世界遺産といえば、もちろん存在そのものの価値が高いという点で評価されていて、どの遺産も美しくはあるのですが、その中でも「絶景」が満喫できる遺産はどんなものでしょうか?
ここでは、地球の隅々まで巡った世界遺産マニアが絶景が満喫できる世界遺産を一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう!
目次
九寨溝の渓谷の景観と歴史地域/中国
中国の絶景といえば九寨溝!ここは中国南部のアバ・チベット族チャン族自治州にある自然保護区。「九寨溝」とはチベット族の村落を意味する「寨」が9つあることから名付けられたもの。
標高4000〜4500mの岷山山脈のカルスト台地が地殻変動や氷河などの侵食で削られ、上流から流れ出る川によって谷は棚田状に湖が広がるようになりました。湖沼の水は、石灰岩からの湧き水で、太陽の光を浴びるとエメラルドやオレンジなどに反射するという構造。
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武陵源の景観と歴史地域/中国
中国の中南部にある武陵源は、3000以上の岩の柱が森のように立ち並ぶ絶景が続くエリア。武陵源とは、中国の湖南省に広がる森林公園や自然保護区などの総称でもあります。
世界遺産としては、264平方kmもの広大な敷地に珪岩の柱が点在し、高さは100〜400mほどあり、これらは地殻変動によって形成されたもの。映画『アバター』にちなんだ岩などがあることでも知られます。
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ハロン湾=カットバー群島/ベトナム
ベトナムの絶景スポットといえばハロン湾。ベトナム北東部のクアンニン省のハロン市の南側に広がる海がハロン湾です。登録されているエリアは約1500平方kmと広大。ここには1600以上の島々が点在しており、ほとんどが無人島。
ハロンとは「空飛ぶ龍が降り立った場所」という意味で、石灰岩が風化して形成された、奇妙な形の島々が並ぶという風景はベトナムが誇る景勝地です。2023年にはハロン湾の西に浮かぶ、大小367の島々で構成されるカットバー群島も追加で登録。
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アンコール・ワット(アンコール遺跡)/カンボジア
カンボジア北西部のシェムリアップ州の州都シェムリアップ。この町の郊外には、東南アジアで最も有名な遺跡の一つであるアンコール遺跡があります。アンコールとは「街」という意味で、ここには9〜15世紀まで栄えたクメール王朝の王都が存在しました。
アンコール・ワットは、12世紀前半にスーリヤヴァルマン2世に建造された、アンコール遺跡最大の寺院。ここは幅190mの堀に囲まれ、面積は2平方kmの広大な寺院になっています。寺院の構造は、三重の回廊に囲まれた5つの祠堂が並ぶ配置。これはヒンドゥー教における宇宙観を示すもの。
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シーギリヤロック(古都シーギリヤ)/スリランカ
森に突如として現れる「シーギリヤロック」は高さ約180mの花崗岩の上にある、5世紀末にシンハラ王国のカッサパ1世によって建造された天空都市。シーギリヤはスリランカの中部州のマータレーから北へ約65kmの位置にあります。
岩山の西側に描かれた「シーギリヤ・レディ」はスリランカ美術を代表する作品。華やかな衣装を着た天女を野菜や花、木などを使った染料を使って描いたフレスコ画で、王宮に住んでいた女性たちをモデルにしたとされています。
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サマルカンド‐文化交差路/ウズベキスタン
青いタイルを使った美しい建造物が並ぶ、サマルカンドは、ウズベキスタンの中央部、ゼラフシャン川の渓谷にあるオアシス都市。ここは2000年以上の歴史を持ち、シルクロードで栄えた、文明の交差地であった場所でもあります。
現在の建造物は広大な帝国を築いたティムール(1336〜1405年)やその子孫たちによって14〜15世紀に築かれたもの。ティムールが青色を好んだことから「サマルカンド・ブルー」とも呼ばれています。
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ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群/トルコ
キノコ型の岩が多く並ぶ不思議な景色が見られる場所といえば、カッパドキア!一般的にカッパドキアとは、アナトリア高原の中央、ネヴシェヒル県の一帯を指します。
