インドの世界遺産の数は合計で43件と、世界でも第6位の保有国!タージ・マハルやアジャンター石窟など…誰もが知る観光地はもちろん世界遺産でありますが、それ以外はどんな世界遺産があるのでしょうか?
ここでは、インドの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
アジャンター石窟群/1983年登録
アジャンター石窟群は、マハーラーシュトラ州に属し、中心都市であるムンバイから北東へ約360kmの位置にある断崖に築かれたもの。ワゴーラー川沿いの550mの距離に30もの石窟が並んでいます。
その歴史は紀元前2世紀にも遡り、インドの統一王朝であったグプタ朝時代(320〜550年)に豪華な仏像や彫刻が掘られました。ここは世界に誇る仏教芸術の傑作でもあります。
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エローラ石窟群/1983年登録
マハーラーシュトラ州の大都市アウランガーバードから30Kmほどの距離にあるエローラには、世界に誇る石窟寺院が残っています。34もの石窟は、仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の3つの宗教に関する建築物が並ぶというもの。
時代ごとに仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教、それぞれの聖域となり、これらは古代インドの「寛容」の精神を示す遺跡でもあります。
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アーグラ城塞/1983年登録
首都ニューデリーから南へ約200kmの位置にあるアーグラは、イスラム王朝であったムガル帝国の首都が一時的に置かれていた場所。ここの城塞は、第3代アクバル帝によって1565〜1573年に築かれたもの。
赤砂岩で築かれたことからレッド・フォートとも呼ばれますが、内部には美しい宮殿や壮麗なモスクなどが並び、これらはムガル帝国時代の繁栄の様子が今でも分かるもの。
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タージ・マハル/1983年登録
タージ・マハルは、ガンジス川の支流であるヤムナ川沿いに位置しており、第5代皇帝シャー・ジャハーンの妻ムムターズ・マハルのための霊廟でした。近隣の中央アジアやイラン諸国などからさまざまな職人が集められ、1632年に着工し、1653年に竣工。
敷地は17万平方mの広さを誇り、白亜の霊廟のほか、モスク、壮麗な南門、四分庭園(チャハル・バーグ)などが点在します。これはインド・イスラム建築の傑作で、世界でも有名な霊廟の一つ。
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コナーラクのスーリヤ寺院/1984年登録
インド東部のオリッサ州の都市コナーラクには、13世紀に東ガンガ朝の王ナラシンハ・デーヴァ1世によって築かれたヒンドゥー教寺院があります。堀に囲まれた広大な敷地内にある寺院は、東ガンガ朝の寺院建築の集大成でもありました。
ここは太陽神スーリヤの馬車をモチーフに築かれたヒンドゥー教寺院で、高さ約3mの車輪彫刻が24も配されているのが特徴です。
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マハーバリプラムの建造物群/1984年登録
インド南東部にあるタミル・ナードゥ州のベンガル湾沿いに位置する、かつての港湾都市。ここはタミル系王朝パッラヴァ朝(275〜897年)の都だった場所で、6世紀以降は貿易港と栄えました。
マハーバリプラムは7〜8世紀に築かれたヒンドゥー教の聖域で、敷地内にはラタと呼ばれる石彫寺院と「ガンガーの降下」と呼ばれる、世界最大規模の岩壁彫刻などが点在しています。
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カジランガ国立公園/1985年登録
インド北東部のアッサム州に位置する公園で、ヒマラヤ山脈南部に広がる草原地帯となっています。ここはブラマプトラ川が氾濫することで、ジールスという小さな湖が草原に点在するという独特の地形。
絶滅危惧種のインドサイにとって暮らしやすい環境であることから政府はここを公園として保護するようになりました。他にも絶滅危惧種のトラ、アジアゾウ、アジアスイギュウなども生息。
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マナス国立公園/1985年登録
