北米大陸と南米大陸の境界に位置するパナマ共和国。なんといっても1901年に開通したパナマ運河があることで有名で、その通行料により中米でも屈指の経済大国でもあります。16世紀にはスペインが植民都市を築き、その遺跡だけでなく、自然保護区も多く存在しますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、パナマの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
パナマのカリブ海側の要塞群:ポルトベロとサン・ロレンソ
パナマ運河のカリブ海側に位置するポルトベロとサンロレンツォはコロン州の港町。この2つの港町にある要塞跡が世界遺産に登録されています。これらにはヨーロッパの建築が取り入れられ、それが中米の建築様式に変化をもたらしました。
船が運河を安全に横断するため、スペインによってカリブ海沿岸に築かれたものであり、17〜18世紀の軍事建築の傑作として評価されています。
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ダリエン国立公園
パナマの東端のダリエン県は、コロンビアの国境と接するダリエン地峡と呼ばれるエリア。世界遺産としては、太平洋の一部とコロンビアの国境沿いまで、5790平方kmと広大な敷地が登録されています。ここは中央アメリカの太平洋側で最も広大な熱帯雨林が広がっていて、他にも砂浜、岩の海岸、マングローブ、湿地体、ヤシの森など、さまざまな地形が点在。
公園では1000種以上のラン科の花々が確認され、カピバラなど貴重な哺乳類も多く生息しています。
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タラマンカ山脈=ラ・アミスター保護区群とラ・アミスター国立公園(コスタリカと共同)
コスタリカとパナマの国境沿いに広がるタラマンカ山脈。ここは標高3820mの氷河で覆われたチリポ山を中心に標高3000mを越える山々が並び、中央アメリカでも最も標高が高い場所でもあります。
1983年にはラ・アミスター(タラマンカ)国立公園を含めたコスタリカ側のラ・アミスター保護区群が登録され、1990年にパナマ側の公園も登録されました。
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パナマ・ビエホとパナマ歴史地区
現在のパナマ・シティから東へ約7kmの位置にある考古学遺跡は、パナマ・ビエホ(古いパナマ)と呼ばれる街の起源でもある場所。ここは南米大陸とスペインを結ぶ航路を繋ぐ地であり、1519年に設立された太平洋岸におけるスペインの最初の植民都市でした。
しかし、1671年にイギリスの海賊ヘンリー・モーガンによって破壊され、現在は廃墟となりました。その後、建造された現在の歴史地区には大聖堂や修道院、邸宅が今でも残っています。
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コイバ国立公園とその海洋特別保護地域
パナマ南西部に位置するチリキ湾には、コイバ島と38もの島々が広がるという合計で約4500平方kmにもなる海洋公園があります。ここは熱帯東太平洋地域にあり、海域はクジラやサメ、ウミガメ、多種多様な海洋生物による貴重な生息地でもあるのが特徴。
ここはエルニーニョ現象の影響を受けないという湾内にあるため、固有種の動植物が多く生息します。そして、ヒメオウギワシなどの希少種やコイバホエザルなどの固有種が生息し、絶滅危惧種も見られるのが特徴。
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世界遺産マニアの結論と感想
パナマ単独の世界遺産としては4件で、コスタリカと共同の「タラマンカ山脈=ラ・アミスター保護区群とラ・アミスター国立公園」を含めると合計で5件も登録。パナマはスペインの支配時から戦略的に重要な地で、かつての都市遺跡や要塞跡などが登録されています。さらに、国土の4分の1は自然保護区であるだけに自然も豊か。ぜひディープに楽しんでくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。