世界遺産の中でには貴重な動物が住むエリアが多く登録されています。多くは絶滅寸前の動物を保護するために登録されていて、動物からすればまさに「ラストリゾート」。
ここでは珍しい動物が生息する世界遺産をランキング形式で解説。これを読めば、世界遺産級の貴重な動物について詳しくなること間違いなし!
1位.コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)/コモド国立公園・インドネシア
コモドオオトカゲは、世界で最大かつ最も重いトカゲであり、平均2〜3mの大きさに成長。かつてインドネシアとオーストラリアに生息していた大きなトカゲの最後の種だと考えられています。
普段は大人しいのですが、大型動物を捕食するという獰猛さで、広く知られています。コモドオオトカゲとは呼ばれますが、生息地はコモド島、リンチャ島、ギリモトン島、およびフローレス島西部と北部の一部の沿岸地域に広く分布。しかし、エサとなる鹿が島内で乱獲されたこと、そして、皮を狙って密猟されることから数が減少しています。
2位.オカピ/オカピ野生生物保護区・コンゴ民主共和国
スーダンやウガンダの国境の近く、コンゴ民主共和国の北東部にあるイトゥリの森の約5分の1が保護区として世界遺産に登録されています。保護区の名前にもなっているオカピが多く見られ、全世界で生息しているオカピの約6分の1が生息。
見た目は馬に見えますが、実はキリンの仲間。成体の体重は200~300gでお尻と四肢にシマウマの模様が入っていることが特徴。実はオカピはキリンの先祖に近い動物であり、森で暮らしていたために、首を長くする必要がなかったことからウマのような姿のまま進化したと考えられています。
3位.ケツァル/シアン・カアン・メキシコ
ユカタン半島の東側の海岸線に広がるシアン・カアンは、キンタナ・ロー州に位置し、約5280平方kmにも及ぶメキシコ最大の自然保護区です。「シアン・カアン」とは、ユカタン半島の原住民のマヤ族の言葉で「空の始まるところ」という意味。
ここには、農耕神であるケツァルコアトルの化身とされる幻の鳥・ケツァルを含め300種以上の鳥類が生息しているというのが特徴。
4位.ゲラダヒヒ/シミエン国立公園・エチオピア
シミエン国立公園は、エチオピア北部、アムハラ州にある220平方kmの広大な公園。ここには野生のゲラダヒヒなど、この地域でしか生息しない動物を保護しています。
ゲラダヒヒは、オナガザル科ゲラダヒヒ属。エチオピアとエリトリアだけに生息しているヒヒの仲間で、胸に赤い斑点があるのが特徴。ライオンのようなたてがみが見られ、現地ではイエス・キリストの使いとされる動物です。
5位.タスマニアデビル/タスマニア原生地域・オーストラリア
オーストラリア本土の南に浮かぶタスマニア島は、全体がタスマニア州という行政単位になっていて、面積としては北海道よりもやや小さい程度ではあるものの、ここは太古の植物や独自の進化をした動物などが見られます。
島で最も有名な動物といえば、タスマニアデビル。かつてはオーストラリア南部に生息していたものの、島という環境もあり、大陸にいた種は絶滅しましたが、この島では生き残ることができました。特にタスマニアデビルは、最大の肉食性有袋類として有名。
6位.キツネザル/アツィナナナの雨林・マダガスカル
世界で4番目に広い島であるマダガスカル島の東部には、アツィナナナの熱帯雨林が広がっています。特に固有種の数が豊富で、1万2000種以上の固有植物が生息することで有名。マダガスカル島とコモロ諸島にだけ生息するキツネザルも多く見られるのも特徴です。
キツネザルは可愛らしい見た目とは裏腹に割と獰猛な動物であるというのは割と有名。特に歯は鋭く、近づくと危険な動物でもあります。
7位.ハンマー・ヘッド・シャーク(アカシュモクザメ)/ココス島国立公園・コスタリカ
ココス島は、コスタリカ本土から約550kmも離れた絶海の孤島。面積は46.6平方kmで、年間降水量は7000mmもあり、熱帯雨林でほとんど埋め尽くされている島です。
アカシュモクザメは、シュモクザメ科に属するサメで、熱帯から温帯の沿岸に生息しています。頭部がハンマーのように見えるので、ハンマー・ヘッド・シャークと呼ばれます。このハンマーのような頭部は、叩きつけるのではなく、相手に振り下ろすように使用して敵を攻撃するもの。
8位.アジアゴールデンキャット/峨眉山と楽山大仏・中国
峨眉山は四川省の省都である成都から南東へ約170kmも離れた奥地にある聖山。四大仏教聖地だけあり、美しい自然の中に絶滅危惧種の動物が多く住むことから複合遺産としても登録。亜熱帯のジャングルから高山帯の松林まで非常に多様な自然が見られます。ここには生息数が減っているアジアゴールデンキャットなども生息していることでも有名。
9位.アルダブラゾウガメ/アルダブラ環礁・セーシェル
セーシェルはインド洋に浮かぶ115の島々から構成される島国。その中でも北西のアルダブラ群島にある350kmの大きな環礁こそがアルダブラ環礁。
アルダブラ環礁は世界最大のゾウガメの生息地。アルダブラゾウガメは最大138mにもなるという巨大なカメで、草原やマングローブの湿原などに生息しています。その珍しい姿のためか、乱獲によって20世紀初頭には、アルダブラ環礁以外のゾウガメは絶滅。よって、セーシェルでは法律できちんと保護されていて、アルダブラ環礁に住むゾウガメは15万2000頭と推定されています。
10位.ジュゴン/西オーストラリアのシャーク湾・オーストラリア
シャーク湾は、西オーストラリア州の西海岸・ガスコイン地域に位置します。湾は海藻藻場であるため、多くの海洋生物が見られます。ここには絶滅危惧種のジュゴンが多く生息するコロニーがあり、ここは地球最大規模のもの。
ちなみに、海牛類であるマナティーとジュゴンは、とても似た動物で、祖先が同じだと考えられています。見分け方は尾ヒレの形で、マナティはうちわのようになっていて、ジュゴンは2つに分かれています。
世界遺産マニアの結論と感想
世界にはこんなにも不思議な動物でいっぱいなんですね!「可愛い」というよりかは、「恐ろしい」動物のほうが多い気もしますが…実はこれらは絶滅寸前の貴重な動物たち。彼らを救うために登録しておくというのも世界遺産の役割だったりするのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。