ここは300万年前に近隣のエルジエス山(標高3916m)が大噴火したことにより、一帯が凝灰岩や玄武岩の層となって、風雨によって一部の凝灰岩が削られると、キノコ型の岩などの奇岩地帯が形成されました。ギョレメ渓谷に残る岩窟教会や、カイマクルとデリンクユに地下に広がる都市構造など、秘境らしい景観が楽しめます。
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モン=サン=ミシェルとその湾/フランス
世界遺産といえば、やっぱりここ!フランス北西部マンシュ県の南部にあるサン・マロ湾。広大な砂州の中にある岩山にそびえるのが、モン=サン=ミシェルの修道院です。11〜16世紀の間に自然環境に対応しながら、少しずつ拡大していった修道院は「聖なる山」として巡礼者が多く訪れる聖地。
修道院はノルマン様式、ロマネスク様式、ゴシック様式など、各時代のさまざまな建築様式が見られるのも特徴です。
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プリトヴィツェ湖群国立公園/クロアチア
エメラルドのように美しく輝く16の湖と92の滝も点在するのがプリトヴィツェ。ここはクロアチア中央部にあるディナリデス山脈の低地に位置するプリトヴィツェ台地にあります。
ここは上湖と下湖で景観が大きく変化。上湖は森林の中にあり、ドロマイト(白雲岩)の上に形成されていて、段々畑のように滝で繋がっています。そして、峡谷にある下湖は低い草木が生い茂る石灰岩の岩盤の上に水が流れるようになっていて、滝は広くて浅いというのが特徴。
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メテオラ/ギリシャ
まさに空に浮かんでいるかのような奇岩や修道院が点在するのがメテオラ。ここはギリシャ北西部のテッサリア地方にあり、標高2000mを越える山々が並ぶピンドス山脈から流れるピニオス川によって、石灰岩が削られ、固い堆積岩だけが残り、まるで柱のような奇岩がいくつも続くという独特の景観が見られます。
現在残る建造物は11世紀以降にギリシャ正教の修道士によって造られ、かつては24もの修道院があったとされます。修道院内にある16世紀のクレタ様式のフレスコ画などは、ビザンツ帝国崩壊後の芸術の発展が見られるものとして価値が高いもの。
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ヴァトナヨークトル氷河(ヴァトナヨークトル国立公園)/アイスランド
ヨーロッパ最大規模の体積を誇る氷河といえばここ!ヴァトナヨークトル国立公園はアイスランド南東部にある国立公園で、140万ヘクタールの広大なエリアが登録されています。
地下に存在するマグマとリソスフェア(岩石圏)が雪氷圏や水圏、大気と相互に作用していて、この地では世界でも他に見られない地質学的なプロセスが見られ、 「火と氷が絶えず変化する」という独特の構造が存在します。
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ギザの三大ピラミッド/エジプト
世界最大の大きさを誇るピラミッドといえば、クフ王のピラミッド!少なくとも4000年以上も前から存在するという古代文明の足跡が感じ取られる場所。
エジプトの首都・カイロ郊外にあるギザの三大ピラミッドは「メンフィスとその墓地遺跡-ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」の構成資産の一つ。第4王朝のファラオであるクフ王、カフラー王、メンカウラー王の3つのピラミッドが並ぶことから、三大ピラミッドと呼ばれます。
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ヴィクトリアの滝/ジンバブエ・ザンビア
最大落差108mの大瀑布は世界最大規模!ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ)は、ザンビアとジンバブエの国境をまたぐ、幅2km以上のザンベジ川から流れ出る大滝。
滝が形成されたのは約250万年前。ザベンジ川が土地の隆起によって流れを変えたことによって、玄武岩の大地が削れ、水の重みに耐えることができなくなり、このような地形が生まれたとされます。
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ナミブ砂漠/ナミビア
見渡す限り赤い砂漠のナミブ砂漠はまるで異世界のような景観!「ナミブ」とは、現地に住むサン族の言葉で「なにもない」という意味です。