インド北東部にあり、ブータンとの国境に近いアッサム州にある保護区で、登録エリアは南北を流れるマナス川沿いに広がっています。ここは熱帯雨林、サバンナ、広葉樹林、草原など、さまざまな地形が見られ、インド亜大陸においても多くの動植物が見られる場所としても貴重なエリア。
ここには世界最小のイノシシ・コビトイノシシと美しい毛並みを持つゴールデンラングールなど絶滅危惧種も多く見られます。
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ケオラデオ(ケーオラーデーオ)国立公園/1985年登録
インド北西部にあるラージャスターン州に位置する都市バラトプルの郊外に広がる国立公園。ここは広大な沼地になっていて、約20万もの水鳥が訪れる越冬地であり、多くの鳥類が生息する「鳥の楽園」とも呼べる場所。
現在は絶滅危惧種のソデグロヅルを代表として、多くの時類やサギ類など、約350種を超える鳥類が見られる国立公園となっています。
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ゴアの教会群と修道院群/1986年登録
インドの西海岸に位置するゴア州は、かつてインドにおけるポルトガル領(1510〜1961年)の首府が置かれた旧ゴアがあった場所。ここはポルトガルのアジア交易の拠点となり、ローマ・カトリックによるアジア布教の中心地でもありました。
ゴアには、かの有名なフランシスコ・ザビエル(1506〜1552年)が来訪し、彼の遺体を納めたルネサンス様式とバロック様式のボン・ジェズス・バシリカや、マヌエル様式のセー大聖堂などの建造物は、アジア各国にヨーロッパの芸術を広める起点ともなりました。
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カジュラーホの建造物群/1986年登録
カジュラーホは首都デリーから南東へ約630kmの距離にあるマディヤ・プラデーシュ州の都市。ここは10〜11世紀のチャンデーラ朝時代に多くの寺院が築かれました。
現在は25もの寺院が残り、それらはヒンドゥー教やジャイナ教の寺院。特にカンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院の彫刻は中世インド美術においても最高傑作の一つ。
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ハンピの建造物群/1986年登録
ハンピとは、インド南部カルナータカ州にある小さな村に残る遺跡。ここは14世紀〜17世紀半に栄えたヴィジャヤナガル王国の王都だった場所。
15世紀に現在の姿になったヴィルパークシャ寺院や16世紀建造のヴィッタラ寺院など、美しい建造物が現在でも多く残っていて、かつて「ヴィジャヤナガル(勝利の都)」と言われるほどに栄えた姿を今に残します。
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ファテープル・シークリー/1986年登録
インド北部ウッタル・プラデーシュ州の最大都市アーグラから西へ約40kmの位置するファテープル・シークリー。ここはムガル帝国の3代皇帝アクバルによって1571〜1573年にかけて設立されました。
水不足と酷暑のため、わずか14年で遷都となりましたが、宮廷地区とモスク地区は幾何学的な計画で設立されたもの。特にモスク地区に残る「ブランド・ダルワーザー」は凱旋門のような存在で高さは41mにもなるほど。
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パッタダカルの建造物群/1987年登録
南インドのカルナータカ州北部にある小さな村・パッタダカル。ここは前期チャールキヤ朝(543〜753年)時代、首都ではなかったものの、「戴冠の都」として当時の王族に愛され、寺院が多く建造された都市になりました。
この地にはヒンドゥー教とジャイナ寺院が建造され、屋根が砲弾型の北インド型、ピラミッド側の南インド型の建築様式がそれぞれ並びます。特に8世紀にパッラヴァ朝との戦争の勝利を記念して建造された「ヴィルーパークシャ寺院」は南インドの寺院建築の傑作。
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エレファンタ石窟群/1987年登録
ムンバイ近海のアラビア海に浮かぶエレファンタ島(現ガラプリ島)は、小さい島ながらも紀元前2世紀に遡る遺跡があるほどに歴史深い聖地。
島には6〜8世紀に建造されたヒンドゥー教寺院が残っていて、ここはシヴァ神信仰の中心地でもありました。特に巨大な「三面のシヴァ神の胸像」は、ヒンドゥー教芸術の傑作の一つ。
