登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3) |
登録年 | 2014年 |
ルイジアナ州の北東部にあり、ミシシッピ川下流域に位置する広大な遺跡。ここには5つの土塁と半楕円形の広場のような遺構があります。紀元前1700年〜紀元1100年の間に狩猟採集民族による居住地であり、これらは儀式の場として使用されていたとされるもの。
ここではポヴァティ・ポイントの記念碑的土塁群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ポヴァティ・ポイントについて詳しくなること間違いなし!
ポヴァティ・ポイントの記念碑的土塁群とは?
ルイジアナ州ウェスト・キャロル群にある遺跡公園。「ポヴァティ・ポイント」という名は、この地域で建設された19世紀の綿花のプランテーションから由来しています。遺跡はミシシッピ川によって形成されたデルタ地形に位置し、これらは紀元前1700〜紀元1100年の間に建設され、住民に利用されていたとされるもの。ここは5つの土塁と、半楕円形の広場のように6つの隆起が並ぶという構造となっています。
土塁と広場の間は道で繋がっていて、特に土塁Aは高さが22mもあり、北米で建設された土塁の中でも2番目の大きさを誇ります。広場は外径1.14kmもあり、6つの隆起には窪みがありました。これらの遺構はアルカイック期(紀元前8000年〜紀元1000年)に属するもので、この地に暮らしていた狩猟採集民により、もともと存在していた地形を利用して建造されたと考えられます。
研究者の間では、ここが住居なのか、それとも宗教的施設なのかは決着がつかないところ。遺跡からは数百kmも離れた土地から運ばれたと考えられる岩石や鉱物も発見されていて、この地では幅広い交易が行われていたという可能性もあり、詳細ははっきりしていません。ここでは、陶器やペンダント、宝石類、黄土で作られた装飾品なども発掘されています。
ポヴァティ・ポイントの記念碑的土塁群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ポヴァティ・ポイントが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
ポヴァティ・ポイントは、ミシシッピ川下流域で繁栄した、後期アルカイック期(紀元前2000〜500年)のポヴァティ・ポイント文化の証拠を残すもの。この地は多くの野生動物がいて食料は豊富だったもののの、道具などを作るための石材が不足していて、数百kmも離れた位置に存在していた岩石や鉱物を得るためのネットワークも見られ、狩猟採集民による記念碑的な土塁建設の傑出した例であったということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ポヴァティ・ポイントは、まだまだ決着は付かないのですが、ここは狩猟採集民たちによって建造された大規模な施設であることは確実で、遺跡はこの地で繁栄した文化を示すものであり、彼らの高い技術力が見られるという点で評価されています。
ちなみに、ルイジアナ州にはポヴァティ・ポイントよりも古い遺跡もある「ワトソン・ブレーキ」が発見されました。これは紀元前3500年ころから11の土塁が建造されたというもので、北米で最も初期の土塁遺跡。これは世界遺産ではありませんが、エジプトのピラミッドよりも古い土塁ということになり、アメリカの考古学を震撼させるものでもありました。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。