チュニジアはアフリカ北部にあり、地中海岸に面した国家。ここはかつてローマ帝国と競った地中海の大国・カルタゴが支配した地で、世界遺産もカルタゴに関連した遺跡も登録されています。それ以外にはどんな世界遺産があるでしょうか?
ここでは、チュニジアの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
チュニス旧市街
首都チュニスは、チュニジア北東部の肥沃な土地に築かれた都市。ここは紀元前5世紀に築かれたカルタゴ近郊の衛星都市で、オリーブ油の交易地でありました。その後、ローマ帝国に支配されると、ビザンツ帝国の属州に。
ここは13〜16世紀のハフス朝の時代にイスラム世界で有数の商業都市であり、旧市街は、宮殿やモスク、霊廟、マドラサ(神学校)など、700もの建造物が集まり、当時の繁栄を今に伝えています。
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カルタゴ遺跡
現在のレバノンを本拠地としていたフェニキア人は、地中海各地を拠点とするために植民都市を築いており、カルタゴもその一つ。紀元前6世紀になると、カルタゴがフェニキア人諸都市の中心地となり、西地中海全体の交易を支配するように。そして、「世界の覇者」と言われるまでに繁栄しました。
しかし、紀元前2世紀にローマに滅ぼされると、何度か復興するも7世紀には完全に放棄。遺跡はフェニキア人が住んでいた時代から町が破壊されるアラブ時代まで、各時代の遺跡が残ります。
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エルジェムの円形闘技場
チュニジア東岸・マーディア県にあるエル・ジェムは、ローマ時代は地中海交易で栄えたカルタゴに次ぐ「ローマの穀倉地帯」と呼ばれるほどに豊かな地でした。
街には最大3万5000人が収容できるという円形闘技場があることで有名。これは世界でも3番目の規模を誇るもので、ベルベル人の要塞だった時期もありますが、保存状態も良好です。そして、ローマのコロッセウム以外では唯一の3層部分を残すというのが特徴。
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イシュケル国立公園
チュニジア北部の地中海沿いにある広大なイシュケル湖と湿地帯を含めて、126平方kmもの敷地がイシュケル国立公園として登録。
ここは何十万もの渡り鳥の中継地となっていて、フセイン朝(1705~1957年)時代に狩猟地となっていたために自然環境がそのまま保護されてきました。
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ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡
チュニジア北東部にあるボン岬は、アフリカ大陸から地中海に突き出た半島。近くにはフェニキア人の国家カルタゴ(首都)がありますが、半島の先端の崖の上には、同じフェニキア人の都市であったケルクアンも存在し、ここは紀元前6世紀に設立されました。
紀元前3世紀に街は放棄され、その後も再建されたことがないため、世界でも唯一の古代カルタゴの街の様子がそのまま見られる重要な遺跡です。
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スース旧市街
スースは、チュニジアの中央部に位置するスース県の県都。ここは「サヘルの真珠」と呼ばれるほどに美しい町並みが広がっていて、旧市街はイスラム教初期の典型的な都市とされています。
ここは9〜10世紀のアグラブ朝の主要港として栄え、旧市街には要塞と宗教施設が合わさったリバトやグランド・モスク、カスバ(城塞)などが今でも残存。
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聖都ケルアン
チュニジアの中心部にあり、平原に位置するけるケルアンは、マグレブ(北西アフリカ諸国があるエリア)でも最古のイスラム教の聖地の一つ。
ここは12世紀以降はチュニスに首都機能が移された後でも聖地であり続け、斑岩の柱と大理石などが使用されている大モスクを中心に旧市街の保存状態は良好です。
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ドゥッガ/トゥッガ
ドゥッガ/トゥッガは、チュニジア北西部にある標高571mの丘の上にあり、紀元前2世紀ころにヌミディア人によって築かれた都市。ヌミディア人はヌミディア王国(紀元前202〜46年)を築いたベルベル系の民族。
その後ローマ帝国に編入されたことで、植民都市時代の遺構が今も残ります。現在もベルベル系のヌミディア人の霊廟なども残っているという点もユニーク。
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ジェルバ : 島嶼域での入植様式を伝える文化的景観
チュニジアの南東部にあるガベス湾に浮かぶジェルバ島は、514平方kmの大きさを持ち、北アフリカでも最も面積の広い島でもあります。ジェルバ島は、古代ギリシャの英雄オデュッセウスが航海の途中立ち寄ったという伝説が残るほどに歴史の深い島。
ここは半乾燥地帯でありながら、現代に至るまで多くの民族によって支配され、ローマやキリスト教、アラブなど、さまざまな遺構が各地に点在するというのが特徴です。
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世界遺産マニアの結論と感想
チュニジアは文化遺産が8件、自然遺産が1件と合計で9件登録。地中海を制したカルタゴの都市遺跡があることでも有名ですが、イスラム教の聖地も登録されているのが特徴です。ローマ遺跡も多いので、古代ロマンに浸ることができるというのが魅力!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。