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大チョーラ朝寺院群/1987年登録(2004年拡大)
インド南東部に位置するタミル・ナードゥ州には、かつてチョーラ朝(846年頃〜1279年)が栄えた地で、4世紀に渡って南インドだけでなく、セイロン島まで拡大し、領土内には文化や芸術が大いに発展しました。
首都であったタンジャーヴールは、11世紀にラージャラージャ1世によって築かれた「ブリハディーシュヴァラ寺院」があり、寺院の建築技術と装飾など、南部のヒンドゥー教建築の傑作でもあります。
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スンダルバンス国立公園/1987年登録
バングラデシュとの国境の近く、西ベンガル州に位置する国立公園。ここはガンジス川とプラマプトラ川が流れ込む、1万平方kmにも及ぶ世界最大規模のデルタ地帯で、世界最大のマングローブ林でもあります。
ここには水生動物や鳥類、爬虫類など、貴重な生物が多く住んでいて、ベンガルトラの保護区としても有名。
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ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園/1988年登録(2005年拡大)
インド北部ウッタラーカンド州に位置するこの2つの公園は、ヒマラヤ山脈西部に位置し、どちらも優れた生物多様性が見られます。
「ナンダ・デヴィ国立公園」は、標高7817mのインド第2の標高を誇るナンダ・デヴィを中心にしていて、女神ナンダが住む山として古くから聖地でした。その西側に位置する「花の谷国立公園」は固有の高山植物が多く見られ、ツキノワグマやユキヒョウなど絶滅危惧種も生息。
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サーンチーの仏教建築物群/1989年登録
サーンチーは、インド中部マディヤ・プラデーシュ州のボーパールから北東へ約40km離れた仏教遺跡。ここは3つのストゥーパと祠堂、僧院などが点在しています。
特にストゥーパの第一塔はマウリヤ朝のアショーカ王が紀元前3世紀に築いたもの。ここは12世紀まで仏教の聖地として栄えた地でもありました。
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デリーのフマーユーン廟/1993年登録
インドの首都デリーにあるフマーユーン廟は、1570年に建造。ここはペルシャ出身の王妃ハミーダ・バーヌー・ベーグムにより、2代皇帝フマユーンのために建造したものでした。
フマーユーンはペルシャ(現在のイラン)に亡命していたこともあり、建築物はペルシアとインドの融合したもので、庭園はペルシャ式の四分庭園(チャハル・バーグ)も見られます。これはインドにおける墓廟建築の基礎となり、アーグラのタージ・マハルに多大な影響を与えたもの。
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デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群/1993年登録
デリーの南側には、インド初のイスラム王朝である奴隷王朝(インド・マムルーク朝、1206〜1290年)時代に建造された複合施設があり、これらは奴隷王朝の開祖アイバクがデリーを征服した記念に建造。
高さ72.5mの赤い砂岩で建造された塔、クトゥブ・ミナールをはじめ、周囲のモスクや門を含めて、これらはインド初期のイスラム建築として貴重なもの。
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インドの山岳鉄道群/1999年登録(2005年・2008年拡大)
インドの現役で活躍する3つの山岳鉄道が登録。1999年に世界最古の山岳鉄道である「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」という名前で登録されると、2005年にニルギリ山岳鉄道が加わり、「インドの山岳鉄道群」となり、2008年にはカールカー=シムラー鉄道も拡大登録。
これは1881〜1908年に大英帝国時のインドで開通し、山岳地帯でも運行できるという19世紀後半〜20世紀初頭の最新技術がそのまま今でも活かされているというのが特徴です。
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ブッダガヤの大菩提寺/2002年登録
ブッダガヤは、ビハール州パトナから約100kmの距離に位置し、釈迦が菩提樹の下で悟りを開いた地とされています。ここは仏教の4大聖地の1つで最も重要な聖地。この地にある大菩提寺(だいぼだいじ)はマハーボディ寺院とも呼ばれます。
