登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (3), (4) |
登録年 | 2000年 |
ベルギーの南西部・モンス市のスピエンヌには、6000年以上前の新石器時代に採掘された、ヨーロッパ最大かつ最古の鉱山跡地が集中するエリア。ここでは坑道跡や火打石に使用される石英など発見され、遺跡の周辺には石器を製造していた集落跡なども見られます。
ここではモンス市スピエンヌの新石器時代の火打石採掘地がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スピエンヌの火打石採掘地について詳しくなること間違いなし!
モンス市スピエンヌの新石器時代の火打石採掘地とは?
エノー州の州都モンスの郊外にあるスピエンヌには、何百万もの火打石(燧石、フリント)の破片が続く台地があり、地下には新石器時代の人々によって形成された縦穴が残存。ここは1.72平方kmの面積を持つ採掘跡地で、ヨーロッパでも最古の鉱山であり、当時としては最大規模でもありました。この地で発掘された火打石は石英質で加工しやすく、石器などの磨製石器に使用するという目的があり、当時の採掘技術も見られます。
ここは新石器時代の紀元前5000年後半から紀元前3000年代前半までが中心地であり、なかには直径0.8m〜1.2mほどで、深さは最大で16mもの立穴まで見られます。そして、ここで採掘された火打石は、木を伐採するための石斧など、おもに刃の役割で使用されていました。周囲にはミヒェルスベルク文化期の村落跡も発展されていて、作業場からは石切職人の高度な技術を持っていたということも分かっています。
モンス市スピエンヌの新石器時代の火打石採掘地はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
スピエンヌの火打石採掘地が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
スピエンヌの新石器時代の鉱山跡は、初期人類の想像力と適応力を示す証拠であるという点。
登録基準(iii)
スピエンヌの火打石採掘地は、新石器時代の文化の到来を示し、これは人類の文化と技術的発展における指標であるということ。
登録基準(iv)
スピエンヌの火打石採掘地は、人類の技術や文化の発展における独自の段階を示す新石器時代の火打石採掘の傑出した例であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
モンス市に残るスピエンヌの採掘地は、おもに新石器時代の人々によって火打石の採掘が行われた跡で、その研磨技術を含め、これらは先史時代の人類の技術と文化の発展を示す証拠であるという点で評価されています。
ちなみに、先史時代ではあるものの、これは一応、産業遺産として登録されています。さらにエノー州には、もう一つ産業遺産があって、「ラ・ルヴィエールとル・ルーにあるサントル運河の4つのリフトとその周辺 (エノー州)」として世界遺産に登録。古来から産業が盛んなエリアだったんですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。