アメリカでは1872年に世界で初めて国立公園制度が誕生。それもあり、各地で多くの国立公園が存在し、どの国よりも規模も種類も豊富で、なかには世界遺産に登録されているものも!世界遺産として登録された国立公園はいくつあるでしょうか?
ここでは、アメリカで世界遺産に登録された国立公園でを世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
グランド・キャニオン国立公園
画像素材:shutterstockグランド・キャニオンとは、アリゾナ州北部にあり、コロラド川沿いの広大な峡谷のこと。ここは侵食と風化によって形成した、最大の深さが約1850mと世界最大規模の峡谷でもあります。
峡谷は446kmも続き、ここは地層が幾層にも折り重なっているというのも特徴で、最下層には地球最古の20億年前の先カンブリア時代の地層も見られ、地球の歴史を垣間見ることも可能。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「グランド・キャニオン国立公園」とは?場所や眺望台を含めて世界遺産マニアが解説 アメリカ南西部にあるグランド・キャニオンは侵食と風化によって作られた、最大の深さが約1850mの世界で最大規模の峡谷。さまざまな時代の地層が折り重なっていて、なんと最下層では20億年前の先カンブリア時代の地層も見られます。ここに地球の歴史が刻まれた場所とも呼べる遺産。 ここでは、グランド・キャニオン国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、グランド・キャニオン国立公園について詳しくなること間違なし! イエローストーン国立公園/アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州


画像素材:shutterstockアメリカ北西部のアイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州にまたがる広大な国立公園。この地域は何度も大規模の噴火が発生しており、60万年前の最後の噴火時に地形がドーム状になりました。その後、カルデラが形成され、地表の割れ目から雨水が入り込むと、その水をマグマが熱することで間欠泉から熱湯が出てくるようになったのです。
ここは1872年開園とアメリカ初の国立公園でもあります。ハイイログマ(グリズリー)やヘラジカなど、野生動物も多く生息していることでも有名。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「イエローストーン国立公園」とは?60万年前の噴火を含めて世界遺産マニアが解説 アメリカ北西部にあるイエローストーン国立公園は、約9000平方kmという広大な公園。敷地内には、地球の間欠泉の半分以上が集まり、多数の温泉も点在し、地熱が生み出す景観が多く見られます。ここは1872年開園とアメリカ初の国立公園で、ハイイログマ(グリズリー)やヘラジカなど、野生動物も多く生息していることでも有名。 ここでは、イエローストーン国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、イエローストーン国立公園について詳しくなること間違なし! ヨセミテ国立公園/カリフォルニア州


画像素材:shutterstockヨセミテ国立公園は、カリフォルニア州中央部にあり、ここはヨセミテ渓谷を中心に広がる約3000平方kmもの国立公園で、氷河によって造られた花崗岩の地形が広がっています。
ここにはハーフドームやエル・キャピタン、ジャイアントセコイアなど独特の風景が見られ、ウィルダネス(手つかずの自然)の中にさまざまな動植物が生息。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「ヨセミテ国立公園」とは?その意味とハーフドームを含めて世界遺産マニアが解説 アメリカ西部・カルフォルニア州の中央部にあるヨセミテ国立公園は、氷河によって造られた花崗岩の地形が広がっています。ここにはハーフドームやエル・キャピタン、ジャイアントセコイアなど独特の風景が見られ、ウィルダネス(手つかずの自然)の中にはさまざまな動植物が生息。 ここでは、ヨセミテ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヨセミテ国立公園について詳しくなること間違なし! ハワイ火山国立公園/ハワイ州


画像素材:shutterstockハワイ火山国立公園は、ハワイ州にあるハワイ島南部の火山地帯を中心とした公園のこと。公園の面積は約325平方km。ここは世界でも最も活発的な火山地帯で、現在でも噴火などが頻繁に起こる場所。
世界で最も活発に活動するキラウエア火山や世界で最大の楯状火山マウナ・ロアが登録されていて、噴火によって絶えず変化する火山地帯が見られます。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「ハワイ火山国立公園」とは?世界遺産マニアが解説 太平洋に浮かぶハワイ島には、世界で最も活発に活動するキラウエア火山、世界で最大の楯状火山マウナ・ロアがあり、噴火によって絶えず変化する火山地帯が見られます。そして、その影響によって独特の地形や固有種、シダの森などが見られるの特徴。 ここでは、ハワイ火山国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ハワイ火山国立公園について詳しくなること間違いなし! メサ・ヴェルデ国立公園/コロラド州


