日本で登録されている世界遺産の島はいくつある?それぞれを一覧にして世界遺産マニアが解説

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実は日本における島の数はなんと14125島!世界でも稀に見る島大国ではありますが、世界遺産として登録されている島もたくさんあるんですよ。

屋久島や奄美大島、西表島など、世界遺産として有名な島はイメージできると思いますが、実際に世界遺産に登録されて島はいくつあるでしょうか?今回は日本における島を解説していきましょう。

目次

屋久島

屋久島
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屋久島は九州本土の最南端にある大隈半島から南へ約60kmの位置にある、ほぼ円形の島。九州最高峰の宮之浦岳(標高1936m)を持ち、さらに1800mの山々が連なる山岳島でもあります。

屋久島の山間部は、年間8000mmを超える降水量となるほどに雨が多い土地。湿気の多い環境であるために、島は世界に誇る独特な生態系が見られます。ここには約1900種もの動植物が見られ、特に標高600〜1800m付近には「屋久杉」と呼ばれる、樹齢1000年を超える巨大なスギの木があることでも有名。

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宮島/厳島神社

宮島/厳島神社
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瀬戸内海に浮かぶ厳島(宮島)にある弥山は、古くから聖域として崇められてきました。6世紀には社殿が建造されたと伝わっていますが、平清盛が1168年に寝殿造の様式を取り入れた社殿を建てると、平家の氏神になりました。

厳島神社は、弥山の麓に築かれ、海上に突き出す赤塗りの社殿が広がり、他の神社には見られない独特の景観を持ちます。厳島神社の社殿以外にも周囲の建造物や弥山の原始林なども構成資産として登録。

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小笠原諸島

東京都23区から南東へ約1000kmも先にある小笠原諸島は、行政区分としては「東京都」に含まれる島々。世界遺産としては、南北の約400kmの範囲に、北から聟島列島、父島列島、母島列島など、3列島から構成されています。

ここは非常に固有種が多く、海洋島の生態系の進化過程が見られるという点で重要です。特に植物相は441種類見られ、161種が固有種であり、陸生貝類は94%が固有種。

聟島列島

聟島列島
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小笠原諸島の最も北に位置していて、世界遺産として登録されているのは、名前の由来となっている聟島と北之島、媒島、嫁島ですべて無人島。かつてはムコジマメグロというメグロ属が生息していたのですが、入植によってヤギやネズミなどの外来種が島に増え、絶滅しています。

父島列島

父島列島
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名前の由来となっている父島は小笠原諸島で2番目に大きな島で、東京湾からフェリーが到着する中心地。世界遺産としては、父島の一部と、兄島、弟島、西島、東島、南島で構成されています。父島全体が世界遺産というわけではなく、東部や南部が登録エリアで、多くの固有種が見られるという点で評価されています。

母島列島

母島列島
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列島の中でも最も面積の大きい母島が中心で、集落以外は世界遺産に登録されています。島の南に浮かぶ平島、向島、姉島、妹島、姪島も世界遺産に登録。ここはハハジマメグロというメジロ属の仲間が見られ、絶滅危惧種にも登録されています。同じメジロの中でも、ハハジマメグロは大型で黄色が濃いというのが特徴。

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高島/明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業

高島/明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業

高島は長崎半島の沖合に浮かぶ島で、面積は1.23平方kmの小さな島ですが、江戸時代初期から石炭が発見されると、明治時代初期にトーマス・グラバーによって本初の本格的な炭鉱が建造されました。明治時代初期になると三菱財閥によって日本初の本格的な炭鉱が建造され、1日300トンを出炭したというほど。

後に三菱の経営となり、日本のエネルギーを支え続け、1986年に閉山。

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軍艦島(端島炭鉱)/明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業

高島から約2.5kmの位置する小さな島。ここは江戸時代後期に石炭が発見されると、佐賀藩のものになるものの、明治時代に三菱が買取り、3つもの海底坑道が建造され、一時は高島炭鉱よりも出炭量が多かった時期があるほど。

炭鉱が繁栄すればするほどに労働者が増えていき、島内には高層アパートが建造されていきました。1960年代になると、エネルギーは石炭から石油へ移行し、1974年に閉山。その後は長らく三菱マテリアルが所有していましたが、ここは解体はされずにそのまま廃墟になったために、廃墟ブームの影響で人気観光スポットに。

実は世界遺産としては、岸壁と海底坑道のみ登録されています。

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沖ノ島・小屋島/「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

沖ノ島・小屋島/「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
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玄界灘に浮かぶ沖ノ島は、宗像大社三社の一つ・沖津宮があり、宗像神社の境内となっています。島の山腹にある沖津宮は宗像三女神の田心姫神(たごりひめのかみ)が祀られていて、現在も社殿が存在。

しかし、社殿の最も古い記録は17世紀ころであり、詳しいことはわかっていません。そして、今でも女人禁制の伝統が続けられていて、現在でも特別な許可がないと原則、島に入ることは不可。島の手間に位置する小屋島も世界では遺産として登録されています。

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大島/「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

大島/「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
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本土から北西に約6.5kmの距離にある大島は、宗像大社三社の一つ・中津宮があり、宗像三女神の湍津姫神(たぎつひめのかみ)が祀られていて、ここも宗像神社の境内となっています。中津宮は港のすぐ側にあり、その裏側にそびえる御嶽山の山頂にある奥宮も含めて世界遺産に登録。

大島の北部に位置する「沖津宮遥拝所」は、沖ノ島は一般人が上陸できないため、ここから島を拝めるように建設されたもの。

平戸島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

平戸島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
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平戸島は、長崎県平戸市にある面積163,42平方kmの島。北松浦半島の西側に浮かぶ島で、ここは古来より寄港地として利用されていて、16世紀にはイエズス会の宣教師によってキリスト教の布教の拠点となるものの、各国の商館は長崎へと移転して、ここはキリスト教の弾圧の場となりました。

