世界遺産の割合としては圧倒的にヨーロッパが多いということもあり、キリスト教関連の遺産が多いのですが、特に多いのが教会。建築的価値が高い遺産も多く、意外な場所でも世界遺産だった…というケースが多いのです!
ここでは、世界遺産に登録されている教会を世界遺産マニアが厳選して分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
大浦天主堂/日本
長崎市の丘の上に築かれたカトリックの教会堂。正式名は「日本二十六聖殉教者聖堂」。ここは1597年に豊臣秀吉によって長崎で磔刑された26人のカトリック信者に捧げられた教会で、彼らが殉教した地に向けて建てられたもの。
ここは日本に現存する最古のキリスト教の建造物でもあります。1953年には洋風建築としては、初めて国宝となりました。
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サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会/イタリア
イタリア北部の中心都市ミラノの中心部にある、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は、15世紀にドミニコ会の修道院として建設されたもの。
ここは建物も素晴らしいですが、なんといっても食堂の壁には1495〜1497年にかけて、ルネサンスの芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519年)が描いた『最後の晩餐』があることで有名。これは美術史において革命を起こした傑作でもありますね。
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サグラダ・ファミリア贖罪教会/スペイン
バルセロナの中心部でも北側にあり、「未完成の教会」として有名なサグラダ・ファミリア贖罪教会。ここは1882年に着工すると、すぐにアントニ・ガウディ(1852〜1926年)が建築主任に。ガウディが1926年に交通事故で死亡するまで、作業を続けたというほどに彼の中でのライフワークになったもの。
しかし、まだまだ未完成であり、完成まで300年ほどかかるといわれ、2026年に完成予定とはなっていますが、いつ完成するかは不明。教会そのものは常に増築しているため、世界遺産に登録されているのは、東側のファサードと地下聖堂のみ。
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サント・シャペル/フランス
もともとは19世紀にシテ島に築かれたフランス王国の王宮にあった礼拝堂を取り壊して、13世紀にフランス王ルイ9世が建造したもの。典型的なゴシック建築の傑作とされ、内部は美しいステンドグラスで埋め尽くされていることで知られています。
フランス革命時には建物も一部破壊されたため、19世紀には修復が行われました。それもあり、現在の姿は当時修復されたものがベースとなっています。
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サンタ・マリア・マッジョーレ教会/イタリア
ヴェネツィアの本島から南東部にあるサン・ジョルジョ・マッジョーレ島。小さな島であり、ほとんどの敷地がサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂で占められています。現在の建物は13世記に再建されたもので、その後、建築家アンドレーア・パッラーディオ(1508〜1580年)によって改築され、1610年に完成。
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マーチャーシュ聖堂/ハンガリー
首都ブダペストのドナウ川右岸に広がる王宮の丘。北側に位置するマーチャーシュ聖堂は、13世紀にハンガリー王ベーラ4世(1206〜1270年)が建造した聖堂をマーチャーシュ1世(1443年〜1490年)が改築して、現在のようなゴシック様式の聖堂になりました。
ここはハンガリー王の戴冠式が行われた聖堂で、結婚式なども行われました。しかし、1541年にオスマン帝国がブダを占領するとモスクとなったためにフレスコ画は白く塗りつぶされたこともあります。
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聖ヨバン・カネヨ聖堂/マケドニア
北マケドニアとアルバニアにまたがるオフリド湖は、その古代湖の自然遺産としての価値だけでなく、周囲に残る遺跡や教会など、文化的遺産も評価され、複合遺産となっています。
聖ヨバン・カネ御聖堂は、13世紀に建造されたとされている聖堂。かなり古くから建つ聖堂で、1964年の修復作業の際にはドーム内にフレスコ画が発見されました。 オフリド湖を見下ろす丘の上に位置していて、ここからの眺めはオフリド湖を代表する風景。
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ビエルタンの要塞教会/ルーマニア
ルーマニア中央部にあるトランシルヴァニア地方には、ドイツから入植したザクセン人によって15〜17世紀に渡って防壁で囲まれた「要塞教会」という独特の建築物が作られました。
特にビエルタンの要塞教会は、14〜16世紀に要塞化されていったもので、三重の防壁を持つ堅固なもの。1つのドアノブで15の閂(かんぬき)を開けることができる扉などもあり、当時のザクセン人の技術が優れていたことを示しています。
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聖墳墓教会/エルサレム
エルサレム旧市街を囲む城壁の西に位置していて、イエス・キリストが磔刑となった「ゴルゴダの丘」があったとされる場所に築かれた教会堂。
4世紀にローマ皇帝のコンスタンティヌス1世によって特定され、教会が建造されます。その後、何度も再建・増築されていったもので、現在はカトリック、東方正教会、アルメニア使徒教会など、さまざまな教派によって共同管理。
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ボン・ジェズス・バシリカ(ボム・ジェズ教会)/インド
インドの西海岸に位置するゴア州は、かつてインドにおけるポルトガル領(1510〜1961年)の首府であった旧ゴアがあった場所。ここはポルトガルのアジア交易の拠点となり、街は要塞で囲まれ、キリスト教化が進んでいきました。
ボン・ジェズス・バシリカは、1549年に着工し、1605年に完成したバシリカ。ここにはフランシスコ・ザビエルの亡骸が聖遺物として保管されたことでも知られ、彼は中国で死去したのですが、その後、聖遺物はマレーシアのマラッカへ移動し、ゴアへと運ばれたもの。
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世界遺産マニアの結論と感想
あくまでもここでは有名な教会に絞って紹介しましたが、実は世界遺産に登録されている教会はまだまだたくさんあるのです。特にヨーロッパは大都会から地方の小さな村まで、教会は必ずあるので、意外な場所が世界遺産ということも。ぜひ世界遺産に登録されている教会を探してみてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。