スロヴァキアの世界遺産の数はいくつある?それぞれを一覧にして世界遺産マニアが解説

ヨーロッパの中央部から東部に広がる細長い内陸国で、かつては隣国のチェコと「チェコ=スロヴァキア」を構成していました。国土のほとんどが山岳や丘陵地帯で、東欧最大の城だったスピシュスキー城といった有名な遺産がありますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?

ここでは、スロヴァキアの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。

目次

ヴルコリニェツ

ヴルコリニェツ/スロヴァキアの世界遺産
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ヴルコリニェツは、スロヴァキア北部の標高494mの高原都市ルジョムベロクから約7kmの距離にある小さな村。ここはカルパティア山脈の北西部にあたるタトラ山脈の中腹に広がっている小さな集落で、石を積み上げた土台に丸太を組み、薄い木の板の屋根を築いたという伝統的家屋が45棟も並んでいます。

かつてはオオカミ狩りの猟師たちが住む村であり、現在でも地元の人々が暮らしています。

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バンスカー・シュチャヴニツァ歴史地区と近隣の工業建築物群

バンスカー・シュチャヴニツァ歴史地区と近隣の工業建築物群/スロヴァキアの世界遺産
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南方のハンガリー国境と面したバンスカー・ビストリツァ県にあるバンスカー・シュティアヴニツァは13世紀に設立。中世から金や銀などの鉱業で繁栄してきた場所で、現在の町並みは16世紀に形成されたもの。

17〜18世紀に金や銀の採掘で繁栄した鉱山都市で、火薬や蒸気機関などの最新技術が導入されていました。ここにはロマネスク様式の鉱業会館、ルネサンス様式の宮殿、バロック様式の広場など優雅な建造物が今でも残っています。

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レヴォチャ歴史地区、スピシュスキー城及びその関連する文化財

レヴォチャ歴史地区、スピシュスキー城及びその関連する文化財/スロヴァキアの世界遺産
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スロヴァキアの東部に位置すスピシュスキー城は、かつて東欧でも最大規模を誇った城。ここは東方から侵攻してくるタタール人から防衛するために作られた広大な要塞で、13〜14世紀の東欧の集落の典型的な例でもあります。

2009年にはスピシュスキー城より西へ約40kmの距離にあるレヴォチャや、周囲の集落なども追加で登録され、それぞれゴシック様式やバロック様式の建築物が多く残っています。

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アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群

アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群/スロヴァキアの世界遺産
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ハンガリー側のアグテレク・カルストとスロヴァキア・カルストは、国境をまたがって広がる約567平方kmものカルスト地形。ここは石灰岩などに水が溶けて、岩石や洞窟が形成されています。地下には鍾乳石や石筍が広がり、合計で712もの洞窟が登録。

スロヴァキア南部のスロヴァキア・カルストは、地下にはカルスト地形が広がっていて、窪地(ドリーネ)や円錐状の丘、渓谷などのカルスト地形が点在し、その中でも25万年前の氷河が地下に残るという「ドブシンスカ氷穴」も合わせて世界遺産に登録されています。

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バルデヨフ市街保護区

バルデヨフ市街保護区/スロヴァキアの世界遺産
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ポーランドとの国境の近く、カルパティア山脈の中腹にあり、トプリャ川のほとりに位置する町バルデヨフ。ここは13世紀から交易で栄え、現在の町並みは14〜15世紀に建造されたもの。建設当時は中央ヨーロッパでも先進的な要塞が築かれ、都市は3つの門と多くの見張り台で囲まれていました。

旧市街には後期ゴシック様式の聖エギディウス教会や旧市庁舎が残り、ユダヤ人地区にはシナゴーグなども現存。

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カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林(他ヨーロッパ17ヶ国と共同)

カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林/スロヴァキアの世界遺産
画像素材:Caroig(Wikimedia Commons)

ヨーロッパブナは、北はスウェーデン南部から南は地中海岸、西はポルトガル、東はトルコまで広がっていて、氷河期後期には、ヨーロッパの約40%はヨーロッパブナ(ファグス・シルヴァティカ)の林が広がっていました。登録エリア各地にはブナの原生林が広がっていて、ヨーロッパブナの原生林としては世界最大の規模を誇ります。

スロヴァキアとしての登録範囲は、東部のポロニニ国立公園やハヴェショヴァー自然保護区、ヴィホルラット景観保護区などの5箇所が含まれています。

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カルパティア山脈地域のスロヴァキア側の木造教会群

カルパティア山脈地域のスロヴァキア側の木造教会群/スロヴァキアの世界遺産
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スロヴァキア東部には、16〜18世紀に建造された8つのキリスト教の教会が世界遺産に登録されています。それぞれローマ・カトリック教会が2棟、プロテスタントが3棟、東方教会が3棟と宗派ごとに内部空間や外観などが異なるのが特徴。

これらは西方のラテンと南方のビザンツの文化、現地に住むスラブ人の建築様式が融合したもの。どの教会も壁や天井に描かれた絵画や宗教的な芸術作品が見られるのが特徴です。

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ローマ帝国の国境線-ドナウのリーメス(西部分)

ローマ帝国の国境線-ドナウのリーメス(西部分)/スロヴァキアの世界遺産
画像素材:Radosław Botev & Sylwia Botev(Wikimedia Commons)

ローマ帝国の北方の国境であったドナウ川沿いには、リーメス(長城)が建設され、見張り台や砦、軍駐屯地などを徐々に加わえ、強化されていきました。もともとのリーメスは土の堤防だけ築かれたものでしたが、2世紀のトラヤヌス帝の時代になると石で囲まれるようになったのです。

ドナウ川沿いのローメスは、西は現在のドイツのバイエルン州からオーストリア、スロヴァキア、ハンガリーを通り、ルーマニアまでに至る壮大なもので、西部分が世界遺産が登録。

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ドイツ・オーストリア・スロヴァキアの世界遺産「ローマ帝国の国境線-ドナウのリーメス(西部分)」とは... ローマ帝国の北の国境には、現在のドナウ川沿いが重なり、ここにはリーメスと呼ばれる防砦システムが約600kmに渡って築かれました。ここには小さな砦から入植地まで、当時のローマ帝国の辺境における独特の生活が見られるもの。 ここではローマ帝国の国境線-ドナウのリーメス(西部分)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ドナウのリーメス(西部分)について詳しくなること間違なし!

世界遺産マニアの結論と感想

スロヴァキアの世界遺産としては5件ではありますが、構成資産として数えると8箇所も登録されています。スピシュスキー城で知られますが、中世の歴史地区から広大な鍾乳洞まで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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