登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (8), (9), (10) |
登録年 | 1983年 |
セーシェル諸島の北東部に位置するプララン島。ここには世界最大の実をつける「フタコブヤシ」の木を保護する自然保護区があります。
ここではヴァレ・ド・メ自然保護区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヴァレ・ド・メ自然保護区について詳しくなること間違いなし!
ヴァレ・ド・メ自然保護区とは?
プララン島は、インド洋に浮かぶ海洋国家セーシェルでも2番目に大きな島。ここは花崗岩の島となっていて、島の中央部にあるヴァレ・ド・メ(5月の谷)があります。ここは5月に購入されたことから、そのような名前が付けられました。
谷には世界最大の実をつけることで有名な絶滅危惧種「フタコブヤシ(ココ・デ・メール)」を保護しています。これは先史時代から存在する原生種に近く、ここでは4000〜5000ほどの木々が飼育されていて、わずか0.195平方kmもの狭い敷地が世界遺産として登録。フタコブヤシは最初の花が咲くまで約25年間もかかり、それから長い年月をかけ、直径約55cm、重さ20kgまで成長するというもの。
フタコブヤシは女性の下腹部のよように見えることから、古来より貴重とされてきて、イギリスでは媚薬として珍重されたため、大量に採取されてきました。他にも5つの固有種のヤシに、ここで暮らすオウムやヤモリ、トカゲ、カメレオンなどはセーシェル固有の動物種でもあります。
ヴァレ・ド・メ自然保護区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ヴァレ・ド・メ自然保護区が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ヴァレ・ド・メ自然保護区は、原始の森に近い、美しいヤシの森が広がっていて、生態学という面でも重要であるということ。
登録基準(viii)
ヴァレ・ド・メ自然保護区は、何百万年前も前の地形や生態系の変化によって形成されたもので、世界の植物の進化の歴史を示し、これは大陸で植物が進化する頃に、他の熱帯地域で存在していた独自の植物が見られるという点。
登録基準(ix)
ヴァレ・ド・メ自然保護区にあるヤシ林は、太古の森をほぼそのまま残していて、広葉樹などと一緒に密林を形成し、生態系の独自の進化と相互作用が見られ、インド洋の他の島で見られない、固有種のヤシの進化の過程を示すものであるということ。
登録基準(x)
ヴァレ・ド・メ自然保護区は、固有種で絶滅危惧種のフタコブヤシだけでなく、合計で6種の固有のヤシが生息していて、他にもセーシェルクロオウム、セーシェヤモリ、セーシェルドウトカゲ、タイガーカメレオンなど、セーシェル固有の動物が多く生息しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ヴァレ・ド・メ自然保護区は、太古から存在するフタコブヤシが見られるように、ここで見られる生物は大陸とは違う進化が見られ、固有のヤシだけでなく、セーシェル固有の動物も多く見られるという点で評価されています。
ちなみに、フタゴヤシは植物としては5つの記録を持っていて、世界で一番大きい実、世界で一番重い種、世界最長の子葉、世界最大のヤシ科の花、枯葉の栄養分を最も早く回復させる植物…と最強すぎる植物なのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。