登録されているのは、潜伏キリシタンが棚田を切り開いたという、島の北西部にある「春日集落」。他にも「安満岳(やすまんだけ)」も登録されていて、ここは山岳信仰の中心地でしたが、山頂にある石塔が信仰対象となりました。近くに浮かぶ「中江ノ島」は、17世紀前半にキリスタンの処刑が行われたこともあり、ここは島そのものがキリスト教へと結びつき、聖地となりました。

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黒島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

黒島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
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黒島は、北松浦半島の南西に位置する島で、周囲の九十九島の中でも最大の面積を誇る島。戦国時代にキリスト教が伝わるものの、江戸時代になると牧場が置かれ、平戸藩の領地となりました。19世紀前半になると、大村藩のキリシタン達がこの地へ移住し、田畑を開墾しつつ、仏教寺院で信仰が続けられていきます。

1897年から黒島天主堂が建設。ここはロマネスク様式の外観であり、三廊式のバシリカとなっていて、保存状態も良好で世界遺産にも登録されています。

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野崎島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

野崎島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
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野崎島は、五島列島の北東部にある7.36平方kmの小さな島。野首集落は古くから神道が盛んな地で、19世紀から潜伏キリシタンが暮らすようになると、神道の氏子として信仰が続けられました。

島の中央部にある旧野首教会は、1907年に周囲の野首地区に住む住民たちが費用を出し、1908年に完成。高度経済成長期以降は、島民が激減し、現在は無人島となったため、教会としては使用されていませんが、県の指定有形文化財として保護されています。

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頭ヶ島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

頭ヶ島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
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頭ヶ島は、五島列島の中通島の東側に浮かぶ1.88平方kmの島。ここは病人の療養地であったため、19世紀に外海から訪れたキリシタンがここに移住し、仏教の開拓指導者に従って暮らしていました。

カトリックに復帰した島民たちは、19世紀末に木造の聖堂を建設し、その後、現在の頭ヶ島天主堂を1910〜1919年にかけて建造しました。ここはカトリック教徒によって築かれたために、現在はカトリック教会に属しています。

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久賀島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

久賀島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
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久賀島は、五島列島の中でも3番目に大きな島で、8世紀から記録が残るほどに歴史の深い場所。16世紀にイエズス会によって布教が進められ、信者が増えるものの、一度途絶えてしまいます。18世紀後半になると、大村藩による潜伏キリスタンの移住計画によって、各地に入植し、明治時代には「五島崩れ」と呼ばれるキリシタンの摘発事件が起こるほどに信者が多く住んでいました。

その後、信教の自由が認められ、1881年にはカトリック浜脇教会が完成。1931年に浜脇教会は廃することになり、旧教会堂を解体し、その資材から現在の「旧五輪教会堂」が建設されました。これは五島列島でも最古の教会で、世界遺産に登録されています。

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奈留島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

奈留島/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
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奈留島は、五島列島の中でもほぼ中央部に位置する島。18世紀に外海から潜伏キリシタンが移住し、彼らが暮らした江上集落は島西部の山々に囲まれた湾に面していたため、狭い谷間を開梱しながら開発したもの。

1881年には当時住んでいた4つの家族がカトリック教会に復帰し、その後は人口も増加したこともあり、1918年に現在の江上天主堂が建造されました。

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奄美大島/奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島

奄美大島/奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
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鹿児島市と沖縄本島のほぼ中間に位置する、総面積約712平方kmの島。日本では本土4島を除くと5番目に大きさを誇る島でもあります。島は奄美諸島全体をカバーする奄美群島国立公園の一部で、世界遺産として登録されているのは、島中央部の湯湾岳(標高694m)など原生林が広がるエリア。

特に特別天然記念物でもあるアマミノクロウサギは、この島と徳之島でしか生息しない絶滅危惧種で、1属1種で近縁種は存在しないという非常に珍しいウサギ。これはウサギ科の仲間の中でも原始的な種に近いとされています。他にも奄美諸島の固有種であるルリカケスという絶滅危惧種の鳥類も生息。

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徳之島/奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島

徳之島/奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
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奄美群島の中でもほぼ中央にある、総面積約248平方km島で、大きさでいえば奄美群島の中でも2番目。島はほぼ石灰岩で構成されていて、カルスト地形が発達した島でもあります。島内は南北でそれぞれ登録エリアが分かれていますが、どちらも内陸の原生林が多く残るエリア。

この島でもアマミノクロウサギが見られますが、北部と南部では数千年前から異なる遺伝的特徴を持ち、生態も異なるという非常に珍しいもの。

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西表島/奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島

西表島/奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
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沖縄でも最も西に位置する八重山諸島に属している島で、山がちであったため、開発がされることがなく、今でも多くの動植物が暮らす島でもあります。世界遺産としては、人間が暮らす沿岸部以外はほとんどの場所が登録されているのが特徴。

島の代名詞的存在が特別天然記念物のイリオモテヤマネコ。20世紀に入って発見され、大陸や台湾などに生息するベンガルヤマネコの亜種であることが分かりました。西表島はヤマネコが暮らす島としては世界最小でもあります。島は大型哺乳類がおらず、イリオモテヤマネコは生態系の頂点であったものの、家畜や交通事故、開発の影響によって数は減少しつづけ、今では100匹前後しか存在していません。

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世界遺産マニアの結論と感想

やはり、島国だけあって、世界遺産に登録されている島は多数!自然遺産として有名な屋久島や奄美大島だけでなく、古くから聖地として崇められてきた宮島や沖ノ島まで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力!ぜひディープに楽しんでくださいね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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