スリランカはインドの南東に浮かぶセイロン島を中心とした島国。セイロンティーで有名ですが、古くから続く仏教国で、国内には仏教遺跡が多く点在し、それらは世界遺産に登録されています。ところで、スリランカの世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、スリランカの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
聖地アヌラーダプラ
スリランカ北中部州の州都でもあるアヌラーダプラは、紀元前4世紀から11世紀までアヌラーダプラ王国の王都だった都市(一時的にシーギリヤなどに遷都したことも)。
ここには紀元前3世紀にインドから仏教がもたらされ、多くの寺院や仏塔が並ぶ聖地となり、インド北部のブッダガヤから運ばれた菩提樹も置かれ、多くの巡礼者が訪れています。
詳細はこちら↓
古都ポロンナルワ
ポロンナルワは、スリランカ北中部州にあるポロンナルワ王国時代の首都だった場所です。ポロンナルワ王国は現在でもスリランカで最も人口の多い民族・シンハラ人による王朝で、11世紀にかつての首都であり、北西に位置していたアヌラーダプラから遷都し、築かれました。
12世紀後半にパラークラマ・バーフ1世によって広大な人造湖が作られ、湖畔には壮麗な宮殿や寺院が建設されました。特にガル・ヴィハーラ寺院の涅槃仏はスリランカ仏教美術の傑作とされるもの。
詳細はこちら↓
古都シーギリヤ
シーギリヤはスリランカの中部州のマータレーから北へ約65kmの位置にあります。森に突如として現れる「シーギリヤ・ロック」は高さ約180mの花崗岩の上にある、5世紀末にシンハラ王国のカッサパ1世によって建造された天空都市。
岩山の西側に描かれた「シーギリヤ・レディ」はスリランカ美術を代表する作品。華やかな衣装を着た天女を野菜や花、木などを使った染料を使って描いたフレスコ画で、王宮に住んでいた女性たちをモデルにしたとされています。
詳細はこちら↓
聖地キャンディ
スリランカ中部州の州都であるキャンディは、紀元前5世紀から続いたシンハラ王朝の最後の王国・キャンディ王国の首都があった場所。
ここには仏陀の犬歯を納めたダラダー・マーリガーワ寺院(佛歯寺)があることで有名となり、聖地として多くの巡礼者が今でも訪れます。
詳細はこちら↓
ゴールの旧市街と要塞
ゴールは南部州の州都。ここはスリランカ南部の最大の都市で、古くから海のシルクロードの中継地として多くの人々が立ち寄る都市でした。
16世紀からポルトガル、オランダ、イギリスなど支配者は変わっていったため、ヨーロッパの建築様式と南アジアの伝統建築が融合した要塞都市の名残が今でも見られます。
詳細はこちら↓
シンハラジャ森林保護区
スリランカの南西部にあるシンハラジャ森林保護区は標高は300〜1170mもの高低差があり、起伏のある地形に小川が流れ、渓谷が形成。年間降水量は3600〜500mmにもなり、豊かな生態系が見れるのが特徴です。
スリランカの植物の固有種は830種ほど生息しますが、ここはそのうち約500種も存在するという貴重な森でもあります。特に鳥類は20種のうち19種も固有種で、絶滅危惧種のセイロンサンジャクなどが生息。
詳細はこちら↓
ダンブッラの黄金寺院
スリランカ中部のダンブッラは古来から交通の要衝で、ここには5つの石窟で構成された黄金寺院があります。ここはシンハラ王朝の王ワッタガーマニー・アバヤが追放された時にダンブッラの僧たちによって匿れたことから、感謝の意を示すために築かれたもの。
金箔で覆われた全長14mの涅槃仏などがあることから黄金寺院と呼ばれ、石窟は各時代に建造された仏像や壁画で覆い尽くされています。
詳細はこちら↓
スリランカの中央高地
スリランカの中南部に位置するピーク・ウィルダーネス保護区、ホートン・プレインズ国立公園、ナックルズ保護森林の3つの保護区が合わさり、合計で56平方kmもの敷地が登録。標高2500mにも達する熱帯雨林帯は太古から生息していて、ここはスリランカでも固有種が多く見られる地でもあります。
古くから残る熱帯森林には、カオムラサキラングールやホートン・プレインズラングール、スリランカラングールなど絶滅危惧種を含む、生物多様性のホットスポットでもあります。
詳細はこちら↓
世界遺産マニアの結論と感想
スリランカは、文化遺産6件と自然遺産2件と合計で8つもの世界遺産が登録。シーギリヤロックのような印象的な遺跡で有名ではありますが、古くからの仏教国であるために過去の王朝の繁栄が見られる遺跡もまた魅力ですよ!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。