フランスの絶景というと、やはり湾に浮かぶ修道院・モン=サン=ミシェルのイメージがありますね。フランスの遺産は美しくはあるのですが、その中でも「絶景」が満喫できる遺産はどんなものでしょうか?
ここでは、絶景が楽しめるフランスの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
モン=サン=ミシェルとその湾
フランス北西部マンシュ県の南部にあるサン・マロ湾は、潮の満ち引きが激しい湾。広大な砂州の中にある岩山にそびえるのが、モン=サン=ミシェルの修道院です。11〜16世紀の間に自然環境に対応しながら、少しずつ拡大していった修道院は「聖なる山」として巡礼者が多く訪れる聖地。
修道院はノルマン様式、ロマネスク様式、ゴシック様式など、各時代のさまざまな建築様式が見られるのも特徴です。
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歴史的城塞都市カルカソンヌ
カルカソンヌ市は、フランス南西部のオード県の県庁所在地。一般的に「カルカソンヌ」といえば、現在の都市全体を指し、南東部に広がる城塞都市は「カルカソンヌ=シテ」と呼ばれています。
ここは古代ローマ時代から城壁が建造され、13世紀には現在の町並みになったものの、17世紀にピレネー条約が結ばれて以降は重要度が下がりました。19世紀〜20世紀前半には大幅に改築され、美しい景観から現在では国内でも有数の観光地に。
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シャンボール城
ロワール渓谷沿いでも最も広大な城で、この遺産の代表的な城でもあります。ヴァロワ朝のフランソワ1世によって1519年から建築が始められたものですが、彼の治世の間はほぼ滞在することはありませんでした。もともとは狩猟小屋として建造されたものですが、中央の本丸を囲むように4つの塔で構成され、部屋は440もあり、階段は74ヶ所もあるという広大な城に改築されたのです。
ここは防衛施設が作られず、装飾だけにこだわって建造されたことから、フランス・ルネサンス様式の最高傑作となりました。
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シュノンソー城
ロワール川の南に流れる支流にあるシェール川にかつてあった製粉所の跡地に建造された城。11世紀には既に邸宅があったとされますが、王族に献上されたのが16世紀。その後、歴代の王の愛妾が住むこともありましたが、最終的にはチョコレート業者のムニエ一族がここを所有。
城内には、フランソワ1世の寝室やルイ14世の居室など、歴代の王が滞在した時に使用した部屋もあり、ディアーヌの庭やカトリーヌの庭など、王にまつわる女性たちの名が付いた庭園なども見られます。
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ポルト湾:ピアナのカランケ、ジロラータ湾、スカンドーラ自然保護区
フランス本土から離れた位置にあるコルシカ島は、フランスの文豪モーパッサンが「海からそびえる山」と称したほどに標高の高い山々が点在する島。コルシカ島の西部にあるポルト湾は、断崖に囲まれた広大なエリアで自然保護区となっています。
周囲は固有種であるマギーで囲まれ、生物が多く生息する豊かな海域にはそれを狙ったさまざまな鳥類が訪れることで有名です。
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ポン・デュ・ガール(ローマ水道橋)
フランス南部・ガール県のガール川にかかる橋で、古代ローマ時代に建造されたもの。ここはユゼスという水源地からネマウスス(現在のニーム)へと水を運ぶために築かれた約50kmもの長さがある水路の一部で、世界遺産として登録されているのは、約275mの水道橋部分。ここは1世紀に古代ローマの政治家であったアグリッパが建造を命令して築かれたもの。
橋は3層のアーチで構成された優美なデザインで、ローマの建築家によって築かれた高度な建築技術が今も見られます。
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アヴィニョン歴史地区:教皇庁、大司教座総体およびアヴィニョン橋
フランスの南東部に位置するアヴィニョンは、ヴォクリューズ県の県庁所在地。歴史地区はローヌ川の右岸に広がっていて、ここは世界史でもおなじみ「アヴィニョン捕囚(1309〜1377年)」時代に教皇庁が置かれた場所で、カトリック世界の中心でもあった場所。
歴史地区には、教皇宮殿、プチ・パレ、ノートルダム・デ・ドン大聖堂、12世紀にかけられたサン・ベネゼ橋など、14世紀当時のヨーロッパの中心地であった名残が見られます。
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月の港ボルドー
フランス南西部にあるジロンド県の県庁所在であるボルドーは、「ボルドーワイン」の出荷港として有名な都市。南北を貫くガロンヌ川は中心部で三日月型に歪曲し、その部分が港として発展したことから「月の港」と呼ばれます。
12世紀から交易都市として発展すると、18世紀に新古典主義の都市計画によって現在の町並みが形成。美しい宮殿が並ぶブルム広場はボルドーを代表する風景となっています。
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ピュイ山地とリマーニュ断層の地殻変動地域
フランス中央部のピュイ=ド=ドーム県にあるリマーニュ断層の地殻変動地域は、約3500万年前にアルプス山脈が形成された際の余波によって作られた西ヨーロッパを代表する地溝帯が見られます。
ここはリマーニュ断層、ピュイ・ドゥ・ドームなどのピュイ火山群、セール山の逆転地形(新旧地層が逆転している地形)の3つで構成されています。
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フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」とは、スペイン北西部にある中世キリスト教三大巡礼地のひとつ。サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かうには巡礼者はフランスを経由して訪れる必要があり、4つの巡礼道が利用されてきました。
北から「トゥールの道」「リモージュの道」「ル・ピュイの道」「トゥールーズの道」と、その周辺にある大聖堂や教会、橋などが世界遺産に登録。
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世界遺産マニアの結論と感想
フランスの世界遺産はどれも貴重な遺産ばかりですが、その中でも世界でも滅多に見られない絶景をピックアップ。しかし、これはほんの一部…。まだまだ絶景は続くので、ぜひ自分のお気に入りの遺産を探してみてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。