メキシコの世界遺産に登録されたピラミッドはいくつある?それぞれを一覧にして世界遺産マニアが解説

ピラミッドといえばエジプトが有名ですが、実はメキシコに点在する古代遺跡には、巨大な神殿があることが多く、これらも「ピラミッド」と呼ばれています。メキシコ各地には、さまざまな遺跡が点在しますが、世界遺産として登録されたピラミッドはいくつあるでしょうか?

ここでは、メキシコの世界遺産に登録されたピラミッドを世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
※あくまでもメキシコのピラミッドは「神殿」などの用途で築かれたものが多いため、一般的に「ピラミッド」と紹介しているものだけ紹介しています。

目次

太陽のピラミッド/古代都市テオティワカン

太陽のピラミッド/古代都市テオティワカン
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テオティワカンは、メキシコ中央部、首都メキシコシティから北東へ約50kmにある都市遺跡。1〜7世紀には15万000人もの人々が住む大都市であり、北に月のピラミッド、そこから南北に貫く「死者の大通り」があり、太陽のピラミッドへと続きます。

ここにはピラミッドが600基もありますが、その中でも200年頃に建造されたとされる最大の規模のピラミッドが太陽のピラミッド。底辺の幅は225mもあり、高さは65m。上部の祭壇を含めると75mもあったとされています。夏至に太陽がピラミッドに沈むように見えるよう設計されており、高度な天文学によって建造されたもの。

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月のピラミッド/古代都市テオティワカン

月のピラミッド/古代都市テオティワカン
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月のピラミッドは、遺跡の北側に立つ、太陽のピラミッドの次ぐ大きさを誇る建造物。ここは斜面部分と平坦部分を組み合わせたタルー・タブレロ構造と呼ばれる建築様式で、手前には4段の祭壇があります。

紀元100年ころから建造が始まり、「月」と呼ばれるのは、ピラミッドで月に関する巨大な石像があったことが由来となっていて、これは後にアステカ帝国(1325〜1521年)を築いたメシカ人(アステカ人)によって名付けられ名称でもあります。底辺の幅は140mもあり、高さは46m。

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カスティーヨ/古代都市チチェン・イッツァ

カスティーヨ/古代都市チチェン=イッツァ
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ユカタン半島の北部・ユカタン州の州都メリダから東へ約120km。チチェン・イッツァはマヤ文明の中でも中心都市でした。遺跡の北側にある高さ24mの階段状のピラミッドは「カスティーヨ」と呼ばれ、これはスペイン人が名付けた「城塞」という意味でもあります。

建造物はマヤの最高神ククルカン(ケツァルコアトルのマヤ語名)を祀っている神殿で、これは8〜12世紀にかけて建造されたもの。階段は4面の91段を合計すると364段で、最上段の神殿の1段分を合わせると365段となり、一年を表現しているとされます。これらはマヤ文明の天文学の高さを示すもの。

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碑文の神殿/古代都市パレンケと国立公園

碑文の神殿/古代都市パレンケと国立公園
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パレンケはメキシコ南東部にあるチアパス州に位置し、ウスマシンタ川沿いのジャングルの中にある古代都市です。碑文の神殿はピラミッド型になっており、遺跡の中で最も高い建造物。壁の一面にマヤ文字が掘られていることからこの名が付けられました。

神殿の最上階の部屋からはパレンケ王家の歴史が記された碑文が発見。それだけではなく、1952年には神殿の地下で石棺が発見されました。その中には、翡翠をつなぎ合わせた仮面を付けた人骨が入っていて、この人物は7世紀にこの地を治めたパカル王であったと特定されています。

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魔法使いのピラミッド/古代都市ウシュマル

魔法使いのピラミッド/古代都市ウシュマル
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ユカタン半島の北部の大都市メリダから南へ約80km。ここには、マヤの古典期後期から後古典期まで栄えたウシュマルの遺跡があります。

魔法使いのピラミッドは「占い師のピラミッド」とも呼ばれるもの。高さ約37mで楕円形の土台があり、5層の建造物になっています。現在は頂上に神殿がありますが、これは小さな神殿が何回も増築されて巨大な神殿になったとされるもの。さまざまな伝説がありますが、魔法使いが一晩で建造したとか、魔法使いの老婆が卵を温めて小人が作ったといった伝承があり、「魔法使い」という言葉が使用されていると考えられています。

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壁龕のピラミッド/古代都市エル・タヒン

壁龕のピラミッド/古代都市エル・タヒン
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メキシコ湾の西岸に広がるベラクルス州の都市パパントラから南西へ8kmに位置する都市遺跡。壁龕のピラミッドは、この遺跡を代表する建造物です。これはタルー・タブレロ式の階段ピラミッドの構造で、基壇(タルー)と斜面部分(タブレロ)を組み合わせたもの。

現在は高さ20mだけ残存していて、6段の基壇を持ちます。最大の特徴は各段に壁龕が配されていて、失われた部分を加えると365箇所もの壁龕が存在したこととされるもの。この365という数は、太陽暦の特定していて、カレンダー的な機能があったともされています。

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大ピラミッド/ソチカルコの考古遺跡地帯

大ピラミッド/ソチカルコの考古遺跡地帯
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首都メキシコシティの南方にあるモレロス州。州都クエルナバカの郊外にあるソチカルコとは「花々の館」という意味で、これは古代の中央アジアで広く話されていナワトル語から由来し、華やかな神殿からこのように付けられたとされています。

ここは650〜900年の古典期後期に建造され、当時は政情が不安定であったため、城壁や要塞などを備える必要があり、城塞都市としては最高峰の設備を持つものでした。ソチカルコでも最大の建造物は広場に位置する「大ピラミッド」があり、ピラミッドの前には日付が刻まれた碑文があります。

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建造物I&II/カンペチェ州カラクムルの古代マヤ都市と熱帯保護林

建造物I&II/カンペチェ州カラクムルの古代マヤ都市と熱帯保護林
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カンペチェ州はメキシコ東部のユカタン半島の西側部分一帯を含む行政区域。半島の中央部に広がる広大なジャングルは、メソアメリカでも2番目の敷地を誇る熱帯雨林です。今は人がほとんど住んでいませんが、カラクムルは紀元前1000年から紀元1000年ころまで栄えたマヤ文明の中心都市の一つでした

高さ約55mの建造物IIは、マヤ文明の中でも最大級のピラミッド。ここでは巨大なスタッコ(化粧装飾)のマスクなどの副葬品が発見されていて、王の埋葬地でもあったとされているもの。「カラクルム」とは、この建造物IIと対をなす、高さ50mの建造物Iと合わせて、マヤ語で「2つの並んだ丘」を意味するもの。

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世界遺産マニアの結論と感想

あくまでもメキシコのピラミッドは神殿であることが多いのですが、正式に「ピラミッド」と呼ばれるものもあります。資料によって異なるのですが、その数は膨大!そして、これらのほとんどは小さなピラミッドを積み重ねていって、やがて巨大な建造物に変化していったもの。ここには彼らの歴史や神々への祈りが見られるというのが魅力です。ぜひディープに楽しんでくださいね!

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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