スペインの絶景というと、バルセロナのようなアートな町並みのイメージがありますね。スペインの遺産は美しくはあるのですが、その中でも「絶景」が満喫できる遺産はどんなものでしょうか?
ここでは、絶景が楽しめるスペインの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
アルカサル(セゴビア)
旧市街の西北に位置する城。ケルト人が住み始めたころは丘の上に要塞が立っていましたが、ローマ帝国によって破壊。その後、イスラム教徒によって土台が築かれたとされますが、11〜12世紀にカスティーリャ王国がこの地を支配するようになると、アルフォンソ6世によって城が建造されています。
その時代のアルカサルは木造の砦でしかありませんでしたが、12〜13世紀のアルフォンソ8世の時代になると王宮として利用されるように。その後、増築が進み、15世紀にはイサベル1世がここで即位するほどに重要な地となりました。何度か改修され、現在の姿になったのは、19世紀頃。ディズニー映画の『白雪姫』に登場する城のモチーフとなったということで有名です。
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古都トレド
トレドは、カスティーリャ=ラ・マンチャ州の州都。先史時代から人は住んでいたものの、伝説ではノアの末裔によって建造されたというほどに古い街。
6世紀に西ゴート王国の首都となると、イスラム教勢力やカルティーリャ王国などに支配され、イスラム教やユダヤ教、キリスト教の文化が混じることで独特の建築物が多く作られ、旧市街は「町全体が博物館」とされるほど。
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歴史的城塞都市クエンカ
スペイン東部のカスティーリャ=ラ・マンチャ州にあるクエンカは、9世紀にイスラム教徒によって、フカール川沿いの石灰岩の岩山の上に築かれた要塞が起源。
その後スペインに奪還されるとスペイン初のゴシック様式の大聖堂や崖から吊されているように見える不思議な構造の「宙吊りの家」などが築かれていき、地形を利用した景観が特徴でもあります。
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マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地
マドリッドの郊外に位置するエル・エスコリアルの修道院は、グアダラーマ山脈の麓に位置する宮殿、神学校、図書館などがある複合施設。スペイン最盛期の王であったフェリペ2世が、1563〜1584年にかけて王宮と修道院を兼ねて建造しました。
デザインとしては、キリスト教の聖人である聖ラウレンティウスが鉄格子で火炙りにされたことから、鉄格子型の平面を使用した設計に。
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ラス・メドゥラス
ラス・メドゥラスは、スペイン北西部カスティーリャ・イ・レオン州のポンフェラーダの近郊に広がる鉱山跡。ここは古くから金鉱脈があることで知られていて、1世紀にローマ帝国がこの地を支配するようになると、水路を築き、大量に水を流して山を削り、流れ出た土砂から砂金を採っていました。
3世紀になると金が枯渇し、そのまま放置され、現在は削り取られた赤い岩山だけが残る風景が広がっています。
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イビサ、生物多様性と文化
イビサ島は、地中海西部のバレアレス諸島に属する島で、面積571.6平方kmという小さな島ではありますが、ここはフェニキア人が紀元前7世紀に港を設立し、海上交易の拠点として繁栄。
島には「プッチ・フダス・ムリンス(風車の丘)」と呼ばれる墓地や、旧市街である「ダルト・ビラ(上の町)」はアラブ時代の町並みや城壁が残ります。近海にはポシドニア・オセアニカと呼ばれる海藻が自生し、モンクアザラシを含め地中海でも豊かな生態系が見られるのが特徴。
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アンテケーラのドルメン遺跡
アンダルシア州マラガ県にあるアンテケーラは先史時代から人が住んでいて、ここにはまぐさ屋根(出入口の上部を横材で支える構造の屋根)の「メンガとビエラの支石墓」と、ドーム型の天井の円蓋墓の「エル・ロメラルのトロス」といった3つの巨石遺跡が残っています。
これらの巨石遺跡は周辺の自然と親密な相互作用が見られ、エル・トルカルは、10億5000年前のジュラ紀に形成され石灰岩の地形が、第三紀(6430万年〜260万年前)に当時海底だったこの地が標高1300m以上まで持ち上げられると、石灰岩の山々が形成。やがて雨水によって侵食し、まるで石柱のような奇妙な景観が見られるようになりました。
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アビラ旧市街と市壁外の教会
カスティーリャ・イ・レオン州のアビラ県の県都であるアビラは、ローマ帝国時代に起源を持つ街。8世紀にイスラム勢力に支配され、11世紀にカスティーリャ=レオン王アルフォンソ6世によって奪還されると、街を要塞化するために城壁を建造しました。
ここは堅固な城壁と聖テレサという聖人の出身地であることから「城壁と聖人の町」として有名。現在でも城壁には87もの塔も残り、完成度の高いゴシック様式の大聖堂など、中世の雰囲気をそのまま残しています。
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ドニャーナ国立公園
ドニャーナ国立公園はスペイン南部を流れるグアダルキビール川の河口に位置する国立公園。ここは3つの県にまたがる500平方km以上の面積を持つ広大な公園で、サンゴ礁や湿地帯、森林、移動砂丘などさまざまな地形が見られ、スペイン最大の自然保護区でもあります。
毎年50万もの水鳥が越冬し、絶滅危惧種のスペインオオヤマネコやイベリアカタシロワシも生息していることで知られます。
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ガラホナイ国立公園
スペイン本土があるイベリア半島から南西に約1000kmの距離にあるカナリア諸島。その中の1つであるゴメラ島は火山島となっていて温柔な海風を受けるため、島の頭頂部であるガラホナイ山(標高1487m)の周辺は霧が発生し、豊かな照葉樹林(落葉する時期がない森林)が広がっています。
ここには500万〜170万年前と同じ種類の月桂樹林など南ヨーロッパからは消えてしまった固有種などが多く生息しています。
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世界遺産マニアの結論と感想
スペインの世界遺産はどれも貴重な遺産ばかりですが、その中でも世界でも滅多に見られない絶景をピックアップ。しかし、これはほんの一部…。まだまだ絶景は続くので、ぜひ自分のお気に入りの遺産を探してみてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。