イタリアといえば、古代ローマ発祥の地だけあり、ローマ遺跡の宝庫!その規模と数はどの国もよりも多く、歴史ロマンに浸ることができます。とはいえ、古代ローマ以前の遺跡も多く発見されていて、これらも世界遺産に登録。
ところで、世界遺産として登録されているイタリアの遺跡はいくつあるでしょうか?ここでは世界遺産に登録された遺跡を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説していきましょう。
目次
ヴァルカモニカの岩絵群
ヴァルカモニカは、イタリア北部のロンバルディア州に位置する約70kmの渓谷。オーリオ川沿いには14万を超える岩絵が並び、中には紀元前8000年頃の石器時代のものもあり、世界でも最大規模の岩絵が並ぶというのが特徴。
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アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群(スイス・ドイツ・フランス・オーストリア・スロベニアと共同)
ヨーロッパのアルプス山脈周辺の6ヶ国には、紀元前5000〜500年の先史時代に湖や河川、湿地帯に杭上住居跡が111箇所も残り、これらは水没していたために保存状態が非常に良好。新石器時代から青銅器時代の人々の生活が見られる遺跡となっています。
イタリアでは、アルプス山脈沿いに19箇所が登録されています。
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スー・ヌラージ・ディ・バルーミニ
地中海に浮かぶサルデーニャ島には、ヌラーゲ(サルデーニャ語で「ヌラージ」)と呼ばれる石で積まれた要塞が7000も点在し、これは島特有のもの。ヌラーゲは、円筒や円錐状のような形状になっていて、当初はその場所に住む一族によって建造され、後に階層社会になると要塞となったとされています。
内陸のバルーミニ村にある「スー・ヌラージ・ディ・バルーミニ」は最大規模のもので、島のシンボル的存在。
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シラクサとパンターリカの岩壁墓地遺跡
シチリア島の南東部には、丘の上に築かれたネクロポリスであるパンターリカと、海岸にある古代ギリシャの都市シラクサがあり、これらの2つのエリアは3000年に渡って繁栄した地中海文化の歴史を示すもの。
海岸に位置するシラクサは、現代でもギリシャ時代の神殿や劇場、古代ローマ時代の円形劇場が残り、かつてギリシャの政治家キケロが「あらゆるギリシャ都市の中でも最も美しい」と称えたほどの都市でした。
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アグリジェントの遺跡地域
シチリア島南西部のアグリジェント県に位置する神殿の谷。ここは「谷」と呼ばれますが、ドーリア式の神殿だけではなく、ネクロポリスも残る広大な遺跡です。かつて「アクラガス」と呼ばれた、ギリシャの植民都市でもありました。
中でもドーリア式のコンコルディア神殿はキリスト教の聖堂に利用されたりと、初期キリスト教の埋葬施設も残っているのも特徴です。
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パエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのカルトゥジオ修道院を含むチレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園
ヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園は、イタリアの南部にあるカンバニア州サレルノ県内にある広大な公園。ここは山岳地帯となっていて、海岸沿いは断崖が広がる険しいエリアでもあります。
ここにはギリシャの植民都市であったパエストゥムやヴェーリア、そして、パドゥーラにあるサン・ロレンツォ修道院などがあり、それぞれが世界遺産に登録されています。
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チェルヴェーテリとタルクイーニアのエトルリア墓地遺跡群
エトルリア人は紀元前9世紀〜紀元前1世紀にイタリア半島に暮らしていた先住民族で、やがて古代ローマ人と同化するものの、地中海北部で都市文明を築き、ローマ人によってエトルリア人の文化は継承されていきました。
特にチェルヴェーテリの近くにあるバンデタッチャのネクロポリスは、まるで都市のように円形や家屋のような形をした墳墓が見られ、タルクイーニア近郊のモンテロッツィ地区には6000もの墳墓が並び、200もの彩色された墳墓も残存。
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ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂
古代ローマの発祥であるローマは、今ではイタリアの首都。そして、現在もローマ帝国最盛期の遺構が多く残っています。紀元前3世紀に築かれたアウレレリアヌスの城壁に囲まれた地域が世界遺産として登録されていて、1990年にそれより西側に広がるウルバヌス8世の城壁まで範囲が拡大しました。
約2600年の歴史を誇るローマは、ヨーロッパの歴史の中で重要な役割を果たしていて、各時代の建築物の発展が分かる遺構が今でも大事にされています。
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ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域
イタリア南部のカンパニア州のナポリ県にある3つの遺跡が世界遺産に登録。ポンペイとヘルクラネウムはヴェスヴィオ山の噴火による火山灰で埋没した都市遺跡で、当時の街の様子がそのまま残され、非常に状態が良いもの。
トッレ・アンヌンツィアータのヴィッラ(別荘)はローマ帝国時代の富裕層の暮らしなどが今でも分かるという点で貴重です。
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ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ
シチリア島中央部にあるエンナ県は丘陵地帯となっていて、ここはローマ帝国時代は貴族による農園(ラティフンディア)があったとされています。ここの地には貴族たちによってヴィッラ(別荘)が多く建造され、ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレはその中でも保存状態が良いもの。
40以上の部屋と床には豪華なモザイク装飾が置かれ、特に馬車や猛獣狩り、ビキニの姿の女性まで世俗的なものをモチーフにしたモザイクがユニーク。
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アクイレイアの遺跡地域と総大司教座聖堂のバシリカ
アドリア海の北岸に位置するフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州に位置するアクイレイア。ここは現在は小さな町ですが、紀元前181年の共和制ローマ時代に都市が設立されると、地中海と中央ヨーロッパを結ぶ交易の中心となり、「第2のローマ」として繁栄しました。
しかし、5世紀に破壊。その後もこの地には総大司教座が置かれ、バシリカ式聖堂に残る4世紀のモザイクには、ラパルム(XとPを組み合わせたデザイン)も確認でき、中央ヨーロッパの布教において重要な役割を果たしたことを示しています。
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ヴィッラ・アドリアーナ(ティヴォリ)
首都ローマから東へ約30kmに位置するティヴォリは、古代ローマから貴族たちのリゾート地として知られ、別荘などが建設された地でありました。ローマ帝国最盛期の皇帝で、五賢帝の一人であったハドリアヌスは、118年からこの地に広大な別荘を作り始め、完成したのは133年。
領土内に多くの建造物を作り出したハドリアヌスが手掛けただけあって、別荘はエジプト、ギリシャ、ローマのさまざまな建築技術が詰まった「理想郷」のような豪華絢爛な邸宅でした。
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マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園
イタリア南部のバジリカータ州にあるグラヴィナ渓谷では、人々が洞窟を利用して住宅を作り、この地に住み着きました。現在のマテーラの旧市街では、サッシ(洞窟住居)や教会、修道院など並んでいて、世界でもユニークな風景を眺めることができます。
街は旧石器時代に遡るほどに古い歴史を持ち、洞窟を利用した住居は人類の歴史における重要な段階を示しています。
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世界遺産マニアの結論と感想
イタリアの遺跡は古代ローマ遺跡だけじゃない!もちろん、首都であるローマのフォロ・ロマーノやコロッセオは有名ですが、せっかく訪れるのなら他の国では見られない、個性あふれる古代遺跡もぜひ訪れてみてくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。