シチリア島はイタリア半島の南に位置する、地中海最大の島。ここは豊かな土地であることから、古代からさまざまな民族が奪い合った地でもありました。そして、ヨーロッパ最大の活火山であるエトナ火山などもあり、火山学や地質学にも多く貢献。古代遺跡から優雅な建造物まで、さまざまな遺産がありますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、シチリアの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
パレルモのアラブ=ノルマン様式建造物群およびチェファル大聖堂、モンレアーレ大聖堂
シチリア自治州の州都であるパレルモは、歴史は古いものの、ギリシャ人、ローマ人、アラブ人、ノルマン人…とさまざまな民族によって支配された街。その中でも、ノルマン朝シチリア王国時代に建造された9つの建造物が世界遺産に登録されています。
代表的なモントアーレ大聖堂を含めて、これらは西ヨーロッパとイスラム、ビザンツ帝国の文化が合わさるという「シンクレティズム」を示すシチリアらしい建造物。
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シラクサとパンターリカの岩壁墓地遺跡
シチリア島の南東部には、丘の上に築かれたネクロポリスであるパンターリカと、海岸にある古代ギリシャの都市シラクサがあり、これらの2つのエリアは3000年に渡って繁栄した地中海文化の歴史を示すもの。
海岸に位置するシラクサは、現代でもギリシャ時代の神殿や劇場、古代ローマ時代の円形劇場が残り、かつてギリシャの政治家キケロが「あらゆるギリシャ都市の中でも最も美しい」と称えたほどの都市でした。
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エトナ山
エトナ山はシチリア島の東海岸に位置する標高3326mの活火山。ここはアルプス山脈以外においてはイタリアの最高峰であり、地中海の島の中でも最高峰でもあります。
山は頻繁に噴火を繰り返し、約2700年前にも噴火の記録があることから長年に渡って火山学、地球物理学、地球科学においても影響を与え続けています。
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アグリジェントの遺跡地域
シチリア島南西部のアグリジェント県に位置する神殿の谷。ここは「谷」と呼ばれますが、ドーリア式の神殿だけではなく、ネクロポリスも残る広大な遺跡です。かつて「アクラガス」と呼ばれた、ギリシャの植民都市でもありました。
なかでもドーリア式のコンコルディア神殿はキリスト教の聖堂に利用されたりと、初期キリスト教の埋葬施設も残っているのも特徴です。
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ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ
シチリア島中央部にあるエンナ県は丘陵地帯となっていて、ここはローマ帝国時代は貴族による農園(ラティフンディア)があったとされています。この地には貴族たちによってヴィッラ(別荘)が多く建造され、ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレはその中でも保存状態が良いもの。
40以上の部屋と床には豪華なモザイク装飾が置かれ、特に馬車や猛獣狩り、ビキニの姿の女性まで世俗的なものをモチーフにしたモザイクがユニーク。
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エオリア諸島
シチリア島北部とティレニア海に位置するエオリア諸島は、7つの主要な火山島で構成される島々。ここは260万年間の火山活動により7つの島が形成され、現在でも火山活動が繰り返し発生しています。よって、火山島の形成から活動まで、格好の研究対象となっているのが特徴。
ここは「ブルカノ式噴火」や「ストロンボリ式噴火」といった火山噴火様式のルーツとなった島があり、200年以上に渡って火山の研究対象となっているという点で評価。
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ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々(シチリア島南東部)
ヴァル・ディ・ノートとは、シチリアの古い行政区分のヴァッロの一つを示すもので、ここには多くの街がありますが、1693年の大地震によって多くの建物が崩壊します。それから数十年に渡って再建され、後期バロック様式で統一された町並みが作られました。
特にノートの旧市街は美しく、石灰岩で建造されたに「ノート大聖堂(サン・ニコロ大聖堂)」はシチリアのバロック建築でも最大傑作でもあります。
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世界遺産マニアの結論と感想
イタリアの世界遺産は数多いことで有名ですが、シチリアの世界遺産だけでも6件もあります。古代遺跡や美しい大聖堂は、多くの民族がこの地を訪れたことを示し、火山の研究に大きく貢献した遺産まで、幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。