アルジェリアは地中海沿岸にあり、アフリカ大陸最大の面積を持つ国家。しかし、8割以上はサハラ砂漠で、オアシス都市も点在しています。北部は古代ローマ帝国時代の都市遺跡が多く、それらは世界遺産に登録されていますが、合計でいくつあるでしょうか?
ここでは、アルジェリアを世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
ベニ・ハンマードの城塞
ベニ・ハンマードは、アルジェリア北部の山岳地帯にあるムシラの街から北東へ約36kmに位置する遺跡です。ここは標高1000mの位置にあり、ベルベル系のイスラム王朝であるハンマード朝の開祖ハンマード・イブン=ブルッギーンによって1007年に建造。
しかし、11世紀後半にヒラール族によって破壊。現在は遺跡となっていて、宮殿とモスクの遺構が残っています。特にモスクのミナレットは高さは25mもあり、これはアルジェリア最古のもので、後にモロッコやスペインのミナレットのモデルにもなりました。
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ムザブの谷
ムザブは首都アルジェから南へ600kmに位置するエリア。ここはサハラ砂漠の中でも標高300〜800mの高地にあり、岩だらけの高原が広がっています。そして、その合間には谷(ワジ)があり、そこにはクサールと呼ばれる要塞化したオアシス村が点在。
ここは半砂漠地帯にある高原という環境の適応しつつ、カラフルでシンプルな建築の家々が並び、ユニークな都市計画が見られます。
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ジェミラ
ジェミラは、アルジェリア北東の大都市セティフから、さらに北東へ約50kmの位置にあるローマ時代の遺跡。ここはかつてクイクルムと呼ばれ、紀元1世紀にヌミディア地方に築かれた植民都市です。
クイクルムは城砦から発展したローマの植民都市でしたが、6世紀以降は放棄されたため、南北を貫くカルドには神殿や凱旋門など保存状態の良い建築物が残っています。
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ティパサ
ティパサは、首都アルジェから西へ約70kmの位置にある遺跡群で、2つの考古学公園と死者記念塔で構成されている遺産。ここは紀元前6世紀に地中海に多くの植民都市を築いたフェニキア人によって造られた都市ではありますが、先住民の墳墓なども残っています。
都市は3〜4世紀にはキリスト教徒たちの居住地となり、バジリカはアフリカでも最大規模だったとされています。
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ティムガッド
首都アルジェから南東へ約480km、オーレス山の北側に広がる高原に位置するのがティムガッド。「アフリカのポンペイ」と呼ばれるほどに保存状態がよく、碁盤目状の区画に、東西南北に貫く基幹道路という典型的なローマの都市計画によって造られた都市でした。
2世紀に建造された「トラヤヌスの凱旋門」は高さ13mで、ティムガッドのシンボル的存在。
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タッシリ・ナジェール
アルジェリア南東部のリビア、ニジェール、マリの国境をまたぐエリアで、敷地としては72万平方kmもの広さを誇ります。こちらには、先史時代の埋葬塚など、多くの考古学遺跡が残存。最も有名なのは動物や人間などを描いた岩絵で、なんと1万5000以上も残っています。
岩絵は紀元前6000年前からこの地の気候や動物の変化、人間の生活の発展などを記録してきました。まるで森のように岩山が広がり、美しい絶景が眺めることができます。
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アルジェのカスバ
アルジェがある場所は紀元前15世紀頃にフェニキア人が街を設立したとされるほどに歴史が深いものの、現在のアルジェの起源は10世紀にベルベル人の王朝・ズィール朝によって築かれたもの。
16世紀に当時ここを支配していたオスマン朝が街の北側の丘に城塞(カスバ)を建造され、それから旧市街が形成されたことから、旧市街全体を「カスパ」と呼ぶようになりました。
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世界遺産マニアの結論と感想
アルジェリアは文化遺産が6件、複合遺産は1件と合計で7件の世界遺産があります。ほとんどが地中海岸にある遺跡が登録されていますが、タッシリ・ナジェールなど、先史時代の遺跡も含まれていたりと種類も豊富。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。