最初の寺院は紀元前3世紀にマウリヤ朝のアショーカ王によって建てられ、現在の寺院は5〜6世紀に再建されたものがベースとなっています。
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ビームベートカーの岩陰遺跡/2003年登録
「ビームベートカー」という名称は、インドの二大叙事詩『マハーバーラタ』に登場する英雄神ビーマに由来するもの。遺跡はインド中部のマディヤ・プラデーシュ州の森の中に位置し、砂岩には合計で400もの岩陰の壁画が残っていて、最も古いものは約3万年前に遡ります。
ここは中石器時代から有史にいたるまで多彩な壁画が多く残り、古い絵の上に新しい絵が重ねて描かれているのが特徴。
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チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅/2004年登録
インド西部の大都市ムンバイは、国内最大の貿易港を持ち、インド経済の中心でもあります。ここには1853年に鉄道駅が建てられたのですが、そこが手狭になったため、1878年に建築家のF・Wスティーヴンスによって10年以上の歳月をかけて新駅舎が建造。
ここはインドの伝統建築と英国のゴシック・リバイバル様式を組み合わせた壮麗な建築物であり、ムンバイのシンボルとなっています。
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チャーンパーネール・パーヴァーガド遺跡公園/2004年登録
インド西部のグジャラート州。ここに位置するチャーンパーネール・パーヴァーガド遺跡公園は、平原の中にある標高800mのパーヴァーガドの丘にあり、先史時代から中世にいたるまで集落が存在していました。
ここには先史時代から初期ヒンドゥー教時代に築かれた要塞、16世紀に作られたグジャラート州の遺跡など、さままざまな時代の遺構が残ります。丘の上に残るカーリーカマタ寺院は今でもヒンドゥー教の聖地として、多くの巡礼者が集まります。
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赤い城(レッド・フォート)の建造物群/2007年登録
インドの首都デリーの中心部に位置する広大な城で、ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンが、アーグラから遷都した際に居城としたもの。城は1639〜1648年にかけて建造され、赤い砂岩を使用したことから「赤い城(レッド・フォート)」と呼ばれます。
城内にある建築物はイスラムの建築様式を基本としつつも、ペルシャやヒンドゥー教の影響なども見られます。
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ジャイプルのジャンタル・マンタル/2010年登録
ジャイプルは「ピンク・シティー」として有名なラージャスターン州の州都。これは18世紀にラージプートのマハラジャであったジャイ・シング2世によって建設され、その際に居城であったシティ・パレスの一角に建造された天文観測施設。
特にジャイプールのものはインドの天文台の中でも最も重要で保存状態が良いもの。
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西ガーツ山脈/2012年登録
インド西海岸から約30〜50km内陸に並列するように続く西ガーツ山脈は、北からマハラシュトラ州、ゴア州、カルナータカ州、ケーララ州、タミル・ナードゥ州にまたがって続き、途中ケーララ州で30kmにも分断される「バルカード・ギャップ」があるものの、総延長は約1600kmにも及びます。
ここは世界でも有数のホットスポットで「シシオザル」などの325種もの絶滅危惧種が生息していることで有名です。
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ラージャスターンの丘陵城塞群/2013年登録
ラージャスターンとは「ラージプート族の地」という意味。ラージャスターン州各地には、丘の上に築かれた城塞があり、これらは8〜18世紀にこの地を治めていたラージプート族の諸王国の権力を示すもの。世界遺産としては6つの城が登録されています。
各城塞は8〜18世紀にかけて使用され、城塞内には市街地や宮殿、交易所などがあり、宮廷文化が発展した場所でもありました。そして、自然の要塞でもあり、その水利システムは現在でも利用されているほどに技術力が高いもの。
