ロマンティックで幻想的な世界観が広がるディズニー映画。さまざまな作品がありますが、実はその中には世界遺産として登録されている場所もたくさんあるんですよ。
ここでは世界遺産マニアが映画に登場したディズニー映画の元ネタやモチーフとなった世界遺産をご紹介。夢の世界へと誘いましょう!
『ピーター・パン』 ビッグ・ベン(ウェストミンスター宮殿)/イギリス
『ピーター・パン』といえば、空飛ぶピーター・パンがウェンディたちをネバーランドへ連れて行くというストーリーでおなじみ。その中に大きな時計台に立ち寄るシーンがありますが…このサイズの時計台はロンドンのウェストミンスター宮殿のビックベンがモチーフ。劇中の時計台は新古典様式のデザインでほぼビッグベンですね!
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『塔の上のラプンツェル』 モン・サン=ミシェル/フランス
「塔の上のラプンツェル』はグリム童話が原作で、実際にドイツのトレンデルブルクにラプンツェルが住んでいた塔のモチーフになったという建物がありますが、これはあくまでもホテル。
映画ではラプンツェルが生まれたコロナ王国のシルエットは小さな島の上に大きな塔などの建築物が並んでいて…これはまさしくフランスのモン・サン=ミッシェル。ラプンツェルの物語はドイツ生まれですが、劇中のラプンツェルはフランスの人だったのかもしれませんね。
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『シンデレラ』 ブレナム宮殿/イギリス
誰もが知る『シンデレラ』の話は説明するまでもないですが、実は古代ギリシャに遡るというほどに古い童話でもあります。有名なのは、ドイツのグリム童話によるシンデレラですが、2015年のディズニー映画『シンデレラ』でもロケ地として使用されたのは、イギリスのブレナム宮殿。
ブレナム宮殿は、首都ロンドンから北西約90kmの位置にあるウッドストックに造られた広大な宮殿で、ここは部屋が200以上もあるという、イギリスのバロック様式の傑作とされるもの。これは城ではありませんが、館内は豪華絢爛なので劇中では舞踏会のシーンなどが撮影されていました。
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『ノートルダムの鐘』 ノートルダム大聖堂(パリ)/フランス
舞台は15世紀のパリ。鐘衝き男として働くカジモドが住んでいたのが、パリの中心部にあるノートルダム大聖堂。物語はフィクションですが、舞台設定などはかなり忠実なのです。
大聖堂に置かれている、動くガーゴイル(石像)はカジモドの親友として登場しますが、これはゴシック様式の大聖堂でよくみられるデザインで、元々は雨が降った際に水落としとして利用されるものでしたが、ノートルダム大聖堂は19世紀に単純にデザインとして築かれたものです。
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『眠れる森の美女』 ユッセ城/フランス
これはグリム童話が原作で、物語としてはバリエーションは多く存在するのですが、姫が魔法によって眠らされ、王子のキスで目覚めるというのはあまり変化がないようです。17世紀のフランスの詩人シャルル・ペローは童話集を執筆した人物で、その中に『眠れる森の美女』も含まれていました。
彼はフランス中央部のロワール渓谷沿いにあるユッセ城で童話集をまとめたことから、ユッセ城が姫が眠り続けた城のモデルの一つとされています。
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『白雪姫』 アルカサル(セゴビア)/スペイン
マドリード郊外のセゴビアにあるアルカサルは、900年もの歴史を持ちますがその後、増築・改築され、現在のような美しい姿に。『白雪姫』はグリム童話ではありますが、ディズニー映画では白雪姫と敵対する女王であり、魔女が住んでいた城のモデルにされたのがこのアルカサル。断崖絶壁の崖の上に円錐型の塔が並ぶといった景観がモチーフになったのでしょう。
他にもドイツのノイシュヴァンシュタイン城などを合わせているという説もあり…言われてみれば、ノイシュヴァンシュタイン城にも似ているようにも見えたりします。
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『アラジン』 タージ・マハル/インド
アラジンは『千夜一夜物語(アラビアンナイト)』の一つのエピソードである「アラジンと魔法のランプ」が原作となっていて、映画で物語の舞台となるのは「アグラバー」という王国。そして、大きなドーム屋根を持つ宮殿があるという景観でした。
インドで有名な世界遺産であるタージ・マハルはアグラという街にあるのですが、「アグラバー」はこの町の名前が由来なようにも思えるし、王族が住む宮殿の外観はかなりタージ・マハルに近いですね。
