世界遺産というカテゴリーは、他にはない景観を持つから遺産に登録されるということもあり、ユニークで珍しい景観を持つ世界遺産がいくつか存在します。なかには自然のパワーとは思えない不思議な風景も!
ここでは、珍景の世界遺産を世界遺産マニアが厳選して分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
ジャイアンツ・コーズウェー/イギリス
北アイルランドのアントリム県北部の海岸には崖が多いのですが、その一部には世界的に有名なコーズウェー海岸があります。
コーズウェー海岸で最もユニークな地形といえば、ジャイアンツ・コーズウェー(巨人の道)。4万もの玄武岩の石柱が重なり合い、まるで海へ向けて道を作っているかのような形になっています。ここは約5000〜6000万年前の火山活動によって形成されたユニークな地形として評価されています。
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バイカル湖/ロシア
ロシア南東部にあるバイカル湖はシベリア連邦管区にあるブリヤート共和国とイルクーツク州、ザバイカリエ地方にまたぐ三日月型の湖。面積は3万2000kmとアジア最大の広さであり、深さは約1700mと世界で一番深い湖です。その誕生は約2500万年前に形成されたという、世界でも最も古い湖でもあります。
水生生物は固有種も多く、1500種以上も生息しているほど。ヨコエビ類の端脚類などが、適応放散によって固有種が多く存在することから「ロシアのガラパゴス」とも呼ばれます。
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梵浄山/中国
中国の南東部・貴州省銅仁市にある梵浄山(ぼんじょうさん)は、武陵山脈の主峰であり、周囲は主要河川の水源ともなっている場所。ここは6500万年〜200万年前の第三紀に起源を持つ動植物が多く生息しています。
これらは第三紀時代に誕生し、梵浄山モミなどの固有種を始め、貴州キンシコウやチュウゴクオオサンショウウオなど絶滅危惧種が見られるのが特徴。
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ナミブ砂漠/ナミビア
ナミブ砂漠は、ナミビア中西部に位置する「ナミプ=ナウクルフト国立公園」内にあり、大西洋の海岸沿いに広がる砂漠。登録エリアは3万平方km以上、バッファゾーンだけでも9000平方kmにも及びます。「ナミブ」とは、現地に住むサン族の言葉で「なにもない」という意味。
東のドラケンスバーグ山脈から流れ出る砂が風によって西へ運ばれ、それが海風にぶつかることで砂が溜まっていき砂漠が形成。鉄分が付着して酸化することで、真っ赤な砂漠となり、世界でも珍しい海岸砂漠となっています。
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モレーン湖/カナダ
カナダ西部のアルバータ州南部にあり、ブリティッシュ・コロンビア州との州境に近く、公園の総面積は6641平方km。1887年にカナダで最初に設立された国立公園でもあります。ここはカナディアン・ロッキーのゲートであるバンフの町を中心としていて、道路が網羅されているのが特徴。
モレーン湖はレイク・ルイーズ近郊の標高1884mにある氷河湖。ここは氷河の雪解け水によって形成され、土砂が湖を浮遊して光が屈折しているため、ターコイズブルーのように青く見えるという仕組み。
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ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区/マダガスカル
マダガスカル西部マジュンガ州に位置するツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区は、約1520平方kmもの広大な地域が登録されています。「ツィンギー」とは「先の尖った」というような意味で、ナイフのような100mほどの高さを持つ岩が森のように並ぶのが特徴。
ここには手つかずの森林や湖、沼地に、レムールと呼ばれるキツネザルの仲間アイアイ、ベローシファカなど、貴重な動物が多く生息しています。
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ウニアンガ湖群/チャド
チャドの北部はサハラ砂漠に属していて、特にウニアンガ湖があるエリアは、年間洪水量が2mm以下という乾燥地帯となっています。地形としては盆地であるものの、約1万年前には大きな湖が存在してたのですが、後に乾燥したため、地下には当時の水が蓄えられ、現在は18もの湖が形成されています。
これらはウニアンガ・ケビルとウニアンガ・スリの2つのグループに分かれていて、塩湖や超塩湖、淡水湖など、それぞれカラフルで美しい湖が続いています。
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ヴァレ・ド・メ自然保護区/セーシェル
プララン島はセーシェルでも2番目に大きな島。ここは花崗岩の島となっていて、島の中央部にあるヴァレ・ド・メ(5月の谷)があります。島は5月に購入されたことから、そのような名前が付けられました。
ここには世界最大の実をつける「フタコブヤシ」の木を保護する自然保護区があります。フタコブヤシは最初の花が咲くまで約25年間もかかり、それから長い年月をかけ、実は直径約55cm、重さ20kgまで成長するというもの。
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ディキスの石球のある先コロンブス期首長制集落群/コスタリカ
コスタリカ南部のディキス地方には、フィンカ6、バタンバル、エル・シレンシオ、グリハルバ-2といった4つの考古学遺跡があります。これらは先コロンブス期(500〜1500年)に含まれる遺跡で、人工の土塁や埋葬地などが見られ、この地に階層的な社会を持つ文明が存在していたと考えられるもの。
そして、地中には完璧な形の石球が埋められていて、これはどのように作られ、どんな役割があったのか…今でも謎のままです。
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ロス・グラシアレス国立公園/アルゼンチン
ロス・グラシアレス国立公園は、アルゼンチンのサンタ・クルス州南西部にあり、チリの国境の近くにあります。園内には氷河がいくつかありますが、最も有名な氷河は「ロス・グラシアレス国立公園」。ここは氷が約250平方kmも覆っており、湖面からの高さは60m。最も活発な氷河として知られ、一般的な氷河は一年でたったの数mしか動かないのに対して、年間でも600〜800mもの速度で移動することで知られます。
夏になると展望台から先端部が崩落する姿を見られ、観光客も多く訪れる氷河でもあります。
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世界遺産マニアの結論と感想
特に珍しい景観が続く不思議な世界遺産をピックアップしました。しかし、これ以外にも世界遺産には不思議な景観が眺められる遺産がたくさんあります!いろいろと探してみてくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。