ベトナムは、インドシナ半島の東部に位置する長細い国家。北は中国、南はカンボジアと国境を接していて、古くから多くの文化が融合する土地でした。ベトナムといえば、奇岩が続くハロン湾やSNS映えする可愛らしいホイアンなど、さまざまな遺産がありますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、ベトナムの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
フエの建造物群/1993年登録
フエは、ベトナム中部トゥアティエン=フエ省の省都。町の起源ははっきりとはしませんが、15世紀まで現在のベトナム北部の大越と南部のチャンパの国境に位置する小さな町でした。
ここは19〜20世紀まで栄えたベトナム最後の王朝、阮朝(グエン朝)の首都であり、阮朝の政治、文化、宗教の中心地だった場所。旧市街には豪華な王宮跡が残っていて、周囲には皇帝の陵墓なども点在しています。
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ハロン湾=カットバー群島/1994年登録(2000年、2023年拡大)
首都ハノイから東へ約165km。ベトナム北東部のクアンニン省のハロン市の南側に広がる海がハロン湾です。登録されているエリアは約1500平方kmと広大。ここには1600以上の島々が点在しており、ほとんどが無人島。
ハロンとは「空飛ぶ龍が降り立った場所」という意味で、石灰岩が風化して形成された、奇妙な形の島々が並ぶという風景はベトナムが誇る景勝地です。2023年にはハロン湾の西に浮かぶ、大小367の島々で構成されるカットバー群島も追加で登録。
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古都ホイアン/1999年登録
ホイアンは、ベトナムの中央部・クアンナム省にあり、トゥボン川の河口近くにある港町。15世紀から19世紀にかけて、ホイアンは東南アジアや東アジアの国々、そして世界各国と広く貿易を行っていました。
町は1100以上ものの木造りの建物で構成されていて、どれも保存状態が良好。今はランタンで有名なこの町は、アジア各地の文化を取り入れながら発展し、カラフルでユニークな町並みを作り出しています。
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ミーソン聖域/1999年登録
ミーソン聖域は、ベトナム中部クアンナム省にあるヒンドゥー教の遺跡群。トゥポン川沿いの盆地に築かれたもので、中心都市ダナンから南へ約40kmの位置にあります。
ここはかつてベトナム南部で栄えたチャンパ王国の聖地でした。4〜13世紀にシヴァ神崇拝の聖地となったことから、多くの祠堂が建造。ベトナム戦争によって破壊されましたが、チャンパ王国の文化を今に伝える遺跡です。
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フォンニャ=ケバン国立公園/2003年登録(2015年拡大)
クアンビン省のボーチャック県からミンホア県にまたがるという、850平方kmを越える広大な国立公園で、ラオスとも国境で接しています。ここは約4億年前の古代から存在する、アジアで最も古い主要なカルスト地形。
熱帯雨林で囲まれた公園の地下には、多数の地下洞窟や地下河川などが見られ、特にフォン・ニャ洞窟は長さ44.5kmを越えるベトナム最大の洞窟でもあります。
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ハノイのタンロン皇城の中心区域/2010年登録
タンロン皇城は李朝(1009〜1226年)の王宮的存在で、首都ハノイの中心部にあり、保存状態も良好。11世紀に誕生した李朝は、南部にあったホアルーからタンロン(昇竜、現ハノイ)へと遷都しました。
これらは7世紀に中国が紅河デルタの上に建造した要塞遺跡を利用したもの。ここは18世紀まで中国から独立を続け、南部のチャンパ王国の影響を受けつつ、大越国の中心として利用された場所として、東南アジア独自の文化が今でも見られます。
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胡朝の城塞/2011年登録
ベトナム北部にあるタインホア省ヴィンロック県は、かつてベトナム北部を短期間に支配した胡朝時代(1400〜1407年)の首都だった場所。都市は幅870.5m×883.5mの正方形となっていて、東西南北に城門が残っていますが、それ以外はほぼ残されていません。
ここは風水の原理に従ったもので、14世紀後半に中国から持ち込まれた宋学(新儒学)が伝搬したことを示すもの。
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チャンアンの景観関連遺産/2014年
ベトナムの首都ハノイから南に位置するニンビン省のチャンアン。エリアとしては、古都ホアルー、チャンアン=タムコック=ビックドン景勝地、ホアルー特殊用途林の3つで構成。石灰岩が形成した地形から水田地帯まで登録されています。
チャンアンは紅河デルタ地域の南側に位置し、石灰岩のカルスト地形となっています。ここは3万年以上にも渡って人々が気候や環境に対応しながらも暮らし続ける場所。
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世界遺産マニアの結論と感想
ベトナムの世界遺産は文化遺産が5つ、自然遺産が2つ、複合遺産が1つと、合計で8件。ハロン湾のような自然遺産から古代遺跡であるミーソン聖域、女子に大人気の可愛い街並みのホイアンまで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。