画像素材:shutterstockコロラド州南西部。メサ・ヴェルデとは、スペイン語で「緑の大地」という意味で、標高2600メートル以上の位置にある緑豊かな高原のこと。ここはプエブロ族というネイティブ・アメリカンが住む場所で、この断崖をくり抜いて形成された岩窟住居は彼らの先祖であるアナサジ族によって造られました。
このような住宅の集合体が集まる遺跡は敷地内にいくつかあり、クリフ・パレスやバルコニー・ハウス、スクウェア・タワー・ハウスなど、外観にちなんで名前を付けられています。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「メサ・ヴェルデ国立公園」とは?世界遺産マニアが解説 コロラド州南西部。標高2600m以上の高原には、断崖の下に鳥の巣のように造られた岩窟住居が残っています。これは6〜12世紀にプエブロ族の先祖とされるアナサジ族によって建造されたもの。なんと100以上の部屋があった住居群もあり、そこには200人以上が暮らしていたとされています。 ここでは、メサ・ヴェルデ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、メサ・ヴェルデ国立公園について詳しくなること間違なし! ランゲル=セント・イライアス国立公園・グレイシャーベイ国立公園/アラスカ州


画像素材:shutterstockアメリカの本土から離れて北西に位置するアラスカ州とカナダとの国境には、2つの国にまたがった世界でも最大規模の氷原が続くエリアです。1979年アメリカ領のランゲル=セント・イライアス国立公園が登録されると、1992年にアメリカ領の沿岸沿いにあるグレイシャーベイ国立公園が加わりました。
ここにはハクトウワシやハイイログマ(グリズリー)、ドールシープなど貴重な動物が見られます。
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あわせて読みたい カナダ・アメリカの世界遺産「クルエーン/ランゲル=セント・イライアス/グレイシャー・ベイ/タッチ... アメリカのランゲル=セント・イライアス国立公園、グレイシャーベイ国立公園、カナダのクルアーニー国立公園、タッチェンシニー=アルセク州立公園の4つは、国境をまたがって氷河や高山地帯で構成されていて、ここにはハクトウワシ、ハイイログマ(グリズリー)、ドールシープなど貴重な動物が見られます。 ここではクルエーン/ランゲル=セント・イライアス/グレイシャー・ベイ/タッチェンシニー=アルセクがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、これらの公園について詳しくなること間違なし! エバーグレーズ国立公園/フロリダ州


画像素材:shutterstockアメリカ南東部・フロリダ半島の南端には、エバーグレーズと呼ばれる湿原地帯があります。その中でも湿原全体の5分の1、総面積でいうと約6000平方kmもの広大なエリアが世界遺産として登録。
ここは多様な生態系を育んできた湿原であり、絶滅危惧種のフロリダマナティーなど、多数の鳥類や爬虫類が生息。しかし、周囲の開発による水質汚染が進み、危機遺産に登録されています。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「エバーグレーズ国立公園」とは?世界遺産マニアが解説 フロリダの南端にあるエバーグレーズ国立公園は全米最大の湿地地帯に位置し、湿原全体の5分の1が登録。ここは多様な生態系を育んできた湿原ではあり、絶滅危惧種のフロリダマナティーなど、多数の鳥類や爬虫類が生息しています。しかし、周囲の開発による水質汚染が進み、危機遺産に登録。 ここでは、エバーグレーズ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、エバーグレーズ国立公園について詳しくなること間違なし! レッドウッド国立公園/カリフォルニア州


画像素材:shutterstockカリフォルニア州の北西部に位置するレッドウッド国立公園は、現在ではアメリカの太平洋海岸でしか自生していないレッドウッド(ヒノキ科セコイア属の常緑針葉樹)を保護する公園。レッドウッドは、平均樹齢は500年以上、平均樹高は100mという世界でも有数の大木で、樹脂が赤みを帯びていることからこのように呼ばれています。
ここには、絶滅の危機に瀕していたワピチ(ルーズベルト・ヘラジカ)、海岸ではカッショクペリカンやトドなども見られます。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「レッドウッド国立公園」とは?世界遺産マニアが解説 カリフォルニア州北西部にあるレッドウッド国立公園は、太平洋沿岸の山脈に位置し、ここは平均樹齢は500年以上、平均樹高は100mというレッドウッド(セコイア)の壮大な森を中心とした公園。ここには、絶滅の危機に瀕していたワピチ(ルーズベルト・ヘラジカ)、海岸ではカッショクペリカンやトドなども見られます。 ここではレッドウッド国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、レッドウッド国立公園について詳しくなること間違なし! マンモス・ケーブ国立公園/ケンタッキー州


画像素材:shutterstockケンタッキー州中央部にある国立公園で、世界で最も長い鍾乳洞であるマンモス・ケーブを含んでいます。調査により鍾乳洞の長さは年々と延びていて、現在の長さは600km以上。ここはカルスト台地に1億年かけて石灰質の地層に水が浸透して形成された地形で、地下60〜100mの深さの洞窟がずっと続くという構造となっています。
カルスト台地の地下には鍾乳石や石筍が広がり、絶滅危惧種を含む独特の生物が多く生息しています。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「マンモス・ケーブ国立公園」とは?世界で最も長い洞窟?世界遺産マニアが解説 アメリカ東部ケンタッキー州にあるマンモス・ケーブ国立公園は、全長600km以上という世界で最も長い鍾乳洞、マンモス・ケーブを中心とした公園。カルスト台地の地下には鍾乳石や石筍が広がり、絶命危惧種を含む独特の生物が多く生息しています。 ここではマンモス・ケーブ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、マンモス・ケーブ国立公園について詳しくなること間違なし! カールズバッド洞窟群国立公園/ニューメキシコ州


