登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (8) |
登録年 | 2012年 |
ロシア北東部にあるサハ共和国の中央部を流れるレナ川。レナ石柱自然公園はレナ川沿いに位置し、1万平方3870kmにも及ぶ広大な広大な公園となっていて、高さ100mにもなる石柱郡があることで有名。ここは100度にも及ぶ寒暖差があり、岩の表面から水が入ると、その水が凍ることでヒビが入り、柱の間に溝が形成されるという独特の景観が広がっています。
ここではレナ石柱自然公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、レナ石柱自然公園について詳しくなること間違いなし!
レナ石柱自然公園とは?
レナ川はバイカル湖の西にあるバイカル山脈を水源として、サハ共和国内を通り、北極海へと達する約4400kmほどの距離になる大河。その中流域にあるレナ石柱自然公園は、首都ヤクーツクから西に位置する1万平方3870kmにも及ぶ広大な敷地を誇ります。その中でも最も有名なのは川沿いに続く、溝の入った石柱郡。
この地は永久凍土が広がっていて、大陸性気候によって夏は40度、冬は-60度という寒暖差が約100度にも及ぶため、岩の表面は水が入り込むと、冬にその水が凍ってまた氷が溶ける…という氷塊融解作用が繰り返し行われ、柱の溝が広がり、独自の景観が作り出されます。そして、レナ川の流れも大きな影響を与えているのも特徴。
石柱群はカンブリア紀(5億4200万年前〜4億8830万年前)の石灰岩やドロマイト、泥灰土などから構成され、かつての深海部にあった地層が侵食によって露出。そして、化石も多く出土されていて、この地でしか見られない固有種も発掘されています。
レナ石柱自然公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
レナ石柱自然公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
レナ石柱自然公園は、寒暖差による氷塊融解作用によって溝の入った石柱が並ぶ景観は、地球科学おいて非常に関心を集めています。そして、ここで発見される化石は、カンブリア爆発(多細胞動物として高度に分化した動物が急に発生した時期)と関連していて、世界でもあまり見られない、生物が出現してから大量に絶滅するまでを示した豊富な資料ともなっているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
レナ石柱自然公園は、永久凍土が続く地であるため、寒暖差によって岩に亀裂が入って溝が形成されるという独特の景観が広がっていて、地質学的にも価値があるのですが、ここで発見されるカンブリア紀の化石は非常に豊富で、生物の起源の謎に迫る重要なものであるという点で評価されています。
ちなみに、サハ共和国はどこも永久凍土のために冬はレナ川が「水路」としてインフラになるという世界でも珍しい地。そして、鉄道もシベリア鉄道から分岐してヤクーツクまではアムール・ヤクーツク鉄道が通っています。なんで極寒の地に人が住むのか…というと、ロシアで産出されるダイヤモンドのうちの99%をサハ共和国が占め、他にも石油、天然ガス、石炭、金、銀など、豊富な鉱物が眠る地なのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。