンで、アメリカバイソンに比べて小型ではあるものの、ジャンプ力は上回るとされています。実は開発と乱獲により、20世紀初頭に野生種は絶滅(一部は残ったとされます)。しかし、動物園で飼育していた個体をここで飼育し、個体数も増えてきました。現在は全世界で生息するヨーロッパバイソンの約25%の約900頭ほどが生息しています。
ビャウォヴィエジャの森はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ビャウォヴィエジャの森が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
原生林には多様な生態系があり、枯れ木により菌類や無脊椎動物の多様性が見られ、それを食べる草食動物によりオオカミやカワウソなどの大型の肉食動物の食物連鎖が形成されているという点。
登録基準(x)
ヨーロッパバイソンの最大の保護区であり、新種も発見されることもあるほどの豊かな森であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ヨーロッパ最大級の原生林であり、ここでは手付かずの自然が残ることで、多様な生態系がそのまま存在するという点で評価されているのです。そして、一度絶滅したと考えられたヨーロッパバイソンの数少ない生息地となっているのもポイント。
ちなみにポーランドのウォッカ「ズブロッカ」のラベルにはヨーロッパバイソンが描かれいてますが、これはバイソングラスというビャウォヴィエジャの森でも採れるイネ科のハーブを使用したお酒。バイソングラス=バイソンのイメージということだったのでしょう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。