画像素材:shutterstockニューメキシコ州エディ郡にあるグアダルーペ山脈。ここは地下に存在するカールズバッド洞窟を中心とした80以上もの洞窟が点在する国立公園となっていて、鍾乳石や石筍、石柱などが織りなす景観は、世界でも有数の美しさを誇ります。
洞窟の内部には石筍や石柱が多く見られ、世界最大規模の空洞である「ビッグルーム」があることでも有名。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「カールズバッド洞窟群国立公園」とは?世界遺産マニアが解説 アメリカ南西部にあるニューメキシコ州にあるカルスト地形である公園内には、カールズバッド洞窟を始め、80以上もの洞窟が確認されている鍾乳洞群です。洞窟の内部には石筍や石柱が多く見られ、世界最大規模の空洞である「ビッグルーム」があることでも有名。 ここではカールズバッド洞窟群国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カールズバッド洞窟群国立公園について詳しくなること間違なし! オリンピック国立公園/ワシントン州


画像素材:shutterstockオリンピック国立公園は、ワシントン州の北西部にあるオリンピック半島全体を囲む国立公園。ここは太平洋が形成した海岸線、標高2428mのオリンピック山を中心としたオリンピック山脈、その裾野に広がる温帯雨林の3つのエリアで構成されています。海岸には軟体動物やウニ、ヒトデなども多く生息。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「オリンピック国立公園」とは?世界遺産マニアが解説 アメリカ北西部にあるオリンピック国立公園。ここは頂上に氷河が点在するオリンピック山を中心に、標高の低いエリアに広がる温帯雨林と約100kmもの海岸線が広がっています。海岸には軟体動物やウニ、ヒトデなども多く生息。 ここではオリンピック国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、オリンピック国立公園について詳しくなること間違なし! グレート・スモーキー山脈国立公園/ノースカロライナ州・テネシー州


画像素材:shutterstockアメリカ東部のノース・カロライナ州とテネシー州の州堺にある広大な公園で、ここは更新世(約258万年〜約1万年前)に発生した氷河期を乗り越えた動植物が生息する保護区でもあります。敷地内には、北極地第三紀植物(中生代から新生代中期にかけて北半球で見られる植物)の残骸などが見られ、更新世後期の植物相の出現を示しているというのが特徴。
ここは手つかずの原生林が残っていて、ヨーロッパ全土とほぼ同じ数の樹木を含む3500種以上の植物が見られ、サンショウウオ科の種類も豊富で、絶滅危惧種の動物も多く生息。
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あわせて読みたい アメリカの世界遺産「グレート・スモーキー山脈国立公園」とは?世界遺産マニアが解説 アメリカ東部にある2090平方kmもの広大な公園で、ほぼ東京都と同じほどの広さを誇ります。ここは手つかずの原生林が残っていて、ヨーロッパ全土とほぼ同じ数の樹木を含む3500種以上の植物が見られ、サンショウウオ科の種類も豊富で、絶滅危惧種の動物も多く生息。 ここではグレート・スモーキー山脈国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、グレート・スモーキー山脈国立公園について詳しくなること間違なし! グレーシャー国立公園/モンタナ州(カナダと共同)


画像素材:shutterstock北アメリカ大陸西部を貫くロッキー山脈の中でもほぼ中央にあたる地域にあるウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園。ここは1932年にカナダのアルバータ州のウォータートン湖公園とアメリカのモンタナ州のグレーシャー国立公園が、世界初の国際平和公園法で成立したもの。総面積は4576平方kmにも及び広大な公園となっています。
ここは3000m級のロッキー山脈のほぼ真ん中にあり、氷河で削られた地形や700もの氷河湖で構成され、1億5000年前の藍藻類の化石も見られます。
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あわせて読みたい アメリカ・カナダの世界遺産「ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園」とは?世界遺産マニアが解説 カナダのアルバータ州とアメリカのモンタナ州にまたがるウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園は、世界初の国際平和公園。ここは3000m級のロッキー山脈のほぼ真ん中にあり、氷河で削られた地形や700もの氷河湖で構成され、1億5000年前の藍藻類の化石が見られるもの。 ここではウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園について詳しくなること間違なし! 世界遺産マニアの結論と感想
アメリカは国立公園の発祥の国だけに国立公園が多い国家でもあります。グランドキャニオンやイエローストーンなど、日本人が知る有名な国立公園がある一方、あまり知名度はないけど、秘境が続く国立公園もたくさんあります。アメリカならではの絶景をぜひ覗いてみてくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。