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『アナと雪の女王』 ベルゲン/ノルウェー
アンデルセンの『雪の女王』をモチーフにした『アナと雪の女王』。作中では「アレンデール王国」と呼ばれる北欧っぽい雰囲気が溢れる国が舞台となっています。
実際にアレンデール王国の町並みはベルゲンがモチーフになったとされます。しかし、王国とのことでお城も出てきますが、ベルゲンに城はないのでモチーフにしたのはあくまでも庶民が暮らす町並み。アナが住むお城はおそらくは架空のものです。
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『ファインディング・ニモ』 オペラハウス/オーストラリア
『ファインディング・ニモ』は、主人公マーリンと友達であるナンヨウハギのドリーがマーリンの息子のニモを探しに行くというお話。彼らはオーストラリア近海?に住んでいるらしく、ニモを捜索する時に、世界遺産オペラハウスのあるポート・ジャクソン湾が背景が登場したりしてました。
実際にシドニー近海でカクレクマノミが生息しているかは不明ですが…。おそらくはグレート・バリア・リーフあたりに親子は住んでいると思われるので、これも世界遺産でもありますね。
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『ライオン・キング』 セレンゲティ国立公園/タンザニア
サバンナで繰り広げられるライオン同士の戦いが描かれたのが『ライオン・キング』。物語の舞台の「プライドランド」は実際に監督の一人であるロジャー・アレン氏はケニアのさまざまな風景をモデルにしたとのことですが、お隣のタンザニアでは、現地の人々が勝手に「プライドロックの舞台となった岩」と紹介したりするので、少し混乱している様子。
タンザニアにある「セレンゲティ国立公園」は、草食動物が水と食料を求めて大移動をするので、それを狙ってライオンなどの肉食動物がやってきます。確かにライオンがヌーなどの獲物を捕らえる場面も見られるので『ライオン・キング』らしい「サークル・オブ・ライフ」が感じられますね。
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『カールじいさんの空飛ぶ家』 アンヘルの滝(エンジェル・フォール)/ベネズエラ
主人公のカールが、妻のエリーとともに幼い頃に行きたいと願っていた「パラダイス・フォール」。おじいさんになって妻に先立てられてしまったことから、約束を果たすため、家に風船を結びつけて旅をするという、ちょっぴり夢のあるストーリーです。
劇中で登場するパラダイス・フォールは、ベネズエラにあるカナイマ国立公園内のアンヘルの滝(エンジェル・フォール)をモデルにしているそう。実際にテーブルマウンテンの上から大量の水が流れ落ちるシルエットはよーく似ていますね。
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番外編:『眠れる森の美女』 ノイシュヴァンシュタイン城/ドイツ
実際に世界遺産ではないのですが、世界遺産の暫定リストに記載されているノイシュヴァンシュタイン城は、アメリカのアナハイムにあるディズニーランドの城のモデルとして有名。
城主であったルートヴィヒ2世は幼い頃から中世騎士道に没頭していて、彼が即位した後、中世風のメルヘンなデザインの城を建設したことから、まさにここは「19世紀のディズニーランド」であったのでしょう。ただし、作者であるユッセはこの城をモチーフにしてはいない上に映画には登場しないので、あくまでもテーマパークのアトラクションの参考になったという程度。
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他にもディズニーの舞台になった場所はいっぱい!
あくまでもこれは一例でまだまだディズニー作品はたくさんあるので、ご紹介できないほどに、ディズニーのモチーフになった世界遺産はあるのですよ。意外と世界遺産を訪れたら「あ、ここディズニー映画で見たことあるかも!?」と思うこともあるかもですね。
ちなみに、今回改めて画像を調べてみたら『眠れる森の美女』の城は見比べてみると、アニメ映画版とアナハイムのディズニーランド版では結構違うということが判明!
しかし、最近のディズニー作品のオープニングロゴに登場するお城はアナハイムの眠れる美女の城とフロリダのマジックキングダムのシンデレラ城をミックスしたものらしく…あの完璧なフォルムは、ある意味ヨーロッパのお城の総決算なのかもしれませんね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。