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グジャラート州パータンのラーニー・キ・ヴァーヴ(王妃の階段井戸)/2014年登録
インド西部、パキスタンとの国境に接するグジャラート州にあるパータン。サラスワティ川の近くにある井戸は、インド独特の建築物である階段井戸の中でも傑作として知られます。これは11世紀にグジャラートを支配したチャウルキヤ朝のビーマデーヴァ1世が亡くなった後、王妃が亡き王のために建造したもの。
古来よりインドでは階段井戸が造られてきましたが、ここの井戸は500体以上の大きなレリーフが刻まれた寺院のような機能を持つ、階段井戸の中でも傑作として評価されています。
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大ヒマラヤ国立公園保護地域/2014年登録
インド北部ヒマーチャル・プラデーシュ州にある大ヒマラヤ国立公園は、ヒマラヤ山脈西部に位置していて、ここは山頂の氷河と万年雪によってさまざまな河川の水源となっています。
ここはヒマラヤ山脈の生物多様性のホットスポットとなっていて、ハイイロジュケイなど絶滅危惧種が生息する25種類の森林が広がっているのが特徴。
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ビハール州ナーランダーのナーランダー・マハーヴィハーラ考古遺跡(ナーランダー僧院)/2016年登録
インド北東部に位置するビハール州の南部にあるナーランダー。ここにはかつてインド最古の大学として知られるナーランダー僧院があった場所。「マハーヴィハーラ」とは「偉大な精舎(大僧院)」の意味で、かつては全寮制の大学でした。
紀元前3世紀から紀元13世紀まで仏教にまつわる教育が行われた、インド亜大陸の最古の大学でもありました。
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ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-(他6か国と共同)/2016年登録
ル・コルビュジエ(1887〜1965年)は、近代建築の三大巨匠の一人として有名。数多くある作品の中でも7ヶ国17の建築物が登録されていて、これはそれまでのヨーロッパの建築とは異なり、彼自身が半世紀以上かけて磨いていった新しい概念が導入されたもの。
インドで登録されているのは「ヴチャンディガールのキャピトル・コンプレックス」。インド北部のチャンディガールは、パンジャブ州の州都で、ここはインドの高官の依頼によって、コルビュジェの都市計画が実践された地でもあります。都市はドミノ様式で建築物を並べ、格子状に商業地区や行政地区などが配置されるというもの。
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カンチェンゾンガ国立公園/2016年登録
ネパールとブータンに囲まれたシッキム州に位置するカンチェンゾンガ国立公園は、世界で3番目の標高を持つカンチェンジュンガ山(8586m)があり、深い谷や雪に覆われた高山に囲まれ、長さ26kmにも及ぶ氷河や湖などが点在する世界有数の高山地帯でもあります。
ここは先住民の神話などが残り、シッキム州の先住民たちの崇拝の対象でありました。この地にはチベット仏教の思想に統合された文化的景観が広がっているのが特徴。
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アフマダーバードの歴史都市/2017年登録
インド西部・グジャラート州の主要都市であるアフマダーバードは、1411年にグジャラト朝のアフマド・シャー1世によってサバルマティー川を中心に設立された都市。ここはアフマド・シャー1世によって築かれたことから「アフマドの都市(アーバード)」と名付けられました。
中心部はグジャラト朝時代の建造物が多く、パードラ砦や門など、要塞都市としての姿を現在に残しています。ここはヒンドゥー教やイスラム教だけでなく、さまざまな宗教の施設が集まるという多文化都市。
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ムンバイのヴィクトリアン・ゴシックとアール・デコの遺産群/2018年登録
ムンバイは、インドでも第2の都市であり、世界でも有数の貿易港。19世紀後半になるとオーバル・メイデンには公共施設が多く建造されるようになります。
これらは19世紀後半にはヴィクトリア朝のネオゴシック様式、20世紀になるとアールデコ様式として建造されたもの。今でも残る映画館や住宅には、インドの建築様式を融合した「インド・デコ」と呼ばれる独自のスタイルが見られるのが特徴です。