ナミブ砂漠は、ナミビア中西部に位置する「ナミプ=ナウクルフト国立公園」内にあり、大西洋の海岸沿いに広がる砂漠。登録エリアは3万平方km以上、バッファゾーンだけでも9000平方kmにも及びます。
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ロックアイランド群と南ラグーン/パラオ
島は木々で囲まれていてまるで傘のような景観が広がるロックアイランド!パラオの南西部、コロール州に点在する445の島々が「ロックアイランド群と南ラグーン」として世界遺産に登録されています。
ここは島の間をミルキーウェイと呼ばれる乳白色の海が連なるという景観で知られ、ゴールデンジェリーフィッシュの住処である「ジュリーフィッシュレイク」があることでも有名ですね。
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ミルフォード・サウンド(テ・ワヒポウナム)/ニュージーランド
フィヨルドの断崖から流れ出る数千の滝が広がる風景は、多くの人を魅了!ニュージーランド南島の南西部にあるフィヨルドランド国立公園。その中でも代表する景観を持つフィヨルドがミルフォード・サウンド。
標高1200m以上の断崖に囲まれたサウンド(入り江)で、雨が降ると断崖から流れ落ちる数千の滝が見られることで有名。ここは1年の3分の2は雨が降ることでも知られます。
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イエローストーン国立公園/アメリカ
地球の間欠泉の半分以上が集まるというイエローストーン国立公園!ここはアメリカ北西部のアイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州にまたがる広大な国立公園です。
この地域は何度も大規模の噴火が発生しており、60万年前の最後の噴火時に地形がドーム状になりました。その後、カルデラが形成され、地表の割れ目から雨水が入り込むと、その水をマグマが熱することで間欠泉から熱湯が出てくるようになったのです。
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バンフ国立公園(カナディアン・ロッキー山脈自然公園)/カナダ
カナダ南部南西部にあるアルバータ州南部の国立公園。ここはカナディアン・ロッキーのゲートであるバンフを中心としていて、公園の総面積は6641平方kmと広大!
標高1884mには氷河湖・モレーン湖があることで有名で、ここは「カナディアン・ロッキーの宝石」と称されるほど。ヨーロッパの城に似ていることから名付けられた、標高2766mのキャッスル・マウンテンなど、美しい風景が広がっています。
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マチュ・ピチュの歴史保護区/ペルー
山々に囲まれた謎の遺跡という絶景といえばコレ!ペルーの東側、アンデス山脈とアマゾン盆地の間に位置するマチュ・ピチュの都市遺跡。マチュ・ピチュとは、ケチュア語で「年老いた峰」を意味していて、隣のワイナ・ピチュ(若い峰)の間に築かれた都市遺跡一帯を、一般的に「マチュ・ピチュ」と呼びます。
なぜ建設されたかは今でもはっきりしないのですが、敷地内に残る巨大な神殿や灌漑施設などは、インカ帝国の技術力の高さが伺えるもの。
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ペリト・モレノ氷河(ロス・グラシアレス国立公園)/アルゼンチン
パタゴニアは、アンデス山脈南部に位置する広大なエリアで、西側はチリ、東側はアルゼンチンで構成されています。ペリト・モレノ氷河はロス・グラシアレス国立公園でも最も有名な氷河。氷が約250平方kmも覆っており、湖面からの高さは60m。
世界で最も活発な氷河として知られ、一般的な氷河は一年でたったの数mしか動かないのに対して、年間でも600〜800mもの速度で移動することで有名。夏になると展望台から先端部が崩落する姿を見ることができ、観光客も多く訪れます。
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世界遺産マニアの結論と感想
世界遺産は1200件近くありますが、どれも貴重な遺産ばかりですが、その中でも世界でも滅多に見られない絶景をピックアップしました。しかし、これはほんの一部…。まだまだ絶景は続くので、ぜひ自分のお気に入りの遺産を探してみてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。