世界遺産に登録されているスペインのお城はいくつある?それぞれを一覧にして世界遺産マニアが解説

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かつては「日が沈まない国」として知られる国だけあって、スペインにはかつての繁栄が見られるお城が多く残っています。特にセゴビアのアルカサルは、ディズニー映画に登場するお城のモデルになったことでも有名。

ところで、スペインで世界遺産として登録されている城はいくつあるでしょうか?ここでは世界遺産に登録されたお城を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説していきましょう。

目次

アルカサル/コルドバ歴史地区

アルカサル/コルドバ歴史地区
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コルドバはスペイン南西部、アンダルシア州コルドバ県の県都で、グアダルキビール川に作られた町。やがてレコンキスタによってキリスト教勢力がこの町を取り戻すとメスキータ(大モスク)が大聖堂になったりと、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の文化が交差する都市に。

アルカサルは、グアダルキビール川の側にある、後ウマイヤ朝時代の王宮だった場所。ここには庭園や世界最大規模の図書館があったりと、華やかな宮殿でした。レコンキスタによってキリスト教勢力が支配するようになると、ここに要塞が築かれ、やがて異端審問の場となりました。刑務所となった時期もありますが、1950年代からスペイン政府によって国家のモニュメントに。

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アルカサル/セゴビア旧市街と水道橋

アルカサル/セゴビア旧市街と水道橋
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セゴビアは、スペイン中央部のカスティーリャ・イ・レオン州にある要塞都市で、首都マドリードから北東へ約90kmの距離。エレスマ川とクラモレス川の間に位置していて、交通の要所でもありました。

アルカサルは旧市街の西北に位置する城。11〜12世紀にカスティーリャ王国がこの地を支配するようになると、アルフォンソ6世によって城が建造されています。12〜13世紀のアルフォンソ8世の時代になると王宮として利用されるように。何度か改修され、現在の姿になったのは19世紀頃。ディズニー映画の『白雪姫』に登場する城のモチーフとなったということで有名です。

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アビラ旧市街と市壁外の教会

アビラ旧市街と市壁外の教会
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カスティーリャ・イ・レオン州のアビラ県の県都であるアビラは、ローマ帝国時代に起源を持つ街。8世紀にイスラム勢力に支配され、11世紀にカスティーリャ=レオン王アルフォンソ6世によって奪還されると、街を要塞化するために城壁を建造しました。

ここは堅固な城壁と聖テレサという聖人の出身地であることから「城壁と聖人の町」として有名。現在でも城壁には87もの塔も残り、完成度の高いゴシック様式の大聖堂など、中世の雰囲気をそのまま残しています。

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アルカサル/古都トレド

アルカサル/古都トレド
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トレドは、カスティーリャ=ラ・マンチャ州の州都。先史時代から人は住んでいたものの、伝説ではノアの末裔によって建造されたというほどに古い街。

町の高台に建つアルカサルは、3世紀に帝政ローマ時代の宮殿として建造。16世紀に改築され、現在の形になりました。四角形の建造物で、高さ60mの塔が四辺に配置。1936〜1939年に起きたスペイン内戦で破壊されるも、戦後は再建されて、現在は軍事博物館となっています。

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アルカサル/セビリアの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館

アルカサル/セビリアの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館
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スペイン南西部のアンダルシア州の州都であるセビリア。ここはスペイン南部の中心地で、古来から経済や文化の中心地でもありました。

アルカサルはもともとは10世紀にイスラム勢力がこの地を支配していた時代に、総督の宮殿として建設されたもの。13世紀にカルティーリャ王国がこの地を支配するようになると、14世紀に王宮の離宮として改築されました。イスラムの建築様式とキリスト教の建築様式を融合したムデハル様式を基本デザインとして採用。さらに、ルネサンスから新古典様式なども加えられて、さまざまな建築様式が混在する宮殿に。

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歴史的城塞都市クエンカ

歴史的城塞都市クエンカ
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スペイン東部のカスティーリャ=ラ・マンチャ州にあるクエンカは、9世紀にイスラム教徒によって、フカール川沿いの石灰岩の岩山の上に築かれた要塞が起源。

その後スペインに奪還されるとスペイン初のゴシック様式の大聖堂や崖から吊されているように見える不思議な構造の「宙吊りの家」などが築かれていき、地形を利用した景観が特徴でもあります。

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ルーゴのローマ城壁

ルーゴのローマ城壁
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スペイン北西部のガリシア州にあるルーゴは、紀元前1世紀に初代ローマ皇帝アウグストゥスの軍師長によって設立された都市でした。現在の都市を囲む城壁は3〜4世紀にかけて建造され、これはローマ時代の建築物で利用されていた花崗岩や粘板岩(ねんばんがん)を積み重ねて構成されたもの。

現在でも城壁がそのまま残っていて、西欧におけるローマ時代後期の要塞の優れた例でもあります。

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世界遺産マニアの結論と感想

スペインで「城」と呼ばれる場所は、王宮や要塞としての役割を持つものが多く、日本の城とはイメージが異なるとは思いますが、これらはイスラムの建築様式も入っていて、ヨーロッパにおいても独特なものです。ぜひディープに楽しんでくださいね!

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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