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ラージャスターン州のジャイプル市街/2019年登録
ラージャスターン州の州都であるジャイプルは、1727年にワーイー・ジャイ・シング2世によって建造された比較的新しい都市。インドで初めて都市計画に従って築かれた都市で、19世紀後半からピンク色の塗装が施されるようになると、街は「ピンク・シティー」と呼ばれるようになりました。
1799年に当時の藩王だったプラタープ・シングによって建造物された「ハワー・マハル(風の宮殿)」は、ピンク色の砂岩を使用した5階建ての建造物。
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テランガーナ州のカーカティーヤ・ルドレシュワラ(ラマッパ)寺院/2021年登録
インド中央部テランガーナ州の州都ハイダルバードから北東へ約210km。湖のほとりにポツンと位置するのが、カーカティーヤ・ルドレシュワラ寺院。通称ラマッパ寺院と呼ばれています。
ここは13世紀にインド東部を支配していたカーカティーヤ朝のガナパティ・デーヴァ王の将軍レチャーラルドによって建造されたヒンドゥー教寺院。外観は重厚な建築物であるものの、水に浮くレンガを使用していたり、華美な装飾が配されたりと、独特の建築様式が見られるのが特徴です。
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ドーラビーラ : ハラッパー文化の都市/2021年登録
ドーラビーラは、パキスタンとの国境沿いにあるグジャラート州カッチ湿原にある遺跡。湿原にはカディール島という大きな島があり、島の西部の広大な敷地にはインダス文明の都市が存在していました。
島には紀元前3000〜1500年にかけて人が住んだ形跡のあるドーラビーラ遺跡があり、貯水池などの水利施設があったことから、高度な文明を持つ都市だったとされています。
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サンティニケタン/2023年登録
インド東部にある西ベンガル州の北部に位置する街。ここはアジア初のノーベル文学賞を受賞した、詩人ラビンドラナート・タゴール(1861〜1941年)の父であり、コルカタの名家であったデヴェンドラナート・タゴールによって1863年に買い取られ、邸宅(サンティニケタン・グリハ)が築かれたのが始まり。
ここはラビンドラナート・タゴールによって設立された大学のある学園都市であり、20世紀初頭にイギリス支配下のベンガルにおいて、インド古来の学問を目指しつつ、宗教や民族、性別などを越えた学校であるという点で、当時は革新的な学びの場でもありました。
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ホイサラ朝の宗教建造物群/2023年登録
ホイサラ朝は11世紀から14世紀後半に、現在のインド南西部に位置するカルナーカ州のマイソール地方を中心に存在したヒンドゥー王朝。ホイサラの王たちはヒンドゥー教のシヴァ派とヴィシュヌ派の両派を支持し、ジャイナ教徒にも寛容であり、それぞれの宗教建築物が多く建造されました。
ここは文化が興隆し、北インドと南インドの建築様式が融合。現在は廃墟となりましたが、遺構からは当時の文化や科学技術の高さが分かるという点で評価されています。
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モイダムス–アホム王朝の墳墓埋葬システム/2024年登録
インド北東部のアッサム州には、13世紀に現在の中国・雲南省から移住したアホム族(タイ系シャン族)によって築かれたアホム王朝が存在した地。彼らはここに「山の上のまばゆい都市」を意味するチャライデオを建設し、その後、首都は移転するものの、チャライデオは王族の儀式が行われる神聖な場所でした。
ここにはモイダムと呼ばれる古墳のような墳墓が築かれました。この地に王族は埋葬され、アホム族独自の埋葬風景が今でも見られます。
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世界遺産マニアの結論と感想
インドの世界遺産は文化遺産が35件、自然遺産が7件、複合遺産1件と盛りだくさん!タージ・マハルや赤い城など、誰もが思い浮かべるインドのイメージがありますが、それだけなく、古代遺跡や産業遺産、階段井戸まで、ありとあらゆるものが世界遺産に登録されているので、ぜひディープに楽しんでみてくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。